もう一匹のトカゲも餌に・・・
ジョージ達は、スパイクリザードを殺し。
その死体にしゃぶりつくリュージンを見た。
「なっ何か・・・大丈夫そうだな・・・」
「そっそうね・・・だっ大丈夫そうね」
ジョージとミリカ達は言う。
「リーダー、ミリカ様っ! それより目の前の・・・」
「敵に集中をっ! お願いしますっ!!」
アレリオとシャリル達は、目の前のスパイクリザードを警戒して武器を構える。
「よしっ! こっちのリザードも仕留めるぞ、奴の弱点は頭だ、頭に集中攻撃を仕掛けるっ! アレリオ左右から挟み撃ちだっ! ミリカとシャリルは援護を頼む、うっし行くぞ」
ジョージはリーダーらしく、指揮を取る。
残るもう一匹のスパイクリザード。
奴に、アレリオと一緒に左右から回り込もうと駆け出して行く。
「了解っ! リーダーそれじゃあ行きますかっ」
アレリオはそう言いながら、ジョージと共に駆けていく。
「ジョージ、分かってるわよっ! シャリルちゃん、一緒にやるわよ~~」
「はいっ! お姉様っ! やりましょう」
ミリカとシャリル達も、魔法を放とうと右手を構える。
「うぉぉーーーー」
「はああ~~~~」
「フレイムボール」
「サンダーショット」
ジョージとアレリオ達は、スパイクリザードの頭に斬りかかる。
ミリカとシャリル達は頭を狙い、斬りかかった二人が離れた所で魔法を放つ。
「ガアアアァァァァァッーーーーーー」
スパイクリザードは、断末魔の悲鳴を上げて絶命して横に倒れる。
「殺ったのか?」
ジョージは呟くが、スパイクリザードが倒れたかと思いきや・・・。
「ガアァッ」
スパイクリザードは、再び立ち上がり暴れ始める。
「きゃっ」
スパイクリザードは近くに居た、ミリカに向け、ファイアブレスを吐いた。
燃え盛る炎が、ミリカの体を焼き尽くさんと噴射される。
「いやぁっ! 熱いぃーーーー!?」
ミリカの眼前に、ブレスの炎が掠めるくらいの距離に迫る。
勿論、彼女は激しい炎を前にして、悲鳴を上げる。
スパイクリザードは、そのままファイアブレスを吐きつつ歩いてくる。
前進する奴は、彼女に近づいて行こうとするが。
「ガアアァッ・・・!?」
『グサッ』
スパイクリザードの首の左部分に偃月刀が刺さる。
「はっ! 助かっ・・・たわ」
「なっなんだ? ひょっとしてっ?!」
ミリカは助かったと思い、肩の力が脱力して抜けていく。
一方、ジョージはひょっとして、リュージンが投げ槍で助けてくれた。
そう思い、彼の方を見る。
リュージンは、ふらふらと歩いて来る。
歩いて来ると。
たった今、倒したばかりのスパイクリザードの頭から偃月刀を引き抜く。
頭の偃月刀を抜いた部分から、噴き出し。
流れ出た血液に吸い付いて飲み始める。
「あいつ、一人で飲み干してしまうんじゃないか」
ジョージは彼の様子を見て言う。
スパイクリザードの血液が吸い尽くされ。
それが終わると、リュージンの体に異変が起こる。
「ガアアァッ」
『力が・・・体中に力が溢れてくる・・・』
リュージンの体には黒い霧が巻き付いていく。
やがて、体中全体が黒い霧に覆われてしまう。
「どうなっているんだ・・・?」
「これは? もしかして進化なんじゃない・・・?」
ジョージとミリカ達がそう言うと霧が晴れていく。
その中からは、進化したリュージンの姿が現れた。