瀬戸樹里
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私の名前は瀬戸 樹里
「もう泣かない、もうくじけない。私は強くなる。」
そう、私は今日決めた。
きっかけは至って簡単かもしれない、しかしプライドの高い私にとっては、とても大きな出来事だった。
昨日、友達と遊園地に行った。遊園地なら、何度も行ったことがある。ジェットコースターは楽しい。大好きだ。しかしお化け屋敷は無理だ。4歳のころ子供向けのお化け屋敷に行って、大泣きした。それからの10年間、1度もお化け屋敷にはいかなかった。気付かれぬよう、お化け屋敷だけは避けていた。しかしもうこの状況では避けるわけにはいかなかった。もう、乗らなければ。私はみなからクールな人間だと見られている。お化け屋敷なんかでそのイメージを壊すわけにはいかない。
心の中では怯えていたが、顔には出さずに屋敷の中に入った。
突然出てくるお化け、突然聞こえる声、後ろから肩を叩く人間...怖かった。
そして...みなさんお察しだろう。私は泣いたのだ。
みな私のことを気遣った。表面では。
「大丈夫?怖かったら言ってくれればよかったのに...」
何も言わなかった。影で何を言っているかは全部知っている。
「瀬戸、あんなクールなキャラだけど、ただ強がってるだけじゃん。キャラぶっ壊れたねー」
そして今日、学校では1度も「流石瀬戸!」「かっこいい!」なんて言われなかった。1ヶ月もすればまた少しずつみな私のことをクールなキャラとして認めてくるだろう。しかしもう泣けない。また泣いたら、きっと次こそ永遠とクールと認められなくなるだろう。