室井夏彦
僕の名前は室井夏彦
「もう泣かない、もうくじけない。俺は強くなる。」
そう、僕は今日決めた。
きっかけは至って単純かもしれない、しかしプライドの高い僕にとってはとても大きな出来事だった。
昨日、友達と初めて遊園地に行った。遊園地に行ったことはあったが、ジェットコースターというものには初めて乗った。そこでみんなで乗ろうという話になったのだ。僕は乗るまで全く怖くもなかったし、緊張もしていなかった。お化け屋敷と同じようなものだ、お化け屋敷は好きだから大丈夫だ、そう思っていた。僕が失敗を犯したのは、乗り物に乗ったあとだ。何があったかはもうお察しだろう。
そう、僕は泣いてしまったのだ。みんなが笑顔で叫んでいる間、俺は一人悲鳴を上げて泣いていたのだ。案の定、皆は僕を笑った。それで終わりならまだよかった。しかし実際、それだけでは済まされないのが現実だ。今日、学校に行くと黒板に、僕が泣いた時の写真が貼ってあった。もちろんすぐさま剥がした。けどそれから一瞬にして僕は泣き虫キャラになってしまったのだ。転んだだけでも、
『大丈夫?泣いていいんだよ〜?りょーたろークン!』
とか言われる。それで僕はクラス日誌で言ったのだ。
「俺はもう泣かない。あれはあの時だけのことであって、俺はもう一生泣いたりなんかしない。人前だけでなく、一人でしくしく泣いたりなんかもしない!だからもうやめろ。」
先生は、
「みんなもうやめてあげなさい、たった一回のことですぐ人を笑いものにしないの。」
そうコメントした。
明日からどうなるかはわからない、しかしこれでまた僕が泣いてるのがばれたら、プライドの高い僕は一貫の終わりだ。