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星のカンパネラに、こころはルビーの色をして

作者: 逢乃 雫

広がる夏雲が


空にとけゆく午後は青く



紅い陽射しを


見つめるまなざしに



吹きゆく文月(ふづき)


風が手紙を届けるように



七月の街角に


舞いゆく涼やかな



風鈴の音色に


耳を澄ませながら



色鮮やかな


硝子模様のように



小径に咲いた


風鈴草がやわらかに



風に奏でる


夏の一小節を見つめて




ベルガモットの


花が紅い夏を燈すように



空と時を


太陽が紅く染めながら



地平線の


彼方に煌めく


火夏星(ひなつぼし)は夕蛍のように




星のカンパネラに


耳を澄ませて



広がりゆく


天の川と夏星の光は



星風が奏でる


ひとときのカンパネラ



南の地平線には


輝きを放つルビーの星



アンタレスは


銀河を見つめる


紅い情熱の瞳のように




月のカンパネラに


瞳を澄ませて



夜を奏でる


鐘の音のように



照らす光は


月のカンパネラ



今宵も街を


やさしく包み込むように




今日という


風に吹かれながら



それぞれの


こころに吹く風があり



それぞれの


こころの風鈴の


音色がきっとあって



日々は


即興の舞台のように



ひとつとして


同じ音のない一日



その一つひとつに


奏でるこころの



風鈴の音色を


大切にできたら




吹きゆく文月(ふづき)


風の手紙のように



夏の街角に


舞いゆく


風鈴に耳を澄ませて



明日は明日の


風が奏でる音色が、きっと



感謝と情熱の


鐘の音を


胸に響かせながら




風に夏が舞う


爽やかな響きとともに



風の向こうに


未来という


譜面を描きながら



星のカンパネラに


こころは、ルビーの色をして

















ルビーは7月の誕生石で、石言葉は「情熱」「自由」です。火夏星ひなつぼしは火星のことで、7月中旬の西の夕空に浮かび、南の空のさそり座のアンタレスとともに、紅く見える星です。


風鈴草は、風鈴のような花の形で、「感謝」「誠実」の花言葉があり、カンパニュラ(ラテン語で「小さな鐘」)とも呼ばれます。カンパネラは、イタリア語で「(小さな)鐘」、文月ふづきは7月です。


ベルガモットは、夏に鮮やかな紅い花が咲き、爽やかな香りがあります。松明花たいまつばなとも呼ばれ、花言葉は「燃える思い」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
風鈴の音、好きです。 人は誰一人として同じ人はいない。心の風鈴の音もみんな違う音で違う思いになって、明日も前向きな気持ちになれる。そんなふうに思いました。 素敵な詩を読ませていただきました、ありがとう…
暑い日が続いていますが、夏の夜空を見上げて、涼風を感じるような気持ちになれる素敵な詩でした。 「日々は 即興の舞台のように」から「奏でるこころの 風鈴の音色を 大切にできたら」までのところが印象に残り…
夏、ですね(*´ω`*) ベルガモット、紅い花だったとは… 知りませんでした。 アールグレイティーの香りは好きです。 夏の夜空に輝くルビーのようなきらめきを感じる、ステキな詩でした!(*´∀`*)
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