この腐れじじいっ! キョンシーにしてやるぞっ!
風魔法を回避し切れず、ミリカは怪我を負った。
「アクロバットスキルでも回避し切れなかったかぁ」
ミリカは苦悶の表情を浮かべ、リュージンを憎々しげに睨みつける。
「そいじゃあ、お嬢ちゃんさようならじよのっ!」
リュージンは、真上から偃月刀を振り下ろす。
「待てぇっ! じじいぃーー後ろがガラ空きだぞーー」
ジョージは、またもピンチのミリカを助けようと。
リュージンの真後ろから襲いかかった。
「やれやれ? さっきも背後からの奇襲は通じんかったじゃろ、坊主」
ザバッと、ジョージのラウンドシールドをもった左腕が、遥か後方に跳んでいった、
彼は、一瞬変な感覚がするが、それが腕を撥ね飛ばされたのだと直ぐに理解出来た。
「ふぉっ? ふぉっ? 惨めじゃのぉ~~助けに入ったのに、逆にやられてしまうとはのおーー」
「うるせえっ! 腐れじじいがっ! お前はぜってえ、キョンシーにしてやるからな、覚悟しとけよっ!」
挑発するリュージンに対して、ジョージは怒鳴った。
「ふんっ! 誰がお主共に負けるものか、ワシがキョンシーになる前に、お前さん達が、あの世へ旅立つのが先じゃあっ!?」
リュージンはそう言うと、後ろから近づいてきたミリカへと回し蹴りを喰らわせる。
「ああっ!」
「ミリカッ!」
ドザァッと地面に倒れるミリカ、それを見て叫ぶジョージ。
「ふぃーーこちらは何とかなりそうじゃがなあキャロルの方はどうなっているのかのお~~」
リュージンは、キャロルの方に視線を向ける。
そこでは、キャロルは苦戦していた。
メイスを振り回して雷撃魔法を放つシャリル。
長剣を木の枝をの様に軽々と振り回すアレリオ達。
二人に挟まれて押されぎみになり、何とか持ちこたえようと奮戦していた。
だが、それも幼い体で大人のアンデッドを相手に戦っていては。
彼女の持久力がもたない事は明白であった。
「しょうがないのおっ! キャロル、何をグズグズしとるんじゃあ、早くこやつらに止めをささんかぁっ!!」
リュージンは怒鳴ると。
風魔法をキャロルを囲む、アレリオとシャリル達に連続で放った。
「エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター」
立て続けに、四発もの風魔法による斬撃を放つリュージン。
「うわあっ!?」
「きゃあっ!?」
アレリオとシャリル達は突然の風魔法の攻撃にたじろぐ。
リュージンは放ち終えると、先ずシャリルに向かい駆け出していく。
「このガキを助けに来ましたかっ!」
シャリルはそう言ってメイスを構え防御態勢を取る。
だが、リュージンはそのまま突っ込み。
彼女の両手で握っぱりたメイスを偃月刀で叩きつけ。
続けざまに右腕と左足を切り離した。
「くあっ!?」
シャリルは、自らの右腕と左足が切り取られて驚き、小さく変な声を上げた。
「シャリルっ! よくもやってくれたな」
アレリオは、リュージンに向かって突撃していく。
彼は、敵の一歩手前まで迫り、その首目掛け、モンタンテを片手で軽々と振り回した。
「やるのう、若造」
ガンッと音が響き渡る。
リュージンは、アレリオのモンタンテの一撃を、偃月刀で受け止めてしまい。
涼しい顔で、そう言った。
「アイスビーム、アイスビーム」
キャロルが、リュージンの援護をする。
「グッ! 肩が?」
左肩に氷結魔法が当たり、凍って動かなくなってしまうアレリオ。
「師匠っ! 次はあたしが助ける番だよっ、アイスビーム、アイスビーム、」
キャロルは師であるリュージンの援護の為に氷結魔法を放つ。
アレリオやシャリル達。
そして、ジョージやミリカ達にも氷結魔法による攻撃を行う。
「アイツ止めないとヤバイぞっ! こっちも魔法で撃ち返してやるぞ、ダークボール、ダークボール」
「そんなこと言われなくたって分かってるわよっ! フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
ジョージとミリカ達も、キャロルに魔法を撃ち返し応戦する。
「キュアー、これで私の傷は治りましたわ」
「こんのガキとじじいがああ、うらあーーーー!!」
シャリルは、斬られた腕と足をを拾い上げ。
自らの体に接合して、回復魔法で傷を治した。
アレリオは、キャロルに長剣モンタンテを向けて、突進しながら駆けて行く。
「キャロル正念場じゃぞっ!」
「師匠アイツら一斉にっ! 早く止めなきゃヤバイ」
リュージンとキャロル達。
彼等は、一斉に襲いかかって来る、四体のアンデッド達を魔法攻撃で迎え撃つ。