第二十話 ~本心~
今回はちょっと強引に話を進めたので、少し変かもしれません。
そのうち少し書き直すかもしれませんが、よろしければ見てください。
では、どうぞ。
「前に会ったのは、花見のときだったな」
「そうじゃな。もっとも、妾は桜花の中からずっと見ていたがな」
「はは、それも何か変な感じだな」
久しぶりの、もう一人の桜花との会話。自然と心が躍る自分がいた。
「一応、はじめまして。でいいのかしら」
「哭月はもう一人の桜花のこと知ってたのか?」
「ええ、花見のとき見ていたわ。けどあの時は、まだ力が十全じゃなかったから喋れなかったのよね」
そうか、あの時見ていたのか。
・・・ん?
あの時見ていた?ってアレをか!?
顔が赤くなり、汗が流れる。もし、俺と桜花の会話をずっと見ていたとしたら、あのやりとりを全て知っていたとすると、非常に恥ずかしいものがある。
気付くと、桜花も顔を赤くしている。
そんな俺たちの様子を見て、哭月はおもしろそうにくすくす笑っていた。
「まるで恋人みたいだったわよね。肩を寄せ合って」
「すみません。どうかみんなには内緒にしてはもらえないでしょうか?特に零には」
土下座して懇願する。もし、零に知られたら文字通り、雷が落ちる。
「ん~、どうしよっかな~?」
くそう。楽しんでいやがる。
「ん~、じゃあご主人がキスしてくれたら考えてもいいかな~?」
「な、っそ、それは駄目じゃ!」
「あれ~、どうしてかな?」
「むう~」
俺も桜花も完全に弄ばれている。く、流石は元魔女といったところか。
「だいたい、何でキスなのじゃ!お主らはそういう関係なのか!?」
「・・・だって私はご主人に全てを捧げた身だから」
「いや、ちょっ、何でそんな誤解を招くようなこと言うかな!?っていうか嘘だ!?」
「・・・・・・・・・キョウ?」
怖い、桜花が怖い。桜花をこんなに怖いと思ったのは初めてだ。
「違う、誤解だ!っていうか、何で話の矛先が俺に向くんですかねえ!?」
それから桜花の誤解を解くのにかなりの時間を要した。
とりあえず、話がまとまった?ところで桜花に気になっていたことを聞く。
それは、どうして桜花が急に大きくなったのか、ということだ。
結論からいうと、哭月の推論通り、最初から今の姿に転生する予定だったらしい。つまり、そういう段階、ある程度の人格が形成されたため急成長した、というわけだ。
「そういえば、前に心と身体が成長したら会えるみたいなこと言ってたな」
「ほう、よく覚えておったの。まあ、そういうことじゃ」
それから三人で小一時間ほと談笑したあと、そろそろ帰ることにした。
「さて、そろそろ行くとしますか」
「そうね」
「また、来てくれるかの?」
「ああ、何度でも。じゃ、またな」
別れを告げ、帰ろうとしたとき、俺を呼び止める声があった。
「・・・キョウ」
「・・・すまん。哭月、先に行っていてくれないか?」
「・・・わかったわ」
哭月を見送った後、桜花に向き直る。
「どうしたんだ?」
「すまんの」
そう言うと、哭月はいきなり俺に抱きついてきた。
「な、哭月!?」
俺は目を白黒させて、どうしたのかと尋ねる。無論、顔を真っ赤である。
「妾は、消えとうない」
「・・・・・・」
「妾は、妾は、まだ、消えとう、ない」
かすれるような声で、桜花が言った。
「・・・桜花」
「妾は、まだ、お主らと、離れとうない」
以前は、こんなことは言わなかった。この桜花もまた、変わったということか。
やはり、記憶ではなく、はっきりとした自分の意思が在る。
「いいんじゃないか」
「え?」
「消えなくたっていい。桜花が消えずにすむ方法を、考えよう」
方法があるのかは分からない。ただ、諦めたくはなかった。
「・・・キョウ」
涙を流す桜花を抱きしめ返す。
「けど、どうして急に。成長と関係あるのか?」
「うむ。この姿になってから、妾の存在が希薄になっての。いつ消えるか、わからない」
「そんな・・・」
「せめて、どこからか力を吸収出来ればいくらか持つのじゃが。以前ならこの霊樹から力を吸収出来たのじゃが、何故かいまは出来なくなってしまった」
「霊樹から・・・でもどうして?」
「わからぬ。妾の知らぬ力を働いているようなのじゃが」
「・・・じゃあ、うちに来るか?俺から力を吸収すればいいだろう」
「・・・しかし、よいのか?かなりの負担になるぞ」
「わかってる」
「・・・では、厄介になる。後日、お主の家に行く」
「ああ、待ってるよ」
ふと霊樹を見ると、霊樹の影に誰かが立っているような気がした。目をこすってもう一度見てみると、そこには誰にもいなかった。
何故だろう。
あの人影が、今後、自分たちに大きく関わってくるような、そんな気がした。
やー、やってしまいましたね。
鏡の家、なんか某正義の味方の武家屋敷っぽい感じになってきましたね。これ何のエロゲ?的な展開ですか。
まあ、かなり強引かもしれませんが、一緒に住むのは当初の予定には入っていました。
そんな訳で、ここからちょっと物語りは動いていくかもしれません。若干、シリアスが増える・・・のか?
ともあれ、次回は戦闘です。ま、冒頭に今回の話の顛末とか、戦闘に突入するまでの流れとかなので、本格的な戦闘は後編からになりますかね。文章量によっては三部構成になるかもしれません。
では、また次回。




