スネークッ応答しろっ! スネェェェクッ!?
(・・・さあ? かかってこい、スネーク、ソリッドかリキッドかそれともソリダスかは知らんが・・・)
ジョージは、メタルギアのスネーク三兄弟を思い出した。
「シューーゥゥッ!」
どこかで、ステルスネークが鳴き声を出している音が聞こえる。
「どこなの? 蛇の居場所は?」
「お姉さま、御静かに・・・」
ミリカとシャリルはそう言う。
「シャアアアアァァッ!」
ステルスネークは急に全長十七メートルもの、長く太い体を現す。
そして、不意討ちを仕掛け、シャリルに噛み付いた。
「がぁっ!」
シャリルは噛み付かれ、遠くの地面へ投げ飛ばされた。
ステルスネークは直ぐに体を透明にする。
そして、ジョージ達、残りのメンバーを透明な姿で物影から狙う。
「シャリルっ! くそっどこだ!?」
アレリオはそう言って首を左右に振りながら周囲を見渡す。
ステルスネークの姿はおろか影さえ見えない。
ステルスネークはゆっくりとジョージ達の後方に移動する。
その両目を閉じて、ピット器官を次のターゲットに狙いを定める。
ピット器官は、熱源感知で相手の姿を捉える。
故に、暗闇で相手の姿形が、体温で表され、赤く光って見えるのだ。
「シャアアッ」
「きゃっ!!」
ステルスネークは、ミリカの体を尻尾でぐるりと巻き付け、そのまま潰そうとする。
「ミリカっ! 今助けるぞっ!?」
「ミリカ様っ!」
ジョージとアレリオ達はステルスネークに立ち向かおうとする。
(・・・くそっ! あの蛇に魔法を当てようにもミリカが人質に・・・何か手は? 取り合えず斬りかかるしかないか・・・)
ジョージは剣を構え、ステルスネークに走る。
「これでも喰らえ、蛇野郎っ!?」
ジョージはそう言うとステルスネークの胴体を目掛け、剣による刺突攻撃を敢行する。
「シャアアアアアア」
ステルスネークは、それを意図も簡単に避けてしまった。
「こっちにもっ居るぜっ!」
アレリオは、ステルスネークがジョージに気を取られている隙に後ろに回り込つ。
次いで、背中を狙った長剣の重たい一撃を打ち込むが。
「シャアアアアアアアアァァァッ」
ステルスネークの鱗は、硬く剣による通常攻撃は効かなかった。
「どうすれば良いんだよっ!!」
「硬過ぎだろっ!!」
ジョージとアレリオ達は弱点の無いステルスネークに苦戦していた。
そして、ミリカは未だにステルスネークの尾に巻かれて痛みに苦しんでいた。
「ぎゃあああっ!? ギブッギブッギフゥゥ・・・」
ミリカの声が聞こえず、姿が見えなくなるほど、ステルススネークは尾で包み込む。
その後、奴は直ぐに姿を闇の中へと消してしまう。
「また消えた?」
「どこへ隠れやがったんだっ!?」
ジョージとアレリオ達は、ステルスネークを探して、あちこち見渡す。
(・・・早くしないとステルスネークにミリカの全身の骨が砕かれてしまう・・・その前に仕留めないと・・・)
ジョージはそう考えるが、肝心のステルスネークは闇の中へと身を溶かしている。
彼が汲まなく辺りを見回しても、奴は巧妙に隠れているので一行に見つからない。
そして、ステルスネークは今度はアレリオを狙う。
無防備な彼の後ろから、大口をあけて丸飲みにしようと奇襲を仕掛けてきた。
「後ろかあっ!?」
アレリオは後ろに振り向き、長剣を横に振るうが。
ステルスネークは、その剣を牙で受けとめる。
「こいつっ! くうううぅ?」
アレリオと、ステルスネークは鍔迫り合いになる。
彼を助けようと、ジョージは魔法を地面を狙い放つ。
「ダークボールッ! ダークボールッ!」
ジョージが放った暗黒球は地面に当たり、土煙を跳ね上げる。
その土煙でステルスネークは咳き込み苦しみ、そして尾からミリカを放す。
放された、ミリカはずるっと尾から地へと落ちてしまう。
「ミリカッ! 大変だぜっ!!」
ジョージは、ぐったりとするミリカを介抱しようと走り出した。