6. 美香 side ①
「私は…、自分が大ッ嫌い」。 内向的な性格の上に、激しい人見知りの私は、高校に入学しても周囲について行けず、病気療養を理由に自主休学の末に引き篭もってしまった。 ママはそんな私に、いつも涙を流して泣いてしまう。 ママを泣かせるつもりはないのに、どうする事も出来なかった私は、自分自身が大ッ嫌いだった。 そんな日々を無駄に過ごしてた時、ママから「会ってほしい方がいる」と言われた。 その人の第一印象は、眩しいくらいに優しく微笑む、美しい女性だった。 「綺麗…」、とポツリと呟いてしまった事に気が付いた私は、瞬時に顔が燃えるように熱かったのを憶えている。 そんな私に「ふふふ…」と、優しく微笑む女性にママは、「こちらはママが小学生の頃からの大親友の、美神彩香さんよ」と。 ママから紹介された女性は、「初めまして、美神彩香です。よろしく」と、優しく微笑みながら自己紹介をする美神さんに、どうしていいのか分からなくて、泣きそうになってしまった私は、酷くオロオロしてしまった。 そんな私を美神さんから、優しくぎゅッと抱き締められた。 ママのように優しくて、ママのように温かくて、ママと同じ香りに。 美神さんの体に身を委ねられた私の心は、安心感と幸福感に満ち溢れ、次第に落ち着きを取り戻した。