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絵ごころ引力  作者: yomo
8/21

「プレミアム的な?」

 空港から帰って来た2人。出迎えた宮元さんのお母さんですが、何の不信感もなく2人の夕ご飯を作り始める。そのあいだ、飛行機の模型の事で宮元さんの部屋へ……。そこで、更にプラスな一面を突き付けられる!? 限定のシュークリームが……。

 宮元さんの部屋は、思った通り2階の様です。

 彼女の後ろを付いて行くんですけど……

 まぁ、これが意外にも急な造りになっていました。

 リフォームしたんじゃないのか?

 上に部屋は、3部屋ありました。

 彼女の部屋は、階段に一番近い手前にある部屋でした。


「さぁ、どうぞ~」

「へぇ~……」


「へぇ~って、何ですか?」


 しまった~!

 私とした事が……


「いやっ! 変な意味じゃないんだ! てっきり飛行機の写真とか……」

「模型がびっしり並んでいるとでも? ……ありますよ! でも、今は見せませ~ん」


「あるんだ……?」


 お母さんが、買って来るくらいだもんな。

 別に、趣味で集めてるんだから私は気にしないけど。

 男の人は、色々な物を集めるのを聞くけど……

 今は、見せる決断のタイミングじゃないという事なのだろう。


「どこに座ろう?」

「じゃあ、このリクライニングに……。ちょっと疲れちゃいました……」


「って!? 宮元さん!? どうしたの?」


 貧血!?

 ……寝ている??

 私が一瞬足を伸ばした瞬間に……!!

 これって逆の膝枕ひざまくら!?

 限界だったのかな?

 車の中で眠っても良かったのにと思いました。

 でも、どうしよう?


 この角度からの宮元さんは、何か色っぽい……

 そっと肩に手をやりました。


 何でしょう?

 時間が止まっています。

 そんな気がします。

 私まで、ウトウトするような感覚が…………



「ご飯出来たわよ~っ!! 降りていらっしゃ~い!」

「あっ!! 宮元さん! 宮元さん!!」


「わたし? ハッ! 私ったら……」


 顔を赤らめて、宮元さんは起き上がりました!

 寝顔は、2度目だよ!

 宮元さん!


「あ~平気平気! ご飯出来たってお母さんが呼んでるよ!」

「冷めちゃうわよ~!」


「は~い! 今行く~!」


 大丈夫かな?

 何だか、まだフラついている様な気がする。 


「模型でしたね。先に下に行ってて下さい。持って行きます」

「分かった。じゃあ、先に行ってるよ」


「どうしたの~!! 2人とも~!?」


 お母さんが、2階に上がって来そうな勢いです。

 私は、また意外に急な階段を降りて行きます。


 テーブルには、とても美味しそうな料理が並んでいました。


「美味しそうですね~」

「美味しそうじゃなくて、美味しいのよ! とっても!」


「ははっ! そうですね。すみません」


 おふくろの味か~?

 まだ、宮元さんは降りて来ません?


「あなた達、キスくらいはしたの?」

「おっ……! お母さん! …………はい」


「隠さなくてもいいのよ! 子供じゃないんだし」


 なんと寛大な~?

 私は、そんなオープンな方じゃあないから……


「よっと!」

「今、階段を何段飛ばしした? 足とか大丈夫?」


「平気です! 約束の模型です!」


 模型を手渡されキョトンとする私……

 思ったよりも高そうな感じがします。


「わぁ~美味しそう! さぁ典秀さんも食べましょう! いただきま~す!」


 何だか、また少し違った宮元さん?

 これが本当の宮元さん?

 元気でいいです!


「お母さん! 美味しい~! 典秀さん? どうしたんですか?」

「あぁ。じゃあ、いただきます。美味しいです」


「ありがとう典さん。お代わりしてね」


 この団らん的な雰囲気は、すごくいいです。


「お母さん! お代わり~!」

「早っ!? 途中で食べて来れば良かった?」


「もう。亜美ったら~」


 宮元さんは……

「ハッ!」としたアクションです!

 少しの沈黙……


「私って、お母さんの料理大好きなんです!」

「いいんじゃない! こんなに美味しいんだもの!」


「……ですよね~。ははは」


 家では、こんな感じなのかな?

 事務所の中でも、元気な印象はあった。


 まぁ、自分の家だから仕方ないかな?


「典さん? お代わりは?」

「あっ! いただきます」


「そうでなくっちゃ! 典さん今日は?」


 今日は?

 何だか、お母さんに誘われている様な錯覚さえ覚えます。


「あ~……。今日は、帰ります。荷物も結構あるんで」

「あ~ら残念。お酒でも一緒にって思ったんだけど? 亜美このこは全くだから……」


「失礼ね。お母さん! 私だって、ほんの少しくらいは……」


 あの何か言い方おかしいですよ亜美さん?

 おかしくないか……?


 でも、その言い方にどこか納得する私がいます。


「ごちそうさまです。美味しかったです」

「典さんの為だったら、いつでも作ってあげる」


「為だったらって……。そうですか~……ハハッ」


 私は、少し照れ気味に、とぼけた感じで場を濁しました。


 ……考え過ぎ?

 私は、考え過ぎるところがあるから。

 ご飯は、また食べたいと思いますけどね。


「そう言えば、この間、朝来たんですけど。やってなかったみたいですけど?」

「お店の事? 連絡が遅れて申し訳ありません! 実はね……続ける事になりました」


「えっ!? 続ける!? じゃあ、絵を戻さないといけないですね?」


 私が寄った時は、たまたま休みだったという事かも知れません。


「あぁ~。いいのよ! 今、新しい絵を緊急発注してるから」

「緊急発注!?」


「典さんにもお願しようかしら?」


 発注って、そう言う事~!

 そうであれば、是が非でも私は参加したいと思いました。


「いいですけど。いつになるか……」

「でも、ありがとう! 典さんの好感度は、一気にまた上がったわ!」


「あはは……。あぁ……そろそろ戻ろうかな?」


 しかし、私の中でどうしても気になる事がありますした。

 喫茶店の存続の理由わけです。


 今更、立ち退きに反対……?

 いやいや有りえない。


 何かスッキリしない……

 よしっ!!


「どうして? 店を続ける事に?」

「…………。典さんって……」


「なんか聞いちゃいけない雰囲気みたい……? すみません」


 スッキリするどころか、逆に空気を悪くしてしまった。

 でも、このままの空気で帰る訳には行かないよな!


「ちょっと!? お母さん! 何、典秀さんを困らせてるの?」

「あぁ~、大丈夫だよ。気にしないで」


「そうね~。話した方が良いのかしらね……」


 深刻な顔をしています。

 深刻……


「お母さんっ!!! もう~! 結婚するんでしょ!!」

「けっ……!? ……こん? 結婚!?」


「亜美ったら恥ずかしいでしょ! そんなに大きな声で言って~! もう~」


 私は、てっきりやまいかと思いました。

 安心しました。


「おめでとうございます! 幸せになりますよきっと!」

「ありがとう典さん。あの人がどうしても続けてほしいって」


「あぁ~、相手の方が……ですか」


 金持ちなのか?

 ……言い方が悪いか?


 資産家と言った方がいいのかな?

 でも、結婚って言ってたけど……

 すごいな何か。


 立ち退きじゃ無かった……

 私の余計な詮索せんさくが外れて良かったです。


 本当に余計な事を言わなくて良かった。

 そう心から思いました。


 一応、モヤモヤは晴れました。


「あぁ~。今日は、これで帰ります」

「そう? また来てね」


「典秀さん! 模型忘れないでね! はいっ!!」


 何だか、ちょっと動揺してる?

 私は、飛行機の模型を抱え玄関へと向かいます。

 後ろから、宮元さんとお母さんが付いて来ます。


「近いからって気を付けて帰ってね。典さん」

「分かってます。安全運転で行きますよ」


「今度は、私がお料理を作ります。今日は、楽しかったです」


 色々あったけど、そう言ってくれると嬉しい……

 私は、ゆっくり車を出しました。



 結婚か~……

 やっぱり、すごい事だよな。


 家に着いて、リビングのテーブルにお土産を置きました。


「意外にあるな~。模型はどこに置くかな?」


 無理やり棚の物を片付けて、スペースを作りました。

 食べ物が多いから……


 この透明で、光り輝くクマさんは……

 サプライズである、その日まで休んでいてもらいましょう。


 ……羊羹ようかん、少し食べようかな?

 数切れ皿に切り分けました。


「美味しい~! 間違いないね~」


 おっ~!?

 このままでは……

 食べ尽くしてしまう!


「ヤッバ~!」


 すごい誘惑のパワー!


「最後に、もう一切れ……うまい!」


 ……もう寝よ。

 そう思いましたが、なかなか寝付けない。


 お母さんが結婚か~。

 やっぱりすごいな。


 宮元さんのコレクションも見てみたい気がするし……

 こっちもある意味すごそうだな。


 あと彼女は、よく食べていた。

 会社でもそうだったかな?


「あっ! 食べてた? かもしれない……」



 今週は、健康診断か……。

 羊羹は、開けちゃったからな~


「でも、木曜日だから良いか? 大丈夫だよな」


 平気だよな……

 私は、自分なりに言い訳をしながら取りあえず眠りにつきました。


 数時間後、朝は無情にもやって来ました。


「あっという間だな。朝って奴は……。 今日も天気が良さそうだな」


 私は、そそくさと支度をして出勤しました。


 相変わらずの道……

 いつも見かける高校生。


 どうしたんだろう?

 いつもは、こんな事など考えたは無かったのにどうしたんだろう?

 車を運転しながら妙な事を考えていました。


「コンビニでも寄るかな? ……そうしよう!」


 あぁ~、なんか怠い?

 昨日の疲れでも出てきたっていうのか?


「まさか~? コーヒー買おうっ!」


 ブラックのでいいか?

 いや、こっちのプレミアムのにしよう。


「うわっ!? なに……これ?」


 そう、そこには何だ?

 という感じの物が存在していたのです!


 それは、シュークリーム……

 私は、コンビニのならひと通り食べたくらい大好きである。


 恥かしながら、40過ぎて……

 好き嫌いに年齢は関係ないか?

 また、勝手な解釈?


 でも、このシュークリームには目が行くでしょう!


「大きいな! 何々あと2種類のプレミアムカスタード使用で期間限定……?」


 でも、朝だしな~

 健康診断も、これから控えているしな~

 まさに、生殺しだよこれは……


 しかし、ここは涙を飲んで普通のを購入しました。

 車に戻り、まだ少し時間のある中でコーヒーを飲み干しました。


「さぁ! 行くか~」



 今日は、何故か宮元さんとはすれ違いもしませんでした。

 彼女の車はあったのに?


 時計を見たら、もう午後5時半を過ぎています。

 もう帰宅したでしょう。

 私も、あともう少し……


 気になってきました例の……

 あのシュークリーム!


「お疲れ様でした~!」


 仕事を終えて帰宅です。

 再び、私は車の中で迷走中?

 誘惑のコンビニシュークリーム!


 私は、ちらっと?

 一瞬立ち寄って見ました……。


「あっ……。無い……」


 ものすごい虚脱感が全身を襲って来ました。

 アメリカンドックとスナック菓子という夕食にもならない?

 そんな組み合わせの買い物をして店を出ました。


「!? あそこなら!?」


 もう一軒、帰る途中に同じ系列のコンビニがあるのを思い出しました!


「よし!」


 気合を入れ車を出しました!


「無いか……」


 そこでは、何も買わず店を出ました。


 家に戻り、簡単に食事を済ませて少しくつろいで居ました。


「メールだ!」


 宮元さんからでした。

 内容によると……


 今日は、会えなかった事と、おもしろい物を手に入れたという事でした。

 できれば来てほしいと……

 生ものなので?


「おもしろい物とは何だ? あのシュークリームか?」


 何をバカな事を……


 私は、たまたま今日は酒を飲んでいなかったので……


「行きますよ」


 という返事をしました。


「いらっしゃい! 典秀さん」


 彼女の家に到着し、家の中に入れてもらいました。


 何とっ!

 何とっ!!

 何とっ~!!!


 そこには……



次話へつづく

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