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絵ごころ引力  作者: yomo
21/21

「一緒」

 偶然にもライブ会場で出会った二人。その後、前日に知り合った金澤さんの輸入雑貨の店「Leaf mail」(リーフメール)に向かう。デートも順調? 現れる女子高生……。そして、今度は、二人で行くライブだが……

 亜美さんと、手をつないで歩いています。

 ……照れます。


 亜美さんの横顔は、すごく楽しそうです。


「ほらっ、典秀さん! 看板が見えてきましたよ!」

「本当だ。よく来るの?」


「都内に来た時は来てますね。 一点物が狙い目ですね!」


 輸入雑貨の店だから、そういうのもあるのかな?


 私は、アジア系のお店をイメージしていたのですが……

 何だか、オシャレな雑貨屋さんといった感じです。

 ここが、金澤さんの店……


「さぁ、入りましょう!」


 私たちは、店の中に入りました。


「いらっしゃいませ~。ごゆっくりどうぞ」


 よく考えたら、アジア系の名前ではありませんね。


 石鹸があります。

 これも、何だかオシャレ感があります。


「典秀さんこれっ! 何か良くないですか? このペアのカップ」

「使いやすそうだね」


「ですよね。私、これ買っちゃおうかな!」


 ……2,500円。

 意外にするんだな……


 それとも手頃な値段なのでしょうか?


 絵はがきがあります。

 私は、結構好きなんです。


 何枚か買っていこうかな。


「典秀さん、このカップ買います!」

「なんかセンスあるよね」


「典秀さんは? 何かありました?」


 私は、気に入った絵はがきを5枚ほど手にしていました。


「絵はがきですか。なんか意外です」

「そ、そう……。意外かな?」


「買いましょう!」


 レジに向かいます。


「ありがとうございます。このペアカップは、先日オーナーがフランスで見つけてきた物です」

「金澤さんが自ら?」


「オーナーとお知り合いですか?」


 つい声を出してしまいました。


「まぁ……。昨日のスケッチ会で知り合いました」

「そうでしたか。オーナーは、絵を描くのがとても好きなんです」


「描き慣れているって感じでしたね」


 ……はっ!


 亜美さんが私を「じーー……」っと見ています。

 しまった…………


 会計を済ませました。


「ありがとうございました~」


 店を出た私たち……


 さっき、じーーって見られてたけど……


「どこか入らない? のど乾いちゃった。 どう?」

「じーー。そうですね。あそこのカフェがいいんじゃないですか?」


「そ、そうだね。行こう行こう!」


 特に何もあった訳でもないのに……

 最近やけに誤解される様な気がします。


 思い込み過ぎ?


 私は、亜美さん一筋です!


 私たちは、店に入りました。

 席に座り亜美さんは注文をしました。


 パンケーキ

 チョコレートパフェ

 オレンジジュース


 私は、コーヒーで……


「典秀さん! 先程の事、誤解の無いようにお願い致しますね」

「先程の事とは、オーナーさん……。金澤さんの事ですか?」


「待ってください! ちょっと食べてからお聞き致しましょう!」


 亜美さん、完全に疑っている様子です。

 何も無いんですけどね……


 楽しいデートが……


 回復させなければいけませんね!

 この状況を……



「……えっ? 典秀さん、それだけですか?」

「そうです。それだけです。何もありません。納得されましたか?」


「あの~……。パンケーキ半分食べますか? お腹いっぱいで……」


 でも、パフェは別腹の様です。


「これからどうします? 観たい映画があるんですけど……」

「映画かぁ~。いいね。で? 何の映画?」


「アニメなんですけど……。ダメですか?」


 今、アニメで人気があるやつと言ったら……?


「もしかして、あのネットの中で戦いをするっていうテーマの?」

「はい。そうです。観たいんです」


「いいんじゃない」


 決まったところで、店を出て映画館を目指しました。


「あっ!? 雨……?」

「急ごう! もうすぐだし」


「はい!」


 彼女の手を引いて少し小走りに映画館に飛び込みました!


「はぁ、はぁ……」

「ゴメン。走らせちゃったね。でもすぐ始まるみたいだよ」


「そ、そうですね。チケットを買いましょう!」


 中は、さすがにすごい人です!

 さすが人気の映画です。


 席の番号を探して座りました。

 わりと観やすい席です。


 館内が暗くなり映画が始まりました。



 雨はどうなったでしょうか?

 映画が終わり外に出てみました。


 雨は、んでいました。


「よかった~! 止んでて。 映画も良かったね」

「そうですね。典秀さんて、アニメが好きみたいですね」


「そうかな~。ははは……」


 今観た映画は面白かったですね。

 アニメは、今まで気にもしていなかったので新鮮です。


 絵を描く事が好きなので観やすかったのかも知れませんね。


 私たちは、その後また雑貨店を何軒か回りました。


 亜美さんは、ハーバリウムと言う物を買いました。

 ビンに花が入っています。


 植物の標本みたいです。


 私は、小さいタイプのを購入してみました。


「典秀さんも買ったんですか?」

「変かな~。男が買うと……」


「そんな事ないですよ。良いと思いますよ」


 やっぱり……

 変かな?


 でも、もう買っちゃったし……

 私の購入したのは、黄色と赤い花が入った商品です。


 さっ風景な家の玄関にでも飾ってみようかなと思います。


「また、雨が降ってくるかもしれないから帰らない?」

「そうですね。でも、電車が混みそうな時間帯ですね……」


「……そうだね~」


 私たちは、帰る事にしました。



 電車では、意外にも座る事が出来ました。


 そして……

 今、私は亜美さんの家に居ます。


 なんか雨の降る気配が無かったので、お邪魔しています。


「亜美、ライブはどうだったの?」

「それが~! お母さん! 偶然、典秀さんと会ったのよ!」


「とか言って~、待ち合わせてたんじゃないの? ふふ」


 もしそうだったら、もっと初めから一緒にいれたんですけどね。


「もう~。お母さんったら~。でも、ライブは、最高だったよ! ね、典秀さん!」

「うん。良かったね」


「次のライブは、一緒に行くのよ! 良いでしょう。お母さん」


 何……?

 お母さんも、あのアイドルを推してるのかな?


「典さん、夕ご飯食べていってね。煮物つくったから」

「良いですね~」


「お母さんの煮物は絶品よ!」


 おふくろの味ってやつですね。

 楽しみです!


「ビール飲むでしょ! 今日は、車じゃないみたいだし」

「そ、そうですね。いただきます」


「典秀さん、ぎますよ」


 帰りは、タクシーかな?

 飲まされそうです。

 お母さんに……


 いや、亜美さんに?


「はいどうぞ~!」

「これは、美味しそうですね!」


「帰りに持って行ってね」


 ……こ、これは美味しい!


「ありがとうございます。いただいていきます」

「で? 典さんは、誰が推しメンなのかしら?」


「ぐっ! お母さん!? 吹きそうになったじゃないですか~」


 もしかしたらとは思っていましたが……


「どの子なの? 私はねぇ~。紫担当の子が良いのよねぇ~」

「えっと~……。私は、緑の担当の子ですかね。はは……」


「亜美は、確か黄色の子と青の子よね」


 何だか、アイドル談議に花が咲いています。

 この後もこのアイドルの話しで盛り上がりました。


 3人の距離が、グ~ンと縮まった気がします。


 もしかしたら……

 いつの日か、お母さんも入れて3人でライブに行ったりして?


 ……あるかも?


「あ~っ!? もうこんな時間……」

「典秀さん、明日は、7時からですよね」


「うん。今日は楽しかった。お母さんもごちそうさまでした」


 私は、タクシーを呼んでもらい帰る事にしました。


「それでは。また来ます」

「典秀さん! これ、持って行って下さい」


「これは、あの時買ったペアのカップじゃ? いいの?」


 もしかして、最初から私の家に置く為に買ったのでしょうか?

 受け取って、タクシーを出してもらいました。


 家に帰って、玄関にハーバリウムを置きました。

 まぁ、1つなので何とも言えないのですが……


 もう何個か欲しいですね。


「ふぅ~……」


 少し酔いが残っているのかな?

 ……眠い。


 私は、いつの間にかリビングで眠ってしまったようです。



「……麻牧君! 麻牧君!」


 私を呼ぶ声……


「亜美さん?」

「何を、ボーっとしているの?」


「麻牧……君? 亜美さんこそ、その呼び方?」


 何だ?


「麻牧君こそ、亜美さんって……。どうしたの?」

「宮本……さん。今何時?」


「お昼の休憩時間が終わっちゃうよ! 10分前ってところね! じゃあね」


 行ってしまいました……


 にしても、麻牧君って何か変な感じです。


「典君! 今日さ~同期で遊びに行くんだけど、典君も行く?」

「えっ!? 吉田さん……。同期って?」


「何言ってるの? 私たち同期じゃない! 変なの」


 同期って……

 吉田さんと?

 と言う事は、亜美さんとも……


 多分これは夢ですね。

 絶対……


「行くでしょ! 典君! 亜美は行かないけどね。残念だよね~」

「そ、そうなの?」


「典君。亜美は無理だと思うよ。好きな人いるみたいよ。年上の人が」


 なんですと~!

 年上の……


「典君、7時には終わるでしょ。だから7時半に、工場の門の前に集合よ!」

「えっ! あっ……。ちょっと待っ……」



「はっ……!?」


 ……なんて夢だ!


 時刻は、午前2時16分……


「まだ、こんな時間なんだ。同期だって……」


 なぜか覚えています。


 実際、自分も結構な年上だけど……


 なんか、もったいない夢です。

 もう一回寝たら続き見れないかな?


 時刻、午前2時47分……


 私は、再び目を閉じました。

 続きが見れる事を期待して……



 夢は、残念ながら続きではありませんでした……


「典秀さん、こっちでいいんですよ!」

「こっちの電車だと思うんだけど……」


「いいえ! 絶対にこっちです!」


 始まってそうそう何ですか?

 この展開は?


 私たちは、亜美さんの言う方の電車に乗り込みました。


 電車は、都心から離れて行きます……


「降りて引き返さない? なんか違う様な気がするよ」


 私は、亜美さんに問いかけました。


「…………そうですね。おかしいな~? 次の駅で降りましょう」

「反対側のホームから乗って戻ろう」


「はい……」


 さっきまでの強気な亜美さんがどこかに行ってしまいました……


 電車は、駅に到着しました。


「よし! 降りよう!」


 階段を登って、反対側のホームへ!


 反対側のホームです…………?


「あれ!? なにここ?」


 さっき降りたホームではありません。


「亜美さん?」

「典秀さん、ずっと一緒ですよ」


「えっ! どうしたの?」


 何か変です。


 アナウンス

「電車が参ります。白線までお下がり下さい」


「電車が来る?」


 電車なんか見えないし……

 そんな雰囲気はありません。


「ずっと一緒ですよ……。典秀さん……」



「亜美さ…………!?」


 目が覚めました!


 ……何という世界観?


 時刻は、午前4時57分……


「あ~変な夢……。のど乾いたな」


 なんだか今日見た奇妙な2つの夢が、当分脳裏から離れそうにありません。


 亜美さんのあの意味深な台詞せりふ

 何を意味しているのでしょうか?


「ずっと一緒」


 逆プロポーズ?

 でも、顔はそんな感じには見えませんでした。


 気になります。

 と言っても夢の中の事なので何ともなりません。


 そんな事を思いながら冷蔵庫を開けました。



 夢から数日後の休日……


「手紙?」


 家のポストに封筒が入っていました。


 差出人の名前はありません。

 中をを見てみると、ある文字が飛び込んできました!


 亜美さんと私の名前です。


 何?

 脅迫!?


 内容をよくよく読んでみると、どうも何か違います。


「……付き合ってるんですか? 私の方がもっと、も~っとあなたの事が好きです……」と。


 何ですかこれは?

 ラブレター?


 誰から?

 ストーカー?


 誰の?


 ……私の?

 まさか……


 たちの悪いイタズラ?


 誰かが見ている……


 でも、この文面「も~っと」って……


「ん~……。分からん」


 こんなの、亜美さんに話しても良いのかな?

 でも、これは大変な事ですから……


 2人で立ち向かって行かなければいけない問題では?


 いや……

 私の問題か?


 誰か分からないし……


 今も見られている?


 私は、2階の部屋の窓からのぞいてみました。


「いるわけないか? ん!?」


 向かいの家の2階のカーテンがピシャリと閉まるのが見えました!


「まさか……」


 向かいの家には、高校2年生の女の子がいるけど……


「無いよな~。無い無い」


 へたしたら自分の子供でもおかしくない年齢だし……


 一人、悩む私がいます。


 ……一応、亜美さんにLINEしました。

 すぐに既読になったのですが、その後の返信が来ません。


 そりゃあ、びっくりするでしょう。

 送らなきゃよかったかな?


 きっと、わなわなしているんですよきっと。


 …………。



 ピンポ~ン!

 ピンポ~ン!


「亜美さん!?」


 返事が無かったのは、こっちに向かっていたから?


「どういう事ですか? あのLINEは!」

「これなんだけど……」


「これが、例のラブレター!?」


 私は、手紙を亜美さんに見せました。


「ふ~ん。なるほどね」

「どう思う? これ」


「行きましょう! その子の家に! 私が今来たのも見ているかも知れませんよ」


 亜美さん……

 少し様子を見るという発想は無いのかな?


「向かいの家の子ですよね?」

「マジメに行く気?」


「だって、ハッキリさせないと! 典秀さん、支度して下さい!」


 亜美さんは、いつに無く強気です。


 ピンポ~ン!


「はい」

「娘さんいらっしゃいますか?」


「……はい」


 インターホーンの向こうは、本人みたいです。


 ガチャ……


 静かにドアが開きました。


「はい。何か……」

「あなたが典秀さんに手紙を送ったのかしら?」


「……そうですけど」


 亜美さんって、こんなにストレートな人なんだ……

 ちょっと違う一面を見たような気がします。


「あの、あなた高校生でしょ! 私、典秀さんの彼女なの!」

「そんなの知っています!」


「っていうか、私と典秀さんは……。結婚するの!」


 亜美さん!?


 なっ!

 結婚……


 話しに入れない私……


「そういう事なの! 分かったかしら!」

「……結婚ですか。そうなんですか……。分かりました」


「ありがとう納得してくれて。典秀さん帰りましょう」


 戻る私たち……


 でも、彼女はまだ立ちすくんでいます。


 私は、家に入る前にもう一度振り向きました。

 そこには、もう彼女の姿はありませんでした。


 少し、なんかホッとしました。


「あぁ~~! ドキドキしました~! あんな事は、初めてです」

「結婚の話しを出した時は、驚いたけど……」


「良いじゃありませんか! 私は、そう願っています」


 この話しは解決したのでしょうか?


 解決した。

 そう思いたいです。



 それから数日……


 ピンポ~ン!


 向かいの家のあおいちゃんです。


「はい……」

「あわぁぁぁぁ~ん」


「何? 何?」


 突然、泣き出しました!

 どうしたのでしょう?


「どうした?」

「引っ越しするんです! グスッ……。お別れです」


「こんな時期に? ……あっ」


 親の都合なのか?


「家入ってく?」


 彼女は、断りました。


「グスッ、引っ越しは……。再来週の月曜日です」

「それは、また急だね」


「さよならです。さよならですよ~」


 彼女は、走って戻って行きました。


 少し複雑な気持ちです。



 引っ越し当日……

 今の私は夜勤なので、朝に帰って来ました。


 10時頃でしょうか?


 ピンポ~ン!


 蒼ちゃんです。


「車があったので居るかな~って。良かった~」

「あぁ……。今、夜勤だからね。朝帰って来るんだよ」


「直接これを渡せるので良かったです」


 後で、読んでと手紙を渡されました。


「あの人には、見せないで下さいね」

「……えっ!?」


「お願いします。それじゃあ」


 本当に、引っ越しして行くんだ……


 私は、家に入って手紙を見てみました。

 そこには……



 麻牧さんへ


 本当に、私あなたの事が好きでした。

 こんな女の子がいたって事を忘れないで下さい。


 私は忘れません。


 もし、彼女と結婚しなかったら私が来ます!


 福岡から!


 さよならでも、好きです。



 引っ越し先は、九州の福岡なんだ。

 遠いな……


 まぁ、まだ若いから素敵な恋が出来るでしょう。

 そう思います。


 なにか肩の荷が下りた感じです。

 目の前にこんな女の子がいたなんて驚きです。


 今週は、夜勤なので休むとしましょう


 土曜日は、亜美さんとライブ行くというイベントがあります!

 ドキドキとワクワクで、とても楽しみです。


 体調は万全にしておかないといけませんね。


 からだ全体に、ふわっとした眠気が巻き付いて来ました。


 …………


 ピピピピピッ!

 ピピピピピッ!

 ピピピピピッ!


「目覚まし……」


 私は、少し強めに止めました。


「ねむい……」


 こうした毎日が続きました。



 最近は、なぜか亜美さんとのLINEも少なく……

 夜勤の私に気を使ってくれているのかも知れませんね。


 最終日の仕事も終えて帰って来ました。


 明日の土曜日は、いよいよライブの日です!

 亜美さんから、LINEが来ていました。


「お疲れ様です。ライブ楽しみですね」


 当日は、13時30分と18時30分からの2部構成となっています。


 思えば、前回のライブで偶然会ってから月日が経つのは早いものです。


 亜美さんの入選。


 あと……

 蒼ちゃんです。


 ちなみに、蒼ちゃんはあれから何もありませんね。


 ……当たり前か。


 福岡ですから……

 どうしているのか少し気になります。


 何だか自然とまぶたが……

 私は、眠りにつきました。



 ピピピピピッ!


 目覚ましが鳴っています。


「もう……。12時か……」


 私は、おもむろに起き上がり洗面所に向かいます。


「ふぅ~。さっぱりした~」


 さて、昼にしようかな。


 冷蔵庫に冷凍のチャーハンがありました。


 テレビをつけて、一人の昼食です。


「……次のニュースです。福岡県の高校に人気俳優が訪れました」


 福岡!?


「高校生を題材とした映画の企画だそうです」


 歓声がアイドルの様です。


 数名の生徒が壇上だんじょうに上がっています。

 なにか質問をしているようです。


 ……!?


「蒼ちゃん!」


 壇上だんじょうには、蒼ちゃんの姿が……


「映画の公開は、来週の金曜日からだそうです。お昼のニュースでした」


 蒼ちゃんは、何を質問したのでしょうか?


 一瞬ですが元気な姿を見れたので良かったです。


 今日は、これからショッピングモールに行くつもりです。

 ちょっと、靴を探しに行こうと思っています。


 ……!


「ちょっと待てよ! 亜美さんと行けば……」


 私は、亜美さんにLINEをしました。


「日曜日、ショッピングモールに行きませんか?」


 3時の小休憩の時に返って来ました。


「いいですよ。予定はありませんから」


 よし!

 じゃあ、この件は亜美さんと一緒って事でまとまりました。

 楽しみです。


 時刻は、17時5分です。


 もう、亜美さん仕事終わったかな?


 亜美さんからのLINEです。


「今日、作りに行きますね。一緒に夕食を食べましょう」


 じゃあ、炊いておこうかなご飯でも。


 私は、米をとぎ炊飯器のスイッチを入れました。


「これでよしっ! っと!」


 何を作ってくれるんでしょうか?

 亜美さんが作ってくれるのなら何でも良いんですけどね。


 肉でも魚でも……


 リビングでくつろいでいると……


 ピンポ~ン!


 亜美さんが思ったよりも早く来ました。


「こんばんは。典秀さん」

「さぁ、上がって。ご飯は炊いといたよ」


「典秀さんがですか?」


 なんだか驚いているみたいだけれど、自炊してますからね。


 料理は魚料理でした。

 なんでも、急に魚が食べたくなったみたいです。


「ごちそうさま~。美味しかったよ」

「ありがとうございます」


「片付け一緒にしようか」


 二人なら早く終わる?

 多分……


 片付けを済ませた私たちは、明日の事を話しました。


「明日は、10時半くらいに駅ですかね」

「10時でもいいんじゃない?」


「10時ですか? 典秀さんがそう言うのならそれでも良いですよ」


 ライブは、13時開場だから余裕なんだけどね。


「時間は余裕あるんだけど、神田明神に行ってみたいんだよね」

「ああ~。御朱印ですか?」


「行ったこと無いし、何かのアニメで使われたとか?」


 いつかテレビでやったのを思い出しました。


「そうですね。やっていましたね。行ってみましょう」

「ありがとう。でも、目的はライブだから」


「今からすごく楽しみです。ワクワクしますね」


 確か、亜美さんは黄色と青の子を推しているんだったよな。


「あっ、私そろそろ……。今日は帰ります。明日の準備もありますし」

「そう? 準備は大切だよね」


「明日、駅に10時ですよね」


 亜美さんは、そう言って帰って行きました。


 私もチケットの確認とかしなきゃ!

 忘れると大変です!



 駅前……

 時刻、午前9時55分。


 私の方が早いと思ったのですが、亜美さんがもういますね。


「おはよう亜美さん」

「おはようございます」


「じゃあ行きましょうか」


 私たちは、向かいます。

 まずは、神田明神です。


 ……神田明神。


 結構、人が訪れています。


「へぇ~。御朱印って、神田神社なんだ?」

「でも、江戸総鎮守 神田明神ってなっていますよ」


「本当だ。あっ! ここから、スカイツリーも見えるんだね」


 秋葉原の街の方に向かいます。

 男坂という坂を降りています。


 階段の途中には、のぼりが立っています。


「のぼりは、神田明神なんだ」


 私は、小さな声でつぶやきました。


「12時まえだけど、お昼にしない?」

「別にかまいませんけど、13時から開場ですからね」


「何がいいかな? ピザとかどうかな・」


 私は、おもむろにピザという単語を口にしました。

 実は、数日前にテレビで見た番組で紹介された店があったからです。


「ピザですか?」

「この前ね、テレビでやっていた店があるんだよね」


「へぇ~。じゃあ行ってみましょう!」


 私達は、駅の近くにある目的の店に入りました。


 ピザを注文した私……

 亜美さんはパスタランチを注文しました。


 私は、ピザでいいんです!


「ピザも美味しそうですね」

「食べてみる? どうぞ」


「……ん~! 美味しい!」


 そうでしょ!

 そうでしょ!

 間違いはありませんから。


 食事を終え、いよいよライブです!



 第1部公演スタートしました!


 たくさんの色が飛び交っています!

 亜美さんも推しメンカラーのサイリウムを振っています。


 セットリストの曲に合わせて、もちろん私も楽しんでいます!

 若い人に負けないくらい!


 体が熱いですね!


 日頃のいろんな事を忘れさせてくれるので良いですね。


 夕方からの2部は、また雰囲気がちょっと違いました。

 1部と比べると、全体的にポップでキュートなステージになっています。


 新しい衣装!?

 見たことのない衣装です。


 素晴らしい!

 かわいい!


 来たかいがあります!


 推しメンの子は、特に良いですね。

 当たり前ですかね……


 ん!?


 まさか?


 私は、亜美さんの肩を軽く叩きました。

 亜美さんは、びっくりした様子で私を見ました。


 前方を指さす私……


 亜美さんは、こくりと首をたてに振りました。

 知っていたというのか?


 前方にいたのは、吉田さんと八坂でした。

 これを亜美さんは知っていたと?


 2部の公演が終わりました。


 亜美さんは電話をしています。


 しばらくして、吉田さんたちと合流しました。

 どうやら、電話の相手は吉田さんだったみたいです。


 何か食べていく相談をしています。


「何がいいと思いますか? 典秀さん……」

「そうだなぁ~」


「結構、お腹空いてません?」


 確かに、ライブはパワーが消費しますね。

 かといって、ラーメンじゃなぁ~……


「ラーメンなんかどうですか?」

「吉田さん……」


「麻牧さんダメ? でも、調べてみますね」


 吉田さんは、スマホで探しています。


「ここなんかどうですか? ほらここ」

「えっ? これがラーメン屋さん?」


「何か、オシャレっぽくないですか? ここから近いし」


 ラーメンで決まり?


 吉田さんは、電話をしています。


「4人です。よろしくお願いします」



 目的のお店の前まで来ました。


「高そうじゃない?」

「オシャレだからそう見えるんですよ」


「そうかな……」


 私たちは、中に入りました。


「先程電話した吉田ですけども……」

「はい。お席を用意してございます」


「さぁ、行きましょう」


 さっきのは予約していたんですね。


 賑わっています。

 でも、普通のラーメン屋さんではありませんね。


 お上品でなおかつオシャレな雰囲気です。


 私たちは、席に着きました。


「メニューをどうぞ。お決まりになられましたらお呼びください」


 ここは、本当にラーメンを食べる所なのでしょうか?


 メニューを見てみました。

 確かにラーメン屋のようです。


 私たちは……

 みそ、しょうゆ、塩、とんこつという風に注文しました。


 出てきた品もオシャレな器に入っていました。


 すすって良いのでしょうか?


 上品に食べるとしましょう。


「美味しい~」


 確かに美味しいです。

 作っている人は、相当修行を積んだのでしょう。

 そう思います。


 私たちは、食事を堪能して店を出ました。


 月のきれいな夜です。


「帰って、ウチで飲みません?」

「ウチって吉田さんの?」


「美穂、私はオッケーだよ」


 亜美さんは、酒弱いんじゃなかったけ?


 八坂はどうなんでしょう?

 行っても良いのかな?


「特にかまわないけど……」

「じゃあ決まり!」


「亜美も今日、飲もうね! 弱いけどね」


 やっぱり知っているんだ。

 当たり前か?

 友達だからね。



 私たちは、戻って来ました。

 いや、帰って来ました!


 スーパーに寄って、買い物です!


「私、このアルコール3%のでいいよ」

「そうだね~。亜美にはストロングは無理でしょ! 3本くらい買う?」


「2本でいいよ」


 そんなこんなで、結構な量になりました。

 吉田&八坂の新居へGOです。


「どうぞ~。入って下さい」

「お邪魔します」


「入るね~。いいね~美穂のとこ」


 買ってきた物をテーブルに並べました!


「改めて見るとホント買ったね!」

「でもこれで足りますか?」


「足りるでしょ! 吉田さん? 足りない?」


 十分な量ですけど……

 吉田さんは飲む方なのかな?


「カンパ~イ!」×4


 始まりました。


「早速だけど、亜美と麻牧さんはどうやって知り合ったの?」

「ブッ! ホント早速だね! 吉田さん」


「ねぇねぇ~?」


 っていうか、亜美さんから聞いて知っているんじゃないのかな?


「私たちはねぇ~。ライブなんだよねぇ~。ま~くん」


 ま~くん!?

 八坂 正志まさしだからね。


 なんか自分たちの事を話し始めました……


 もう、3缶目飲んでる?

 ペースが……


「……でね。あっ! これ飲みやす~い」

「美穂、もうちょっとゆっくり飲んだらどうだ?」


「ま~くん何言ってるの? 楽しいから飲むんじゃないの?」


 飲むと、すごく陽気になるのかな?


 亜美さんは?

 少しずつ飲んでいます。

 飲み方、正解です!



「麻牧さん、今日は泊って行ったらどうですか? 宮本さん……」


 八坂が亜美さんを指さしました。


「あ……。寝てる? それにしても八坂も飲むね~」

「麻牧さんこそ強いですね」


「そう? このままだとあれだから、毛布とかない?」


 着替えも無いし、薄い毛布を用意してもらいました。


 …………。


 カチャカチャ……


「ん?」

「あっ!? 起こしちゃった?」


「早いね吉田さん」


 といっても、もう7時前です。


 テーブルの上は片付いています。


「おはようございます。典秀さん」

「おはよう亜美さん」


「まだ寝てても良いのに」


 もう7時ですから……


 八坂も起きて来ました。


「パジャマ? 着替えたんだ」

「ダメなんですよオレ……。服のまま寝るのは」


「そうなんだ。昨日は飲んだね」


 亜美さんと吉田さんは、朝食を作っている様です。


「さぁ、出来ましたよ!」


 私たちは、朝食を食べてくつろぎました。



「それじゃあ帰るね。楽しかった」

「また来て下さいね」


「またね美穂」


 亜美さんと、マンションを出ました。


「これから私の家に来ません?」

「うん。いいけど」


 私は、そのまま亜美さんの家に行きました。

 靴の件は、また今度とという事で……


 その日は、いろんな事を話しました。


 思い出すと……

 最初のスケッチの申し込みから始まった亜美さんとの出会い。


 吉田さんとの誤解の噂……



 …………3ヶ月後


 なんと、八坂と吉田さんは入籍をしました。


 実は、亜美さんと私はその1ヶ月前に入籍しました!


 亜美さんは、もうしばらく仕事を続けるそうです。

 吉田さんは、退社しました。


 そして数日後、福岡から手紙が届きました。

 あおいちゃんからの手紙です。


 内容は、簡単に言うと……

 彼氏が出来たので幸せという事だそうです。


 近くでも遠くでも上手く回っている様です。



 私たちの未来もこれからです!


 さぁ、明日の夜からまた夜勤です。


「頑張ろう!」



― 終話 ―

 絵というテーマに思ったよりも苦戦しました。しかしながらハッピーエンドで終わらせる事が出来ました。荒い内容だと思いますが読んで下さりありがとうございました。

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