向かって来たか棘トカゲ
スパイクリザードは、連続で放たれた魔法を全て回避する。
次に、肩の槍の様に長い棘を突き刺そうと、猛烈な勢いでジョージ達に迫る。
スパイクリザードはジョージ達に五十メートル程の距離まで迫る。
そこから、魔法を回避するのを止め、真っ直ぐに突進してきた。
「リザードが突っ込んで来るぞっ! ミリカ、シャリル、回避の準備をしとけ」
ジョージは指示を出し。
ミリカとシャリル達に、突っ走って来る、スパイクリザードを避けろと言った。
「分かってるわっ!」
「リーダー準備は出来ています」
ミリカとシャリル達は、準備万端と答えた。
「リーダー、トカゲが来ますよっ!」
「アレリオ、あいつの足を狙うぞっ!」
ジョージとアレリオ達は、スパイクリザードの足を狙う事に決め。
奴等の突進を引き付ける。
「来いよっ! 来いよ・・・来いっ!」
ジョージは迫り来る、スパイクリザード達を剣を構えて待ち受ける。
「三十・・・二十・・・十・・・今だあっ!!」
ジョージとアレリオ達は、左右に分かれ。
スパイクリザード達の足を斬り付ける。
ミリカとシャリル達は、左右に跳び。
スパイクリザード達の突進を避けた。
「ガアアァッーー」
スパイクリザードは二体とも、足を斬り付けられて吠え声を上げる。
「ガアアァァァ!?」
スパイクリザード達は、吠え声を上げていたが。
ふと何かに気付いたように、一匹は横へと首を振り向ける。
その縦長の線が入った爬虫類特有の瞳の向けられた先には・・・。
「ガアッグァ~~~~~~」
地面に突き立てられた偃月刀に、縄で縛り付けられている腐肉の塊が居た。
「グガアアァァァーーーー」
スパイクリザードの片割れは、リュージンを狙い、突進を始める。
「まずいっ! じいさんがやられちまう」
ジョージがそう叫んだ。
「ジョージ、助けに行こうっ!?」
ミリカはリュージンを助けようとそう言うが、その時っ!?。
もう片方のスパイクリザードは、ジョージ達を通すか。
と、言うように立ちはだかり邪魔をする。
「くっ! これじゃあ助けに・・・」
ジョージが悔しそう言うと。
「リーダー、早くっ! あの御老人を助けに行ってくださいっ!!」
「ここは私達に任せて先に御老人をっ!」
アレリオとシャリル達が、片方のスパイクリザードを押さえると言った。
彼等からリュージンを助けに行って欲しいと頼まれたジョージ。
「二人とも、すまないっ!」
ジョージは答えつつ、リュージンの方へ向かおうと駆け出していく。
「ガアァーー」
スパイクリザードの片割れは、リュージンに突進を続け。
後、数メートルの所まで迫っていた。
そして、ついに・・・。
『ドンッズザアーーーー』
派手な音が周囲に響き渡る・・・。
スパイクリザードが、リュージンを吹き飛ばしてしまったのか。
とらジョージ達は思ったが。
スパイクリザードは前のめりになり、地面に頭を下げ。
顎を土にめり込ませながら倒れ込んだ。
地面にめり込んだスパイクリザードの頭上。
そこには、リュージンが乗っていた。
その頭部に、何度も偃月刀を突き刺し。
ボロボロに成った脳髄に吸い付いていた。
「ガギャア~~グガアァーー」
リュージンは吠えながら、スパイクリザードの脳髄を右手に持つ偃月刀で切り裂く。
それから、左手で肉や皮を引き裂き食べていた。