スネークは蒲焼きにしてやるぜ
「ミリカ、大丈夫か?」
ジョージはミリカを抱き上げる。
彼女はぐったりとして意識がない。
それでも、直も彼女に呼び掛ける。
「おいっ! おいっミリカ、しっかりしろ」
すると、ミリカはゆっくりと目を覚まし状況を飲み込めず、一瞬混乱する。
「うぅん、ん? はっ・・・!?」
「起きたか、ミリカ?」
ジョージはミリカ抱き抱えながらそう言った。
「えっ! ジョージ、蛇は?」
「あっ! アレリオに任せっきりだ・・・」
ミリカの問いに、ジョージはそう答えた。
「御二人とも、こっちの援護をっ! 俺一人ではこいつはキツい・・・くうぅっ!」
「シューーアァァ」
アレリオは、ステルスネークが大口を開けて襲い掛かる度に長剣を振り上げる。
そうして、必死で抵抗しつつ。
何とか持ちこたえようとしていたが、段々と押されぎみになる。
「アレリオ下がれっ!」
苦戦していたアレリオに、ジョージが叫び。
ステルスネークが潜む周辺の地面に、また暗黒魔法を放つ。
「ダークボールッ! ダークボールッ! ダークボールッ!」
ジョージの放った暗黒球は地面から土煙を噴出させ、ステルスネークは咳込む。
その間に、アレリオは素早く後退してジョージ達の元へ戻って来る。
「アレリオ、怪我はあるか?」
「いいえ無事です、それよりもミリカ様とシャルの様子は?」
ジョージの問いに答えたアレリオは、逆にミリカとシャリルの容態を聞いた。
「ミリカは何とか無事だ、だが、シャリルはまだ分からない・・・」
ジョージは、アレリオの問いにそう答える。
「シャル・・・無事で居てくれ・・・」
それを聞いて、彼は呟くとまたステルスネークに長剣の切っ先を向ける。
ステルスネークは、土煙が霧散するとまたもや姿を消そうとする。
「ジョージ、また見えなくなるわよっ!」
「ジョージ様、どうすればっ!?」
「ミリカ、大丈夫だ、こいつは昔見たゾイドのヘルキャットと同じだ、ダークボール、ダークボール」
「はあっ?」
「はいっ!?」
ミリカとアレリオ達は訳も分からず頭に!マークが浮かぶ。
ジョージは大丈夫だと言いながらまた暗黒球を地面に放つ。
すると、ステルスネークは土煙が体に付き保護色が土色になってしまう。
「シャアアアーー」
ステルスネークは土煙を吸うまいと、体を上に伸ばし、頭を土煙から遠ざける。
「アニメでこういう、光学迷彩やら保護色の敵はこういう風に倒すって学んだからな」
「あの蛇は魔法で姿を消しているんじゃなくてカメレオンの保護色のような能力を使ってたのね」
ジョージとミリカ達は、巧妙に姿を隠すステルススネークの睨む。
「光学迷彩? アニメ!! って・・・?」
アレリオは、アニメや光学迷彩が分からず、頭に?マークが浮かんでいた。
「さあっ! うなぎの変わりに蒲焼きにしてやるぜ、蛇さんよぉっ!?」
ジョージは大きな声で叫ぶと、暗黒魔法を連発しながら放った。