奇襲は失敗したっ! ・・・なら戦闘開始だ
「エアーカッター」
リュージンは、ミリカの方へ駆けながら左手をシャリルに向け、風魔法を放つ。
「くぅっ!」
シャリルは、風魔法の衝撃波と斬撃に右腕を斬られた。
「チッ? バレたかっ!」
ミリカは、ベルトの鞘から素早くレイピアを抜き出し。
走りながら、こちらへ向かって来るリュージンの偃月刀の刃を斜め下から受け止める。
ガンッと金属と金属がぶつかる音が響き渡る。
リュージンの偃月刀が、突き出された瞬間。
ミリカは、眼前で自らのレイピアを柄と刀身を掴み。
偃月刀の突き攻撃をギリギリで防御に成功する。
「お姉さまあっ! サンダーショット」
シャリルは、ミリカを援護しようと雷撃魔法を放つ。
しかし、リュージンは彼女からヒョイと跳びはね。
素早く後ろへ離れる。
「師匠っ! アイスビーム」
キャロルは師匠であるリュージンを助けようと、氷結魔法をシャリルに放った。
「クッ! この小娘がっ! 大人しく殺られなさいっ! ええいっ!!」
シャリルは氷結魔法を避ける。
それから、先程の挨拶をした時の穏やかな表情とは違う激昂した表情を浮かべる。
それを、キャロルへと見せ付け、メイスを叩きつけようと振り下ろした。
『ガン』
「うわあっ!」
キャロルはシャリルの振るったメイスを回避し。
メイスは鈍い音をたて地面にめり込んだ。
「やっぱりのぉ~~お嬢ちゃん達はアンデッドじゃったかあ~~」
「うるさいっ! クタバレ、こぉ~~の爺様あぁっ!?」
『キンッガンッガンッ』
と、激しい金属同士のぶつかり合う音を立てる、リュージンとミリカ達。
二人は、互いに偃月刀とレイピアで牽制しあう。
「不味いっ! タイミングを見計らって出ていこうとしていたが、さっきの計画も潰れたし、このままじゃあミリカが殺られちまう? アレリオ、お前はシャリルを助けに行けっ!!」
「了解、リーダー、シャリルは任せてください、リーダーもミリカ様をっ!」
「わあーーてるって」
ジョージは、ミリカに加勢しようとそおっと早歩きで、リュージンに近づいていく。
アレリオも、シャリルに加勢する。
「おいっ! 坊主、バレバレじゃぞっ!」
「グッ!」
じじいの偃月刀が、ジョージの鎧の隙間から腹を突き上げ。
その勢いで彼を投げ飛ばした。
彼は、勿論痛みを感じないが衝撃は全身に伝わる。
「あんのじじいっ! よくもやりやがったな」
ジョージは投げ飛ばされて倒れていたが、立ち上がり辺りを見回す。
アレリオは、シャリルに加勢して徐々に魔法少女を追い詰めていた。
ミリカは爺を相手に細剣を振るい、戦闘を続けていた。
「ミリカを助けに戦闘に戻らなくては」
ジョージは、魔法を撃ち合うミリカとリュージンに駆け寄って行く。
「喰らえぇっ! フレイムボール、フレイムボール」
リュージンは次々と放たれる火球を華麗に宙を舞い跳び跳ねて避ける。
次いで、隙を見てミリカに風魔法を撃ち返す。
「ほぉっほぉっほぉっ! お嬢ちゃんやるのう~~? だがワシに勝つにはまだまだ早い様じゃなあ~~それっ! エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター」
リュージンの放った大量の風魔法の斬撃に、ミリカは圧倒される。
「くうっ! はあったっ!!」
ミリカは圧倒的な数の斬撃を避けようと、横へステップしながら回避ししていく。
「あっしまったっ!?」
ミリカはリュージンの放つ風魔法を回避し切れず。
その身に斬撃と衝撃を浴びてしまった。
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