逃走は成功・・・・・・・・・しなかった
「皆っ! こいつらは俺たちより実力が数段上だ、だから・・・」
ジョージは身構えてそう言うと。
「だから・・・?」
ミリカが言う。
そして、アレリオとシャリル達もジョージに顔を向ける。
「逃っげるぞ~~~~?」
ジョージは、岩山の坂を目指して走り出した。
「ちょっ! ふざけないでよっ! この~~馬鹿ゾンビっ!?」
「急に逃げろってぇーーそんなーー!?」
「皆さん、待って下さ~~いっ!!」
ミリカ、アレリオ、シャリル達もジョージを追いかけついて行く。
「ガアルルゥ」
「グルルルルウッ」
岩山鬼ウサギ達も、口内の痛みを堪えて、ジョージ様達を追いかけ疾走する。
ドスッドスッと地を蹴りながら激しい音を響かせ。
ジョージ達に近づく、岩山鬼ウサギ達。
その差は段々と縮まり、後十メートルの所までジョージ達に迫る。
「げっ! もう、ここまで来たのか? あーーのデカウサギ共」
ジョージは後ろから聞こえる、岩山鬼ウサギ達の巨体が鳴らす。
地を蹴る震動音に振り向き、そう言った。
「もぉーーこれじゃ逃げた意味無いじゃない? しかもっ! もう少しで追いつかれるわよーーどうすんのさあーー?」
「うるせぇーー! 喋る暇が合ったら全力出してはしるっれ、舌噛んだ痛ぇーーーーくないっ? あっゾンビだからか・・・」
ミリカは文句を言いながら走ると、ジョージは舌を噛んだ。
「馬鹿あっ! 走りながら喋るからよ、だいたい何で進撃の巨人のシーンの真似してんのよ」
「御二人共、もう本当にウサギ共に追いつかますよ」
ミリカは文句を言うが、アレリオの言う通り。
ウサギは後六メートルの距離まで迫っていた。
「グァルルルッ」
「ジョージ様、何か策を用意しているのでしょうか?」
「策っもちろん有るぜ、ただな・・・」
シャリルは策はと問うと、ジョージは秘策を喋ろうとする。
「ただっ・・・?」
シャリルは秘策を聞こうとするが。
「ただ・・・それはっ・・・ただひたすらっ逃っげるんだよーーんっ!?」
ジョージはそう言って、更に走る速度を加速させる。
「お前はジョセフ・ジョースターかあぁーーーー馬鹿ゾンビィぃぃ~~~~!?」
ミリカも一人勝手に走る速度を上げる馬鹿を怒り狂いつつ追いかける。
「はあ~~? もうここで食べられて終わりか・・・」
「は~~あ~~どうやら本当にそうみたいね・・・」
アレリオは疲れた様な感じでそう言いながら走る。
深く溜め息を吐きシャリルもそう言いつつ必死で走る。
二人は主と崇めたジョージに呆れ果ててしまった。
「ジョージ、もう直ぐに岩山の坂よっ! どうすんのっ? まさか登って行けって言うの?」
「ジョージ様、どうするんです?ミリカ様の言う通り岩だらけの山肌を登れと」
ミリカとアレリオ達は、ジョージに文句を言った。
「いや、ここで良いっ! 皆止まれっ!」
ジョージは急に止まった。
「逃走は失敗した・・・が作戦は成功したぜ・・・」
ジョージは、そう言って不適に笑った。