表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/45

第十三話 ~説明~

中途半端に終わった前回の続きです。

一応、零のお話なのですが、零はあまり喋りません。


では、どうぞ。

今、零は何と言ったのだ?

それが、どうかしたの。

零は、何の恐れも抱いていない。幻覚を見ていない。強がっているようには見えない。ならば何故?

いや、零は俺と血の繋がった実の妹なのだから、妖怪の血を引いている。それならば幻覚を見ていないことには説明がつく。だが、恐怖心は抱くはずなのだ。あの両親と同じように。

零は、まだ妖怪ではない。妖怪であれば夜叉の力の影響は受けないが、混血であるのなら少なからず影響は受ける。俺を俺と認識した上でどうしようもない恐怖心と軽い幻覚を見ることもある。

これは、俺に好意を寄せているからとかそういう精神論で覆せる話ではない。もっと本質的、本能的な部分に働きかけるものなのだ。とても人の意思で抗えるものではない。

なのに、零は何事もなかったかのように小首を傾げている。


「・・・な、んで」


その呟きは誰のものだったのか。俺か、それとも他の誰かか。それすら分からないほど俺は動揺していた。


「やはり、ですか」


そんな中、九凰さんが一人口を開いた。


「どういう、ことなんですか」


困惑の目を九凰さんに向ける。彼女は、何かを知っている。


「恐らく、零さんは妖怪です」


「な・・・」


その言葉を聞いた瞬間、言葉を失った。零が、妖怪?

そんな莫迦な。ありえない。いったい、いつから?そもそも何の妖怪だというのだ。もし夜叉だとするなら、俺のように周囲から拒絶されるはずなのに。


「私が、妖怪?」


零が、困惑の声を上げる。そりゃ、自分のことなのだし信じられないのも無理はない。俺も信じがたいのだが。


「信じられないのは、分かります。しかし稀にですが、自身が転化したことに気付かずに生活している事があります。零さんも多分それでしょう」


「・・・それが仮に事実だとして、そんなことが本当に在り得るんですか?だって、もし零が俺と同じ妖怪、夜叉なら・・・」


普通に生活できるはずがない。俺もそれが原因で退魔協会に引き取られたのだ。


「それがあるんですよ。妖怪といっても色々います。鏡さんのような夜叉、真雪さんのような雪女では、普通に生活することはまず無理ですが、問題なく生活できる妖怪もいるのです。鬼とか、天狗とかがそれにあたります。上位の個体限定ですが、姿は人間と変わりありませんから。まあ、もっともそれも自覚がなく、己の力を使えない時期限定ですけどね。両者ともに強大な力をもつ妖怪ですし、妖怪は歳をとりませんからいずれ問題は起こりますし」


九凰さんの言うことはなんとなく理解できる。鬼や天狗が強大な力を持っていても、力を使わなければ、そこに在るだけならば特に問題はない。だが、夜叉や雪女は違う。夜叉ならば、そこに在るだけで幻覚を見せ、雪女ならば気温を下げる。妖力遮断の魔具のような特殊な道具があれば別だが。


「ただ、零さんが何の妖怪かまでは分かりません。夜叉でないことは確かなのですが、調べてみないとなんとも」


「それって、おかしくないですか?」


俺と零は確かに血の繋がった兄妹だ。なら妖怪になるとしたら俺と同じ夜叉にならなければおかしい。本当は俺と零は血が繋がっていませんでした、となれば別なのだろうが、それこそ冗談のような話だ。今まで本当の妹と思っていたから、むしろその方が俺にとってはショックが大きい。

ただ、ありえないことだとは思うが、可能性としては一つ思い当たることがある。


「別におかしくもなんともないですよ。貴方たちの血に夜叉以外の妖怪の血が混じっていれば、たとえ兄妹であろうと別々の妖怪に転化することは考えられます。まあ、兄妹揃って転化するなんてそうそうないでしょうけど」


余計なお世話だ。

それはさておき、それは俺が考えていたことと同じだった。


「夜叉以外の、妖怪の血ですか」


「ええ。複数の妖怪の血が混じっていることはそれほど珍しくもないですよ。それぞれの妖怪の血はかなり薄まりますけどね。混血同士の結婚とか、割とあるんですよ」


俺の両親もそれだった、ということか。しかし、その子供が揃って転化するなど不思議なこともあったものだ。まあ、零が夜叉にならなくて、良かったと思う。零に、あんな思いはしてほしくない。


「あの~、さっきから話がよく見えないんですけど。妖怪とか、それと夜叉っていったい・・・」


おそるおそるといった様子で零が聞いてきた。さっきから専門用語ばかりが飛び交っているので理解できなかったらしい。


「そうですね。まとめてお話しすることにしましょうか」


すると九凰さんが俺に視線を向けてきた。夜叉のことについて、話してもいいかということだろう。

俺は首を縦に振った。別に隠すほどのことではない。逆に知っておいてもらいたいとさえ思っている。

どちらにしても、夜叉の特性について、両親について、話さないわけにはいかないのだだから。


「では、まず何からお話しましょうか・・・」


俺が頷いたのを確認した九凰さんは、妖怪について、夜叉について、その他諸々を説明した。

また、中途半端な終わりですね。本当はもうちょっと書き進めるつもりだったのですが、書いてる途中でここで区切ってもよくね?とか思ったものでここで区切らせてもらいました。中途半端に長くなりそうだったので。言い訳ですねすみません。

一応次回で零に関する騒動?は終わりになる予定です。

実は零の正体についてはまだ思案中です。あ、妖怪ではありますよ。

次回でその正体を出そうかなとは思っているでなんとか考えなければなりませんね。

もし、こんなのがいいのではないか、というリクエストがあるならお知らせください。作者が気に入れば採用しようと思います。一応、夜叉、雪女、妖狐、人狼といった今までこの作品に出てきた妖怪以外でお願いします。

一週間ほどしたら次話を更新しようと思うので期限はそれまでです。具体的にいうと26日の夕方までですかね。

では、また次回。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ