表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/645

進化した賢者・・・


 黒い霧が晴れて、中から現れたのは白髪頭の老人ではなく、若い黒髪の賢者だった。

 賢者は気を失っているのか地面に倒れていた。

 服装も、緑と若草色の導師服から喪服の様に黒い色となる。

 その姿はさながらキョンシーの様であった。



「リュージン・・・なのか?」


「何か・・・進化した様ねえ・・・」


「この姿は? 老人だったのに・・・」


「若返っているわ・・・」


 産まれ変わったリュージンの姿を見る四人。

 ジョージ、ミリカ、アレリオ、シャリル達は驚き絶句する。

 そして、倒れていたリュージンの指折が微かに動く。

 次に手が、その次は腕が、体が震えびくびくと動き始める。

 最後に、ガバッと死者が蘇ったかの如く、いきなり立ち上がる。



「わっ!」


「きゃ?」


「あっ!」


「ひっ?」


 いきなり立ち上がった、リュージンに驚いて、ジョージ達は短い悲鳴を上げた。

 そして、立ち上がったばかりの彼の姿を正面からよく見つめる。


 ボサボサだった白髪の長めの髪型。

 それは、毛先が暗緑色がかかった黒髪のストレートの長髪となる。

 皺だらけの顔も若く端正な顔立ちとなった。

 肌の色も灰白くなる。

 目と唇も変わる。

 切れ長で暗い深緑色の瞳と、同じ色の唇へと変化した。

 若々しく美しい美青年に変身していた。



 そして、その顔には難しい文字が書かれた札が貼ってある。

 服装も、喪服のような黒い導師服には暗緑色と深緑色の模様が入っていた。

 前から被っていた、キョンシーの様な帽子。

 それも、黒色の帽子に暗緑色と深緑色の模様の入った物に変わる。

 その姿を見たジョージ達は。



「大分、変わったな」 

  

「そうねぇーー大分若返ったわねぇ?」


 リュージンの余りの変わりように、ジョージとミリカ達は驚嘆する。



「リーダー、ミリカ様、気をつけて下さい・・・奴には御二人に対する忠誠心が有るかはまだ分かりません」


「前に卑怯な騙し討ちを私達がしましたし、彼には私達に対する敵意すら有るかも知れません? リーダー、お姉様、どうか御下がり下さい」


 アレリオとシャリル達は、ジョージとミリカ達の前に楯として立つ。

 そうして、二人はリュージンの前に立ちはだかる。



「心配しなくても良いって、お前らもアンデッド化する前は威勢よく俺たちに立ち向かって来ただろう? そして、いざアンデッド化したら忠誠を誓うって成ったし」

  

 ジョージは、そう言って二人を宥める。



「そうよっ! 二人共、シャリルちゃん何て人間だった頃は私に対して、あ~~んなに反抗していたのに? アンデッドに産まれ変わった途端、素直に私の言うことを聞くように成ったしーー」


 ミリカも、シャリルを説得する。



「アレリオもシャリルちゃんに、人間の肉なんか食いたくないって凄く反抗していたのにぃぃ? 無理矢理一口食べさせられた瞬間から、猛烈な勢いで人間の死体を斬っては食べ、斬っては食べてって貪りついていたじゃないっ!!」


 ミリカは、アレリオ達にもそう言う。



「あの~~う、話は終わりましたかな?」


 若い青年の声が聞こえた方に四人が振り返る。

 すると、リュージンが妖しく笑みを浮かべていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ