大きな棘トカゲ
ジョージ達が対峙する二体のスパイクリザード。
その見た目は名前の通り、全身硬い棘と鎧のような皮膚に覆われている。
こちらを睨む、縦に切れ長に伸びた瞳。
それは、常にこちらを殺そうと凝視していた。
「アレリオッ! 俺は左の奴の側面に回るっ! お前は右の奴を頼むっ!」
「了解っ! リーダーー、行くぞ・・・でっかいトカゲ野郎、お前の肉はシチュー入りだ」
そう言うと、ジョージとアレリオ達は左右に分かれ。
スパイクリザードの側面へと、駆け出して行く。
二人に気をとられている隙を狙い。
正面から魔法を放ち。
支援攻撃を開始する、ミリカとシャリル達。
「シャリルちゃん、ジョージとアレリオの為に援護射撃を始めるわよっ! フレイムボールッ!」
「はいっ! お姉さまっ! 私達も敵に魔法攻撃をっ! サンダーショット」
ミリカとシャリル達は、揃って魔法による支援攻撃を連続で行う。
二人の魔法攻撃は、スパイクリザードの頭に直撃した。
「ガガアーーーー」
スパイクリザードは怒りの叫び声を上げて二人に向かって突進してきた。
スパイクリザードは、騎士同士の馬上試合で使われる、ランスの様な形の棘を肩に三本生やしている。
それを、ミリカとシャリル達にぶつけようと駆け出して来たのだった。
「ヤバいっ! シャリルちゃん避けてって間に合わないかっ!?」
「お姉さまっ! きゃああっ!?」
スパイクリザードは、走る速度をどんどん上げて、ミリカとシャリル達に向かって来る。
「ミリカッ! シャリルッ! 避けろお~~~~」
「ミリカ様っ! シャルッ! 危ないっ!!」
ジョージとアレリオ達は、ミリカとシャリル達に迫るスパイクリザードを追うが。
「ガガアアーーーー」
スパイクリザードに、直ぐに距離を放されてしまう。
「お姉さまあーー!?」
「きあっあああっ!?」
『ドーン』
ミリカとシャリル達は、スパイクリザードに横へ弾き飛ばされて倒れこむ。
「ミリカあーーーーーー!?」
「シャルゥッ~~~~~~!」
ジョージとアレリオ達は、それぞれの思い人の名を叫ぶ。
「つぅっ? たたたあ、痛みは無いけど衝撃だけは走るのよね?」
「お姉さま、あっ有り難う御座います」
ミリカとシャリル達は、無事であった。
「良いのよっ! シャリルちゃん、それより、あいつらまた来るわよっ!」
「はいっ! 魔法でやり返して上げましょう」
ミリカとシャリル達はそう言うと、魔法を二体のスパイクリザードに放つ。
「フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
「サンダーショット、サンダーショット、サンダーショット」
ミリカとシャリル達は立て続けに魔法を放った。
スパイクリザードは肩から生えているランス状の長い棘を楯にして、顔を隠して防御体勢を取った。
「あいつ、意外と頭いいのねっ!」
スパイクリザードの動きを見て、ミリカはそう言った。
そして、さっきはスキル、アクロバットを使い。
竦み上がるシャリルを抱き上げて、横へ飛びはねた。
そうやって、先程はギリギリの所でスパイクリザードの攻撃を回避した。
だが、今の防御行動を見るに、奴の学習能力は高い。
なので、今度は回避行動も上手く行かないなとミリカは思った。
「ミリカ、シャリル、無事かっ!」
「ミリカ様、シャルッ!」
ジョージとアレリオ達が、二人の元へ駆けつけた。
「ええっ無事よっ!」
「私も、お姉さまのおかげで無事ですっ!」
ミリカとシャリル達は無事だと答えた。
「ミリカ、シャリル奴等は俺たちが仕留める、二人は援護をして引き付けてくれ・・・そうしたら俺たちは二人の前に立ち楯になって奴等を攻撃するから」
「分かったわ・・・ジョージ、アレリオも頼むわねっ! それじゃあシャリルちゃん放ちましょうか」
「お姉さま、分かりましたっ! では魔法攻撃をっ・・・」
ジョージの頼みを聞いた、ミリカとシャリル達。
彼女達は防御体勢を解き、こちらの様子を伺い。
縦長の瞳で睨み付ける、スパイクリザードに魔法を放つ。
「フレイムボール、フレイムボール」
「サンダーショット、サンダーショット、サンダーショット」
砂漠を駆ける戦車の如く、もの凄い早さで近づいて来る、二体のスパイクリザード。
奴等は、自らに向けて放たれた魔法を次々に回避してしまう。
「まるで・・・」
「あれは・・・」
ジョージとミリカ達は、二人は同時に喋る。
「ディノクライシスだなっ!」
「ジュラシックパークねっ!」
ジョージとミリカ達は、そう言った。