オアシス
森の中。夏の陽射しが葉っぱに遮られ、地面をちらつかせた。辺りはカーテンがしいてあるような明るさだ。地面には落ち葉やら岩やら、その岩には苔がびっしり生えていた。
どことなく重苦しい空気。まるで疎らに広がる木々から、冷気が這いずるようだ。焼けるような陽射しが差す中、膝下から背中にかけて妙な冷気を感じる。
音だ。微かに音がする。そちらへ行くと、川が流れていた。ダイヤモンドのような輝き、耳に染み入る水音、力強く下流へ向かっていく。心身が洗われるようだ……。
美味い……。上昇気流によって雲ができ、雨粒を凝らし、雨を降らせ、森へ落ち、根や葉、土が濾して流れとなる。この循環を、輪廻を、一度に彷彿させる……自然。
自然とはなんとありがたいものなのだろう。この手で掬った透明な液体だけでここまで生命を想起させてくれる。身体の中をめぐる〝汚れた流れ〟がこの透明な液体で薄まっていく。
唇、口内、ノド、食道、胃袋へ冷気が駆け巡っていく。そう、どんな生命も一つの生命なんだ。循環されていく自然の一部。しかし、摂理の全てであることは揺るぎない。なんと素晴らしいのだろう。
あぁ、この自然の流れに身を任せたい。やがて生命の源……オアシスへ、
「……えっと、○○○だな? 十四時三十分……連続殺人の容疑で現行犯逮捕!」
そう、〝あの〟生命の源へ……。
こんにちは。この灼熱地獄の中、皆さんは生きていますか? 筆者は夏に弱いので死にそうです(汗)。
さて、今回は〝文学〟っぽくしてみました。字数は少なかったのですが、いかがでしたか? 本作はあくまでも練習ですので、オチはさらっと思いついたものにしました。〝オアシス〟でなくても良かったのですが、たまたま目についたので。あと、夏だから少しでも涼しい気分に浸れたらと(笑)。
筆者の描写は何かと〝森・山・草原〟など自然が多いです。それは筆者が田舎者だからだと思います。イメージしやすいですからね(笑)。でも、日本語がヘタな筆者には、風景描写は難しいとです。〝高度百メートルの目隠し綱渡り〟をされている気分ですよ(笑)。脳内のイメージを文字に起こすのがすごく大変だな、としみじみ感じるのであります。
本文よりも長い〝あとがき〟もなんですから、ここで終わりにしますね(笑)。お読みいただき、ありがとうございました。この暑い夏を乗り切りましょうね!
P.S.
冷夏って言ったのだれだよ……(泣)