どうするのか、このおじいさん連れてくか?
「中国人ぽいからって、キョンシーはないでしょう? それに、このおじいちゃん腐肉の塊よ? 言うことは聞かないし、歩くのは遅いし、どっかにフラフラと勝手に行ってしまうかも知れないわよ・・・」
ミリカは、ジョージにそう文句を言う。
「はあ~~~~あったくっ! お前って奴はよっ! 中国人のアンデッドと言ったら、キョンシーしかないだろっ! 定番って奴だよ定番?」
「定番って、あ~~んたねぇ・・・」
中国人の定番のアンデッドはキョンシーだと言い張るジョージに、呆れ返るミリカなのであった。
「だあっ~てよっ! このじいさんをゾンビに変えても何か合わないだろ? キョンシーに変えたほうが良いに決まってるだろ?」
ジョージはそう言って、ミリカを説得する。
「リーダー、この御老人はどうやって仲間にしますか?」
「お姉さまの仰有る通に装置もなく障気もなくどうやって仲間にするのでしょうか?」
アレリオとシャリル達は、そう言ってジョージを問い質す。
「あ~あそれなんだが、こうしてっと・・・」
ジョージはそう言うと、左腕を前に出す。
それから、ショートソードを持つ右手で切りつけて、リュージンの遺体の口に自らの血液を二、三滴垂らす。
「これで、取り合えずは腐肉の塊にはなるだろうな」
ジョージは、倒れているリュージンを見てそう言う。
「でっ・・・これからは何を目標にするのよ?」
「決まってるだろ? あの少女を追跡するんだよっ! このじいさんも仲間にするのに決定したしどうせなら、あの少女も仲間に加えようぜ」
ジョージは、ミリカの目標はとの問いに、少女も仲間にすると答えた。
「そうねぇーーあの子可愛かったもんねえっ?」
『ペチャ』
ミリカはキャロルを獲物に定める。
彼女は妖しい微笑を浮かべ。
アイスクリームを前にした子供のように舌嘗めずりをする。
「はあ~~お前はそっちの気のある奴何だな、ミリカ?」
ジョージは、キャロルをギラギラとした目付きで狙うミリカに呆れる。
「大丈夫よ、ちゃあんとジョージの事も愛してるからっ♥ 『ちゅっ!』」
いきなり、ジョージにキスをするミリカ。
それを見て、驚くジョージ。
「お前、人前で何をっ!?」
「えへへ、人前でって、ここには一人も人間は居ないのよ? ここに居るのはアンデッドだけなのよ」
ジョージの驚きに対して、ミリカはそう言い訳する。
「アレリオとシャリルも見ているだろがっ!」
「ねぇ~~シャリルちゃん、命令よっ! アレリオとキスしてよっ♥」
ジョージは大きな声でそう言うが、ミリカは、とんでもない命令を下した。
「なっ? お前っ! なんつーー命令をっ・・・」
ジョージはミリカを睨む。
そして、アレリオとシャリル達の反応は。
「ミリカ様、それはっ! ちょっと・・・」
「お姉さま、その・・・それはいくらなんでも」
アレリオとシャリル達は、顔を紅くし。
ミリカの命令には恥ずかしがり、従えないと命令を拒否した。
「ふぅん、シャリルちゃん、これは命令なのよ? 私達は仲間だけど二人より立場は上よねっ! じゃあ私の命令にはちゃあんと従ってぇーー忠誠心を見せなきゃあねっ?」
ミリカは、シャリルの両肩をがっしりと掴む。
そして、彼女の顔に自分の顔を吐息が掛かるくらい近づけて、そう強引に説得する。
シャリルは顔を近づけられて、顔を更に紅く紅潮させる。
ミリカから目を剃らし、眉を八の字にして困った表情をみせる。
「お姉さまあっ・・・どうか御勘弁を・・・」
シャリルは困った顔で、そう言うが。
「い~~やっよっ! だってさあ~~アレリオも、まんざらじゃ無さそうな顔しているわよ~~~~」
「いえっ? そんな事は・・・」
ミリカから、急に声を掛けられたアレリオは戸惑う。
「えっ! シャリルちゃんの事は好きじゃないのかなあっ? クスクスッ♥」
ミリカは、クスクスッと笑いながら意地悪に今度はアレリオを弄る。
「いえっ? いや、そのっ! ・・・」
「好き何でしょっ! だったらあ・・・」
ミリカは、アレリオに何か言おうとするが、横からシャリルが。
「お姉さまっ! どうか、もういい加減にイタズラはおやめくださ・・・ん~~んん」
ミリカは、シャリルの口を唇を重ね合わせ塞いでしまう。
「ん・・・んんっ・・・んっ♥ 『チュッ』・・・ぷはぁっ・・・アレリオ、シャリルが好きならこうするのよっ・・・」
「お姉さま・・・はあはあ」
ミリカはそう言って、アレリオにキスを見せつける。
そして、シャリルは恥ずかしさの余り。
涙目になり、頬を紅潮させて息も荒くなっていた。
その光景を見た、アレリオはあまりの事にただ戸惑っていた。
ジョージはパワセクハラだな。
そろそろ、あのバカ女を止めないと大変だなっと思った。