魔眼少女第2章「生者の虚構-結」
いよいよ魔眼少女の掲載を始める時がやってきました!
本日の8:00〜18:00までの短いあいだですがどうぞご覧下さい
詳しい詳細は後書きにて
Twitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえると見やすくて嬉しいです!
生者の虚構-結
金曜日
私は澪さんを連れて病院へとやってきた
「ここに来るのも久しぶりね、なんだか懐かしいわ」
「昔来たことがあるんですか?」
澪さんが住んでいる場所はここから結構遠いはずだ、もしかしてこの近くに住んでたことがあるのかな?
「友人の見舞いでね、その子病弱だったからしょっちゅうここに来てたのよ」
廊下を歩き咲の部屋の前まで来る
「この部屋の隣が林堂さんの病室です、私は咲に澪さんの事を伝えるのでその間にお願いします」
「了解、今の時間なら両親もいるだろうしちょうどいいわ、視るだけなら時間もかからないし彼女についても調べておくわ」
私は咲の病室の扉を開ける
「今日は遅かったね、何かわかった?」
「その件なんだけど知り合いの魔眼使いに来てもらってるの、それで咲にその人と会ってもらいたいんだよね、悪い人じゃないのは保証するわ」
「もちろん構わないよ神奈がそこまで言うなら間違いないし、それよりもやっぱり林堂さんなのかな?」
「残念ながら今回の事件を起こしてるのはほぼ間違いなく彼女よ、それともう一つだけ伝えなきゃいけない事があるわ」
私は昨日林堂さんの家で見た光景と彼女の家族について話した
「やっぱりそうだったんだ、だったら私達で救わないとね」
「随分と冷静なのね、もっと取り乱すと思ったのだけど」
「なんとなくそんな気はしてたからね」
彼女は思ったよりも大物らしい
「それでこれからの話なんだけど...」
トントン、ドアをノックする音がする、澪さんだ
「入って大丈夫ですよ魔眼使いさん」
「どうも初めまして、魔眼使いに対して全く臆さないその態度流石山崎晴人の妹さんね」
彼女は入るなり咲の顔をまじまじと視つめる
「わかりました?」
「ええそれはもうはっきりと視えたわ、やっぱり彼女は魔眼使いでないけれどその力を視ることが出来る特殊な眼を持ってるわ、ロブルスさんの言葉を借りるなら偽眼ね」
「つまり私は死体に付いている糸が視えたのに並木さんは視えなかったのは私の目が特殊だったからなんだ」
「その眼の力は視えるだけじゃなくて具現化した魔眼の力を扱える、単純に言えば私の力を借りて咲も戦うことが出来るっていうわけよ」
「それは思ってもない幸運だね、これで私も堂々と関われる」
どうやら彼女なりに魔眼使いと関わることに対して思うところがあったようだ、特に林堂さんの件は一般人ではいるだけで足手まといになりかねない
「それじゃあ作戦会議といきたいところだけれど病院ではちょっとまずいし私と澪さんで決めて咲にはメールで伝えるっていうのはどうかな?」
「賛成だよ、ただ実行する日は土曜日にしない?次の日が学校になると私達もキツイし」
「了解、じゃあ次に会うのは土曜の0時ね」
私は廊下に映る影を横目に見ながら咲に別れを告げる
影は私達が扉の方を向くと同時に消える
喫茶店
「さっきの会話聞かれてたわよね?」
席についてオススメランチのぐるぐるクレープケーキと紅茶を頼む
「そうですね、どうやら咲も気づいてたみたいですよ」
私はスマホの画面を見せる、そこには日曜日で大丈夫だよね?と書いてあった
「彼女もなかなかやるわね、それで作戦はどうするの?」
「林堂さんを霊安室におびき出してそこで彼女の家族に会います、そこから先はどうなるかわからないけどきっと上手くいくと思います」
「随分と希望的観測ね、下手したら霊安室にある死体を全部持ち出させれてあなた達も死体の仲間入りよ」
「危険になったら魔眼を使うから大丈夫ですよ、それよりも問題はどうやって彼女をおびき出すかなんですよね、どうにかして病院と話をつけられませんか?」
「ロブルスさんに頼めば確実なんだけど最近連絡がつかないのよね、私だけでどうにかしてみるけどダメだった時の事も考えといてね」
澪さんは紅茶を一口飲むと不思議そうに尋ねる
「それにしても神奈ちゃんって意外と世話焼きなのね、魔眼奪いに全く関係のなさそうな彼女を止める必要もないんじゃ無い?」
「最初は身の回りで騒ぎを起こされるくらいならとっちめてやろうって思ってたんです、でも彼女の過去を知って救わなきゃいけないと思いました、とっちめるのはそれからですよ」
彼女は家族を失いながらもそれに縋る林堂愛生衣を軽蔑したかった
だがそんな事は出来なかったのだ、魔眼奪いを見つけ過去との決別を果たそうとしている神奈自身やっている事は彼女と同じだった
だからこそ彼女を救いたいのだ、それが私にとって何の利益にもならず彼女にとって傍迷惑な話であったとしてもそうしたくてしょうがないのだ
「それなら宜しい私も協力し甲斐があるってものよ、それで林堂愛生衣を視てわかった事なんだけど」
澪さんの表情が真剣になる
「やっぱり彼女の家族は2年前の事故で既に亡くなっていたわ、だけど奇跡的に意識があった彼女が魔眼の力で家族を蘇生させたようね、当時の記録を調べてみたらこの事件を奇妙に思ってた刑事がいたみたいで詳細が残ってたわよ」
目撃者によると事故にあった家族は血まみれで明らかに医療処置が必要な状態で一度姿を消していた、通報したのは目撃者で事故を起こした張本人は即死していた
さらに不可思議な点は車の爆発によって身元を示すものが一切無く被害者の身元が不明のまま事故として処理された事だ、当時行方不明届を出された者は1人も存在せず全く手がかりが掴めないまま捜査は打ち切られた
「これを見る限り彼女はすぐに魔眼の力を使ったみたいですけどそれでも死にかけた人を救う事は出来ないんですかね?」
「魔眼のタイプによるわね、人には予め決められた死の瞬間が存在するわ、そして彼女の魔眼はあくまでも人としての機能を正常に動かすだけで死の期限を延ばすわけでは無いのよ」
「それじゃあもしその運命を変えるような力があれば死者を生き返らせることすらも可能って事ですか?」
「理論上は可能でしょうね、でもそれは誰もが願ってその願いに裏切られた人が手にしてはならない権利よ」
死者を蘇らせるのは永遠の命を手に入れるのと同等の所業だ
それを使ってはならない事は分かっている、けれど私の目の前にそんな力があるとしたら私にその選択が出来るのだろうか?
「ボーッとしてないで次の話よ、林堂愛生衣の力が作用する範囲は病院からだとせいぜい学校の手前くらいまでだったの、だから彼女は家に残してきた家族を安全な場所に連れて行く必要があったの」
「それが霊安室...そっかだから死体の数が増えてたんだ」
「そしてそれを気づかれた彼女は死体を元の場所に戻すことにした、そこまでが今までの話よ、そしてここからが重要なのだけど」
ケーキを一口食べて静かに告げる
「あの霊安室は悪霊の溜まり場よ、そして彼らは魔眼によって操られた死体に乗り移っていつでも操れる状態になっているわ、今はまだ林堂愛生衣の言うことを聞いているようだけどそのうち暴走しはじめるかもね」
「それなら尚更止めないと」
「彼女を救って悲劇も止める、その覚悟はあなたにあるかしら?」
そうか、澪さんはこれを聞くために...
「勿論あります、全部丸く収めて魔眼奪い探しに戻ります」
「それでこそ神奈ちゃんね、わざわざ彼女を助ける理由を聞く必要もなかったかしら?」
「当然ですよ、それに救わなきゃいけないのは彼女だけじゃ無いんじゃないですか?」
「そうね神奈ちゃんの言う通りに視にいったら大正解だったわよ」
しばらく後
昼時にも関わらず人気のない喫茶店での会話を機に留める人など誰もいなかった
2人は席を立ち会計を済ませる
「今日はありがとうございました、おかげで上手くいきそうです」
「私も直接参加したいのは山々なのだけど私の魔眼は戦闘向けじゃないから遠慮しとくわ、頑張ってね神奈ちゃん」
黄昏色に染まりかけた空の輝きが2人を照らす
土曜日
この日は特に病院を訪ねる予定もなく朝はゆっくり叔母と朝食を食べながらニュースを見ていた
「続いてのニュースです、神奈坂市内で集団殺人と思われる遺体が発見されました、警察によると遺体の外部に損傷は無くそのどれもがまるで時が止まったような状態になっているようです、詳しい状況は現在捜査中となっています、では次のニュースです...」
「集団殺人なんて物騒ね、最近はビル爆破の事件もあったし神奈ちゃんも外に出るときは気おつけてね」
「分かってます、叔母様も出かける時は気おつけてくださいよ、私のただ1人の家族なんですから」
朝食を片付けると叔母は買い物をしに出かけて行った、私も久々に何もする事がない日だったのでどこかへと出かけることにした
昼間
「はあはあ...なんで俺がこんな目に...」
男は焦っていた、男が老人から請け負った仕事は魔眼奪いに襲われた魔眼使いを助けるだけの簡単な仕事のはずだった、なのに今男が陥っている状況は想定していたものとは180度異なっていた
魔眼奪いに襲われていた少女を助けたはいいものの何故かその少女に襲われる羽目になったのだ
「見つけた...」
青い髪の少女は冷徹な眼で彼を視る
その少女の眼を男はよく知っていた
時の魔眼、それは眼に映ったものの時の流れを視てそれを止める事が出来る魔眼の中でも最も危険な類のものだった
「俺は魔眼奪いの仲間なんかじゃない、誤解だ!」
必死に少女を止めようとするがその言葉を聞いた少女の眼は余計な冷ややかなものとなる
「知ってる...そんなのどうでもいいよ...」
少女が視ているのは男の過去の姿だった、人を殺す事に一切の躊躇も感情も無いその姿が今も動いている事は少女がその力を振るうのに十分な理由だった
「待て...やめろ、やめてくれ!」
男は自らの感覚が徐々に無くなっていくのを感じた
「さよなら...」
少女がその一言を放ちその場を去る頃には男の時は完全に止まっていた
「次はこの人...」
未南雲神奈、少女が手に持つ写真の下に書いてあった名前は確かにそうなっていた
少女が去って後黒い影が男の元に現れる
「他人の時を奪った挙句自らの末路は在るべき時を止められるとは下らん、生きたまま死ぬ地獄で苦しめ、永遠に苦しみ続ければいい!」
狂気じみた叫びと共に魔眼奪いは背中に背負っている鎌を下ろす
鮮血が路地裏に流れる、ザクッザクッと音が鳴るたびに男の身体が形を失っていく
すぐに男は肉片と化した、それは生きながらも死した罪人の末路であった
「ひゃっひゃっひゃ、やはり死とは美しい!殺戮こそ最大の救い!」
狂気の殺人鬼は笑い声と共に消え去る
気づけばかつて男であったものは路地裏から消えていた
深夜病院にて
咲はある人物の病室の扉が開くのを廊下の隅に隠れながら待っていた
カチッ時計の針が12を示す、その時扉は開き林堂愛生衣が出てくる
「隣の病室だけど話すのは3日ぶりだね」
突然現れた咲に彼女は戸惑う
「ごめんね騙すつもりはなかったんだけど少し2人で話がしたくて、入ってもいいかな?」
彼女が無言で頷くと咲は彼女の手を取り病室へと入る
「へえこれが愛生衣の家族なんだ」
花瓶に立てかけてあった写真を見て呟く
「もう知ってるんだよね、うちの家族の事も私がしていた事も...」
「知ってるよ、だからこそ親友として忠告するね、明日の夜は何があってもここから出ないって約束してくれない?」
「やっぱり今日じゃ無かったんだ、なんで私に教えたの?私はあなた達を出し抜こうとしたんだよ?」
愛生衣は不思議そうな顔で尋ねるが咲は当然のように答える
「そんなの親友だからに決まってるじゃん、それにさ私は悪くないなんて言ってもらったの初めてだったから...」
「そうだったんだ、山崎さんもずっと誰にも許されて無かったんだね」
「今更だけど山崎さんじゃなくて咲って呼んでよ、親友でしょ?」
「ありがとう咲ちゃん、ここに来てくれて親友として忠告してくれたのは嬉しい...、だけど私は行かなくちゃいけない」
「行っちゃダメだよ、神奈は愛生衣の魔眼を止めようとしてる、そしたら永遠に家族と会えなくなるんだよ?」
「それでいいの、それが私が家族をここに連れて来た理由だから」
「えっ...」
あまりに予期せぬ答えに絶句する
「2年前もし私が運命を受け入れてたら家族はここに来るはずだったんだ、だから他人の魔眼に巻き込まれて咲はちゃんを傷つけてここの病院に来た時に神様がもう終わりにしようって言ってる気がしたんだよ、前にも話したよね人生の始まりと終わりは決まってるって、家族にとってここが終着点なんだよ」
「それでもまだ終わってない、愛生衣には側に居てくれる家族がまだ残ってる!」
自らが失ったもの、それを目の前で親友が失おうとしている、そんなことは到底許せなかった
「2年前のあの日に何もかもがとっくに終わってた、咲ちゃんがお父さんの死を背負ってるみたいに私は家族の生を身勝手に背負ってた、罪ならいくらでも背負える、でもだんだん命の重みも家族の在り方も忘れていく自分にはもう耐えられないよ!」
その悲しい叫びは咲には届かなかった
生を失った者と死を失った者、両者は互いにわかり合うことなど出来なかった
「それでも明日は来ないで欲しい、死んでから二度と会えないのは生きていて会えない事よりもずっと苦しい事だから」
咲はそう言い残して病室を去る
空は暗闇に包まれ夜の静けさが病院を支配する、運命の時は刻々と近づいていた
日曜日
「これで良しっと」
神奈はある人物に電話をしてそして別の人物にも電話をかける
「もしもし未南雲神奈ですけど....」
数分後
「よしっこれで準備完了ね、偶然とはいえ家に居てくれて助かったわ」
澪さんから病院に話を通してもらうのも成功したので残った問題はただ一つだけだった
「後は叔母様に気づかれずに外に出れるかよね、流石に今の時間帯から病院の近くで夜中まで張り込むわけにはいかないし...」
時刻は12時半、叔母は夕飯前には帰ってくるはずだ、夜中まで帰ってこないなんてことになったら警察沙汰になりかねない
観察眼の鋭い叔母のことだ、きっとこないだの夜に外出しようとしたことなど見抜かれているだろう
「出来るだけこっそり行くしかないわね」
0時前
「落ち着いて慎重に歩けば大丈夫、なるべく音を立てないように」
静かに自らに言い聞かせてから部屋のドアを開ける
叔母の部屋の電気はもうついていない、足音を立てないように慎重に歩きどうにか玄関のドアノブを回す
その時背後でドアの開く音がした
「こんな時間にどこに行くのかしら?」
その声を聞いた瞬間に私の頭は全力でこの場を乗り切る方法を考える
この際叔母の事を無視して全力で走って逃げる...のは後が怖いし、かといってこのまま引き下がるわけにもいかない
悩んだ末に出した結論は説得だった
「病院に行かなくちゃいけないんです、絶対に危ない真似はしません行かせてください!」
「それはあの女記者の差し金かしら?未南雲家はもう魔眼とは関わりを持ってないし神奈ちゃんはそっち側の人じゃないのよ?」
頭を下げる私に叔母の顔は見えない、でも声を聞くだけで絶対に行かせないという意志は容易に感じ取れる
「澪さんは関係ありません、助けなきゃいけない友達がいるんです、お願いです今日だけわがままを許してください!」
叔母は少しの沈黙の後に答える
「わかりました神奈ちゃんがそこまで言うのなら許します、でも明日は学校なんだから早く帰って来なさいよ?」
私は顔を上げて精一杯の声で答える
「はい!行ってきます!」
その時見た叔母の顔はわがままな私には勿体無いくらい優しかった
病院内
「咲はもう霊安室にいるはずだし完璧な段取りね」
神奈は放送室で静かにマイクをとる
林堂愛生衣の病室
愛生衣は病室の中でその時が来るのを今か今かと待ちわびていた
そして彼女の部屋に放送が響き渡る
「霊安室で火事が発生しました、繰り返します霊安室で火事が発生しました、こちらへの影響は予想されませんが万が一に備えて待機していてください」
その声の主を彼女は知っていた
「神奈ちゃんだよね?」
返事をして欲しいわけでもなく1人呟く、だが意外な場所から返事が帰ってきた
「ええそうよ、こんばんは林堂さん」
家族写真の裏からこの声は聞こえていた、いつ仕掛けられたかは想像できるが咲が神奈とまだ共謀しているのは意外だった
「神奈ちゃんも私を止めようとしてるの?」
「止めるなんて傲慢な事は出来ないわよ、なんたって今回は私は脇役なのよ?主演の考えを全部見通した上で終わりまでもっていくのが今の私の役割よ」
「だったら教えて、私はどうしたらいいの?」
「もう言ったじゃない、霊安室で火事が起こったのよ?」
神奈はそれだけ言うと早足で放送室を去る
霊安室にて
「0時ぴったりのご出勤お疲れ様です、ギリギリだけど何かあったの?」
「ちょっと家を出るのがギリギリになったの、それよりも霊安室鍵はちゃんと開いてたみたいね」
「そうだね、神奈のお陰で何もかも上手くいってるよ...」
その一言は彼女の本音ではない事などとうにお見通しである、その上で何もかも丸く収めないといけない
「そうね上手くいってるわ、ただ1つを除いてね」
瞬間神奈は木刀を取り出し咲へと向ける
「えっ...」
「霊安室の扉は開いてなんていないわ、だって私がここに入った時にあなたが閉じてたでしょ?」
「バレないと思ったんだけどな、お見通しってわけか」
咲は手に持った鍵をポケットに入れる
「私の眼について話してなかったわね、この眼は表裏の魔眼って言ってね人の隠してる事が分かるのよね」
「初めから何もかも知ってて私をここまで連れて来たんだね、だったらわかってるでしょ私は神奈を止める」
咲も木刀を出して神奈へと向ける、その目は強い覚悟を持っていた
「そっちこそわかってるんじゃない?私は何もかもわかってるのよ、あなたは私には勝てない」
勝算が無いのならここまでお膳立てする必要すらない
そんな事はわかっている、だけど後には引けない
「剣道部の次期部長舐めてんじゃないよ!」
絶対に負けたくない、そんな強い想いを乗せた剣撃は鮮やかに凌がれる
「自分でもわかってるんでしょ、今のあなたがどれだけそれを振るっても私には当たらない」
「それでも私が負けたら愛生衣は一生家族を失わせた罪を背負うことになる、そんな思いをするのは私だけで充分なんだよ!」
どれだけ剣撃を重ねても木刀は空を切るだけだった
「本当に何もわかってないのね」
コンっ神奈が木刀を弾き飛ばし咲は腰をつく
「神奈にわかるわけなんてない!」
地面に落ちた木刀を拾って警報機のスイッチに向かって投げ飛ばす
「させないっての!」
神奈は反射的に飛び出しその木刀を弾き飛ばす
吹き飛んだ木刀は老朽化して脆くなった柱
に致命的なダメージを与えた
柱は天井の重みに耐えきれずにボキリと折れる
「危ない!」
崩れ落ちる天井が咲の真上まで迫っていた
それでも咲は避けようとしなかった、別に怖くて足が動かなかったわけでもない
「人生の始まりと終わりは決まってる」
ただ愛生衣の言っていた一言が脳裏をよぎった、終わりが決まってるのならきっと罪を背負った私の終着点はここだったのだろう
「ごめんな」
何もかも諦めて全てを捨てようとしたその時に彼女の手を掴む者がいた、咲の体は天井に押しつぶされる寸前に持ち上げられ助けられたのだ
「お兄ちゃん...!」
「咲がずっと1人で悩んでたなんて気付かなかった、俺は兄ちゃん失格だな」
「そんな事ないよ、お父さんのことは私だけの責任だよ!」
「咲が親父の事を後悔してるのならそれでいい、でも困ってる時に助け合うのが家族だろ、本当に苦しい時は頼っていいんだぞ」
涙が溢れる、今まで重さを忘れるほどの間1人で背負いこんできたものの重みに心が崩される
「咲には頼れる家族がいるんだから最初から背負いこむ必要なんて無かったのよ、それで
あなたはもう覚悟は決まった?」
神奈が扉に向かって話しかけると扉は開き人影が現れる
「うん、生活から家族がいなくなっても心(一緒)にいる、それに私のために必死に頑張ってくれた親友がいるから」
「咲ももう文句はないわよね?」
「そうだね、私を救ってくれた神奈なら信じれる」
その時霊安室全体にいくつもの不気味な声が響き渡る
「ダメだ、そんな事は許されるわけがない」
「お前は私達を動かした、なんの関係もない者を我ら悪霊に晒した」
「生きる者に死を!生への決別を!」
「お前は家族を捨てるのか?私達を捨て駒にするのか?」
「その眼を使い続けよ、我らに生への繋がりを!」
死を受け入れられず現世に長く留まりすぎた魂はもはや生きていた頃の面影など残していなかった
彼らに共通するのはただ一つ生への執着のみである、だからこそ彼らにとって彼女の眼は絶好の機会だった
「やめて、お願いだから...!」
愛生衣が眼を抑えてうずくまる
悪霊の住み込む死体と彼女の眼はまだ繋がりを持っていた、悪霊は動かすためだけに繋がれていたはずの糸を通じて彼女の眼を脅かす
「魔眼の暴走ってやつね、やっぱり1週間もずっと繋がってたらそうそう切ることなんて出来ないわよね」
棺桶が次々と開き悪霊に取り憑かれた死体達が続々と這い出てくる
「どれだけいようと所詮は過去のもの、今を生きるボク達には敵わない!」
神奈の眼が光り世界は反転する
「これが神奈の視ている世界...」
そこに居るのは死体ではなく死の世界に蠢く悪霊そのものだった
「山さんは予定通り地下室に行って、咲は...」
「戦うよ、親友が苦しんでるのを黙って視てられるわけない」
その目は先ほどまで泣き崩れていた少女のものではない、友を想い守る決意の目がそこにはあった
「力を貸すよ、それが咲がその目を持った運命だと思うよ」
神奈は裏刻刀を新たに創り出すと先に向かって投げる
「ありがとう、もう少しだけ待っててね愛生衣」
それだけ言うと続々と現れる悪霊の群れへと突っ込んでいく
「我らに逆らうなど愚かしい、お前はこちら側だろう」
悪霊達の嘆きが聞こえる
「もう愛生衣の願いを邪魔なんてしないし絶対にさせない!」
「都合のいい事を抜かすのが生者の愚かさよ」
「確かにそれは愚かな事なのかもしれない、でも生きている限り困った時に手を差し伸べてくれる人がいる、何度失敗してもやり直せる!」
咲が舞う、その剣撃に一切の迷いはない
ただ一つ願うのは親友の幸福のみ
「流石の一言だね、最初からそうしてればボクにも勝てたかもしれないのに」
神奈は悪霊達の方を向く
「幾らいても勝てないと知りながら向かってくるんだね」
向けられた眼は慈悲ではなく軽蔑である
とっくに終わりながらも今更に足掻く悪霊達は在るだけで見苦しかった
「否、我らに敵うものはあらず」
「残念だね、どうやら身体だけじゃなくて心までダメになってるみたいだ、お前達はとっくに終わってるんだよ」
慈悲なき剣撃は死体に宿る悪霊のみを切り裂く
「何故我らが負ける、生者に我らの苦しみがわかるものか」
「ああ、わかんないし理解する気もないよ、悪霊だろうと神霊だろうと所詮は過去のもの、だったら今を生きるボク達が負ける道理なんてない!」
その力に触れた悪霊はようやく全てを理解した、50年もの歳月はかつて人だったものを狂わせるには十分過ぎたのだと
霊安室地下
上と同じくこちらでも悪霊に取り憑かれた死体が次々と動き出していた、そしてそれらを見据えるようにただずむ1人の女性がいる
「久しぶりだなって言いたいところだがあんたはその...なんだ、違うんだろ?」
晴人は地下室で出会った人物を知っていた、いや正確に言えば見たことがあった
「そうねあなたが知ってるのは姉の方、でも安心して姉もここにいるから」
並木岬、それが彼女の姉の名前だった
「そいつは安心だ、残念ながら俺の魔眼は死体だとしても悪霊が取り憑いている以上使いもんにならねえ、少々手荒くなるが手加減出来ねえから気をつけな!」
次々と襲いかかってくる死体達をどんどん投げ飛ばしていく
そんな晴人を眺めている彼女にも死体達は襲いかかろうとする
「普通に生きてきたらこんな面倒には巻き込まれなかった、でもお陰で色んな人と出会えたから五分五分かな?」
死体が彼女の眼の前まで近づく
「でもまだ成仏する時じゃない、一夜限りの奇跡を視せてあげる!」
彼女の眼が紅を灯す
元来彼女の目は通常の人と何一つ変わらないものだった、それは決して変わる事などはない運命
だが一つの魂が彼女と交わった、異であり同であるそれは彼女の眼に一度きりの覚醒をもたらした
彼女の眼の名は神葬の魔眼、この世に残る魂を浄化しあるべき場所に帰す力を持つ
その具現は奇遇にも神奈と似通った刀だった
「コノ先ハ何人タリトモ通サズ、偽ノ力などで我らに敵ウト思うな」
悪霊達の声が聞き取りづらくなる、何重にも重なったその声は終わりを予感させる
「成る程ね、この先が一番悪霊達を引き寄せ溜め込んでいるってところかしら、でも残念でしたこの力は借り物でも剣道の腕は本物よ!」
その剣撃は風の如き、悪霊達は一切の抵抗もできないまま斬り伏せられる
数十の悪霊を切り捨てた先に一箇所異様に悪霊がいくつも折り重なって巨大な死者を作り上げている場所があった
これこそが悪霊を束ねる元凶でありこの霊安室に巣食う魔物である
「やっと親玉の登場ね、さっさと終わらせちゃいましょうか」
言葉は軽いが刀を構えるその姿勢は油断を一切感じさせなかった
「ヴァア、ヴァア!」
悪霊の集合体であるその叫びは最早声にすらなっていない
「あるべき場所に帰りなさい!」
眼の力は悪霊を次々に浄化していく、だが幾ら斬ろうともそれは次々に悪霊を吸収していく
「周りからやってたら埒があかないわね、こうなったら一撃で貫く!」
それを構成している何かが中心に必ず存在するはずだ、彼女の素早い一閃は確実にそれを射抜いた
それに集っていた悪霊達は自分達が何故そこに居たのかを疑問に思うかのごとく消えていく
残ったただ1人の悪霊は儚い少女の幻影だった
「何で殺すの...私はただ友達が欲しかっただけなのに、1人が寂しかっただけなのに!」
刀が消滅する、どうやらこの借り物の力もそろそろ限界のようだ
「寂しいなら空へ帰りなさい、きっとそこにあなたの求めている人達が待っていてくれるわ、もとよりそんな事はずっと昔から変わらないわよ」
その答えを聞くと不安そうな少女の顔は希望に満ちる
「そうだったのね、ずっと1人だったから気づかなかったわ」
それだけ言い残して少女は光に包まれ消えた
この地に集められた悪霊達を縛るものは無くなりそれぞれが在るべき場所へと帰っていった
「もう大丈夫?」
咲は愛生衣に触れる
「うん、後は家族と別れるだけ...」
その瞬間地響きと共に霊安室全体が崩れ始める
「まずいよ早くここから出ないと、この建物もう崩壊寸前だ」
咲は愛生衣の手を引いて逃げようとするが神奈がそれを制止する
「ダメよ、まだ林堂さんは家族に別れを告げてない」
「何言ってんの、ここで皆んな死んだら今までやってきた事は全部水の泡だよ」
「何のために山さんを連れてきたと思ってるのよ、彼の魔眼なら後2、3分は持たせられるわ、その間に林堂さんは行って来なさい、咲は...」
「私もついて行く、ここまで来たんだから最後まで見届けなきゃ」
「はあ、やっぱりそうなるのよね、止めはしないけれど2人とも絶対に出てくるのよ」
「神奈ちゃんはどうするの?」
「私は他にやる事があるからお先に失礼するわ、バイバーイ」
神奈は駆け足で出口を目指す
「神奈のやつ何しに行くんだろ」
そんな神奈に呆れてる場合でもない、2人は駆け足で地下へと降りていく
地下では晴人が必死に崩壊を防いでいた
「お兄ちゃん、後どれくらい持ちそう?」
「俺の事は気にすんな、何があっても2人は助け出してやるからよ」
そんな晴人を通り過ぎて更に奥へと進む
「全くとんでもねえ嬢ちゃんだぜ、こうなることまで予測しやがって」
〜回想〜
「もしもし未南雲神奈ですけど山崎晴人さんはいらっしゃいますか?」
「俺が山崎晴人だが嬢ちゃんが俺に何かようかい?」
「実は今夜病院で魔眼絡みでちょっとした騒ぎになりそうなんです、それで協力して欲しくて」
「残念だが魔眼持ち相手じゃ俺がいてもあんまり変わんねえ思うぜ、俺としたら咲に危ない目にはあってほしくねえからついて行く分には構わねえがよ」
「山さんの魔眼が必要なんです、あの霊安室がなんの工事もなしに50年間建ち続けてるなんておかしいんです、何かの拍子に崩れるような事があったら咲も私も生き埋めですから」
「いまいち話が見えてこねえが俺の力が必要だって事だな、だったら断る理由もねえ」
〜回想終了〜
走り続けているとやがて侵入禁止の看板まで行き着いた
「ここだよね、何とか間に合ったね」
「うん...」
棺桶に入った家族を見つめる愛生衣に咲は尋ねる
「最後に話さなくてもいいの?もう会えないかもよ?」
このまま建物の崩壊が進めば家族どころの話ではなくなる、そもそも私達も戻れるか怪しいほど道は険しくなっている
「私はこれで十分だよ、魔眼を使ったところで本物の家族に会えるわけでもないんだし」
彼女にとって例え動いていたとしても家族は2年前に亡くなっていたのだ、2年間の空虚な生活は今この瞬間終止符を打たれようとしていた
だが愛生衣が棺桶を閉じようとした時にそれは起こった
「愛生衣、今までありがとうね...」
奇跡か神の気まぐれか2年前に死の期限をとっくに過ぎたはずの身体で愛生衣の家族は自力で動き出した
「嘘でしょ...夢じゃないよね?」
「夢なんかじゃないわよ、2年間1人にさせてごめんね」
「私の方こそ本当は2年前にお別れしなくちゃいけなかったのに今まで付き合わせてごめんさい...」
泣きじゃくりながら答える
「そんな事ないわよ、この2年間愛生衣は1人でよく頑張ったわ、もう独り立ちできる私の立派な娘よ」
「そうだな愛生衣は俺たちの大事な娘だ、その娘と2年も余計に暮らせたんだ、悲しいわけがないだろう」
「そうだよ、これから会えなくなるのは悲しいけどちゃんと御墓参りに来てねお姉ちゃん!」
「1人でちゃんと暮らすしお墓参りも絶対に行くよ、だから何の心配もいらないよ」
それを聞くと家族の魂は満面の笑みで消えて行く、時間を超えてようやくあるべき場所に帰るのだ
霊安室前
神奈は煌々と輝く星を眺める女性に話しかける
「こんばんは並木沙彩さん、それとも今は岬さんですか?」
「沙彩であってるわよ、姉はもう去ったわ」
「そうですか、私としては是非岬さんにもお礼を言いたかったんですけど仕方がないですね」
「それにしても私の身体に姉の魂が入ってるっていつ気づいたの?」
「気がついたのは初めにあった時です、その時は悪霊か何かにでも取り憑かれてるのかと思ったんですけどある人にあなたのことを調べてもらったんです」
〜回想〜
「並木沙彩の件だけど調べてみたらこの件だけじゃ済まない事が分かったのよ」
澪さんが取り出したのは少し前の新聞記事を切り抜いたものを貼ったノートだった
「これってビル爆破事件の記事ですか?」
2週間前に起きたビル爆破事件は霊安室の変化に並木さんが気づいた要因にもなったものだ
「どうやらその事件の被害者の中に並木沙彩姉の並木岬がいたみたいなの、そして身元不明の遺体として霊安室に運ばれた遺体を偶然にも妹である彼女が発見したのよ」
「その時に魂が乗り移ったなんて言うんですか?悪霊になった後ならまだしも人に乗り移る力を元から持ってる魂なんて存在しないんじゃ」
「確かに血が繋がってるからってそうそう魂が乗り移ったりはしないわよ、でも双子だったらどうかしら?」
双子だから魂の形まで似ているなんて事は絵空事だが可能性はゼロではない
「可能性はありますね」
「そしてこれからが本題、仕組まれてるんじゃないかって疑いたいくらいの偶然なんだけど並木沙彩は魔眼使いだったのよ、それも悪霊を浄化する類の魔眼だから今回の事件にピッタリよ」
「でもその人もう亡くなってるんですよね、魂は乗り移っていても魔眼は残ってないんじゃ」
「そこで問題です、ビル爆破事件の目的は一体何だったと思う?」
そんな事を聞かれてもわかるはずがない、そもそも私が知っている被害者は並木沙彩だけであって...
「まさか並木沙彩?」
「あくまで想像に過ぎないけど恐らくそうよ、そもそもあんなに派手な事件だったのに警察も被疑者死亡で捜査をやめてるなんておかしいと思わない?」
「私の事件と同じ...つまり魔眼奪いが爆破事件を起こした、でもそれだったら魔眼奪われてますよね」
「そうなのよね、唯一の可能性としては魔眼奪いが中途半端に仕事をしたせいで魔眼がまだ彼女の魂に残ってるくらいなのよね」
「直接視てもそれはわからなかったんですか?」
「彼女自身が魔眼に気づかないと私にも視えないのよ、まあ魔眼があろうがなかろうが連れていって問題ないわよ、なんといっても彼女剣道の全国大会で何度か優勝してるのよ」
それほどの実力だったとは知らなかった
「なら問題は無さそうですけど後でバラバラになった死体が沢山出るのも困るので魔眼については一応聞いておきます」
〜回想終了〜
「魔眼が残ってて助かりました、並木さんがいなかったら危なかったですよ」
「姉の力が役立ったのなら良かったわ、彼女いつもこんな力があっても意味ないって言ってたから」
「魔眼なんてそんなもんですよ、普段は持ってるだけで厄介ごとに巻き込まれてそのくせ無いなら無いでその時に困るんですから」
それでも彼女の力は十分なほどその役割を果たしただろう
その時霊安室が物凄い音を立てて崩れ落ちる
「いやー、ギリギリセーフってとこかな」
砂煙が舞い上がる中から人影が出てくる
「ピッタリもいいことだぜ、後ほんの少しでも遅かったら今頃死体の仲間入りだ」
晴人は愛生衣をお姫様抱っこしながら出てくる
「もう大丈夫ですから降ろしてください...」
愛生衣は顔を赤らめながら足をバタバタさせている
「みんな無事で何よりだわ、一見落着かしら」
そんな神奈の言葉など耳に入らなかったように咲は興奮しながら話す
「愛生衣の家族が最後に生き返ったんだよ!奇跡が起きたの!」
それを聞いてもそこまで驚かない神奈の顔を見て咲は気づいてしまった
「何もかもわかってるってまさか...」
「確信は無かったのだけどね、これだけの役者が揃ったんだものそういう奇跡の一つや二つ起こっても構わないでしょ?」
イタズラっぽく笑う神奈の顔を見て沙彩は尋ねる
「それならこの霊安室もどうにかなるのかしら?出来ればこの先もこの病院で働きたいなーとか思ったり思わなかったり...」
じーっと見つめてくる沙彩に少し恐怖すらも覚える
いっそ剣道の師範にでもなったらどうですか?なんて冗談を言った時にはすぐにでも斬りかかられそうだ
「明日の朝のうちに中にあるご遺体だけは回収してもらうように手配してます、ただこの惨状なので全部が無傷ってわけにはいかなそうですけど」
神奈は気まずそうに愛生衣と沙彩の方を見る
「姉なら問題ないわよ、見つけた時に葬儀してもらったわ」
「家族はみんな棺桶に入っているから問題ないと思う...それよりも他の人達が心配」
その気は無かったとはいえ自分の行為が遺体を傷つけてしまった事を気にしているようだ
「それじゃあ今夜は徹夜で作業の手伝いでもしようか!」
謎のテンションで意気込む咲にあからさまに嫌そうな沙彩が尋ねる
「それってこの場にいる人全員?」
「当然ですよ、私達に加担した以上参加してもらいますよ、帰るまでが遠足です!」
どうやら神奈もやる気はあるようだ
「それじゃあ早速始めるとすっか、まずは瓦礫の片付けからだな」
晴人もやる気満々だ
「えー晴人さんもやるんですか、もー明日も朝早いのにー」
文句はあるが沙彩も承諾する
「みんなありがとう...」
「ほら愛生衣もいこ!」
咲は愛生衣の手を取り崩れた霊安室に向かう
その光景を見てこんな家族があってもいいかなと思った神奈なのだった
悪霊も入りたがらないような暗く染まった森の中一際騒がしい霊安室跡を眺めている少女の姿があった
「もう抑えるのも限界みたい次会った時は私を止めてねお姉ちゃん....」
少女は手に持った写真を握りしめてその場を去る
生者の虚構-完
どうも新作を思いついてから旧作が踏み止まっていたダメ作者のつばさです
それでも何とか「魔眼少女」を書き終えることが出来ました
そして少しでもこの小説を色んな人に見てもらうためにある企画を思いつきました
それこそがアニメの一挙放送ならぬ、小説の一挙掲載です!
というわけで本日の8:00〜18:00にアニメよろしく30分に一話投稿致します
またTwitterで#魔眼少女で感想を呟いてもらえれば作者が突撃しに行きます!
是非色んな方と感想を言い合ってもらえればと思います
作者Twitter https://mobile.twitter.com/atorietsubasa
時間ピッタリに上げられそうなものは予約掲載でする都合上後書きはテンプレのみになります




