五人目の仲間
「皆様方、どうも・・・」
リュージンが、笑みを浮かべてそう言う。
「この度は、この御老体を臣下に加えて頂き、真に有り難き幸せに御座います」
リュージンは片膝を付き、偃月刀を置いて頭を下げる。
「あ・・・ああ」
「えっ? ええ」
「あっ・・・」
「はい・・・」
ジョージ、ミリカ、アレリオ、シャリル達。
四人は、リュージンの進化した姿と態度に戸惑う。
「私は名を、リュージンと言いまして、産まれは沁国、職業は賢者に御座います」
リュージンは、自己紹介を始めた。
「俺はジョージ、こっちのバカはミリカ、宜しくなっ! リュージン」
「もおっ~~バカはそっちでしょう? バカジョージ」
ジョージとミリカ達は、喧嘩を始める。
「うるさいっ! このバカアマ」
「黙れぇっ! キモゾビオタ引きニート」
ジョージとミリカ達の戦いは激しさを増し、段々とヒートアップしていく。
「まあまあ、御二人とも」
「喧嘩は止めて下さい」
「ジョージ殿、ミリカ殿の夫婦喧嘩で御座いますかな? 実に中の良い事で・・・」
アレリオとシャリル達は、喧嘩を止めようと、二人を説得した。
リュージンは、ジョージとミリカは中の良い夫婦なのだと思った。
「いやっ! 夫婦じゃないっ!」
「そっ! 夫婦なのっ!」
「どちらが正しいので御座いましょうか・・・?」
夫婦じゃないと言い張るジョージ。
いいや、夫婦なのだと言い張るミリカ。
二人の矛盾した言葉に、リュージンは混乱してしまう。
「はあ・・・それは兎も角、貴殿方は何の為にこの島に居るのでしょうかな」
「それは・・・長くなるな・・・」
ジョージはそう言うと、リュージンに長い経緯を説明した。
「そうでしたか、御二人は異世界から来たのですな・・・こちらに来られてアレリオ殿とシャリル殿を臣下に加えられたのですな・・・」
リュージンは、ジョージとミリカ達の状況を理解した。
「なあ? リュージン・・・そんなに、かしこまらなくていいよ」
ジョージはリュージンに言う。
「お前もそうだけどさ、ここに居るスケルトンのアレリオ、デスナーンのシャリルも、最初はお前見たいにかしこまっていたけど? そう言うのが嫌だから止めさせたんだ」
ジョージは、リュージンに説明した。
「そうよっ! リュージンさん、リュージンさんは五人目の前の仲間何ですからっ!」
ミリカは、リュージンにそう言った。
「リュージンさん、これからは宜しく頼みます」
「リュージンさん、我々もどうか宜しくお願いします」
アレリオとシャリル達も、リュージンに仲間として挨拶をした。
「しかし、皆さん? ワシ自信もそうなのですが、私に対する憎しみは無いのでしょうか? 不思議とあれだけ戦いましたのに、ワシ自信は貴殿方に対する憎しみは湧かず、むしろ親近感すら覚えるのですが?」
リュージンは、何故互いに憎しみが湧かないのかと不思議に思う。
「リュージン、さっき言い忘れたが、それは俺とミリカの感染血液と血族化スキルの効果何だよ? まあ~~この二つのスキルは似たり寄ったりの効果何だけど・・・」
ジョージは、スキルの事を説明し始める。
「どうやら、俺とミリカの血を接種した相手は死後、アンデッド化し忠実な部下になるって効果があって・・・たぶん、そのおかげで、お前も憎しみが湧かないんだろう」
ジョージは、リュージンにスキルの効果を説明した。
「ははあっ! ジョージ殿、そのスキルのおかげで御座いますかっ!」
「あっ・・・とリュージンその呼び方は止めてくれな? 皆には俺の事をリーダーって呼んで貰ってんだ・・・お願いだから、お前もそう呼んでくれ」
ジョージは、リュージンから殿と付けられて呼ばれる。
それを、彼は何だか気難しい呼び方だと思う。
なので、皆と同じリーダーと呼んで欲しいと言った。
「はっ! かしこまりました、リーダー殿」
リュージンの返事に対して、ジョージは。
「うぅん? リーダー殿か・・・まあいいか」
ジョージは、まだ固い言い方だなと思うが。
リュージンに、止めるように言うのを諦めた。