表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
681/683

草や木とのゲリラ戦を続けるしかない


 アンデッド軍団は、またもや植物モンスターの遊撃部隊と交戦し始めた。



 右側から仕掛けられた魔法攻撃で、アンデッド達も、冷静に反撃を行う。



「森から攻撃がっ! 魔法を喰らえーーーー!?」


『ドド♪ドド♫ドドドド♪♬ドド~~!!』


「氷が厄介ねっ!」


「ミラージュ、援護するっ! 狼たちよっ! また、行くんだっ!」


「ガウ、ガウ、ガウ」


「ギャウ、ギャウッ!!」


「大砲を喰らいなっ!」


 ビョルンは、ニッケルハルパを左右に振り回しながら音波魔法を放ち続ける。


 ニウも、何回も姿勢を低くしながら跳び跳ねては、魔法攻撃を避けて、敵の出方を伺う。



 マルセルも、大筆の先から幻影魔法を放出して、草地を走る狼たちを出現させた。


 ファルコネット砲を掴み、森に向けて、ファビアンは砲弾を発射した。



 それらの攻撃が、冷凍ビームを飛ばしてくる森に向かっていく。


 これにより、葉っぱや小枝などが飛び散り、太木を爆風で吹き飛ばす。



「お前ら、助かったぞっ! このまま、攻撃を続けてくれっ! シニッカ、カブラル達は左側を警戒しろっ!」


「はいっ!」


「了解しました」


 ジョージは、仲間たちの援護射撃に感謝しつつも、反対側から奇襲されることを予想する。


 シニッカは膝だちになり、弓矢を構え、カブラルはブランダーバスに丸石を積めていく。



「他の連中も、下手に動かず、周囲を警戒しろっ! ダークボール」


 命令を下しながら、ジョージは長期戦を予想して、茶色い地面に暗黒魔法を射ち込んでいく。


 彼は、馬車部隊の前方に、それぞれが二人くらい入れる塹壕タコツボを三つも作った。



「エアーストームッ! これで、敵の攻撃が当たる確率は低下するはずじゃ」


「アイスビームは効きそうに無いわ~~?」


「この魔法? 氷結魔草だな?」


「うわっ! 弾丸? 音がしなかったわっ! オクトパスフラワーも隠れているわ」


 リュージンは、敵の魔法に対抗して、大風魔法を唱え、威力と命中率を下げようと考えた。


 キャロルは、相手が自分と同じく、氷結魔法の使い手であるため、射ち返しても効果がないと思う。


 代わりに、他にも何か、攻撃手段はないかと思いながら、キャリッジ馬車の座席に身を隠した。



 飛んでくる冷凍ビームから逃れるべく、マグヌスとオラフィア達は、取り敢えず走りだした。


 そして、二人は中型ブレーク馬車と大型ブレーク馬車の間に隠れる。



「今のは、種だわっ! リーダー、お姉さまっ! 敵は氷結魔草とオクトパスフラワーですっ!」


「分かった、こっちは何とかするから隠れていろっ!」


「通りで、冷凍ビームに弾が飛んでくるワケねっ!」


「不味いっ! 弾の速度が早すぎて、対応できないっ!」


「これは隠れなきゃダメだわっ!?」


 オラフィアは、敵の危険性を知らせるため、馬車に挟まれた場所から叫んだ。


 一方、ジョージとミリカ達は、塹壕に入り込み、敵からの攻撃を避けようとした。



 彼らが真ん中の塹壕に入り込むと、アレリオは馬車部隊から左側にある穴へと逃げ込む。


 それと同じに、シャリルも飛び込み、激しい射撃から身を隠そうとした。



「キャロル、トライビームワンドを頼むぞっ!」


「うん、師承っ! 私たちも、射ち返してやなきゃねっ!」


 リュージンは、大風魔法により、発生した強風を強めながら徐々に後退していく。

 

 そうして、彼がキャリッジ馬車の陰に隠れると、キャロルは車内から飛び出していく。



 彼女は、牽引されていた三連魔導筒を掴み、旋回させた砲身から冷凍ビームを放った。


 もちろん、強力すぎる魔法攻撃は、氷結魔草やオクトパスフラワー達を凍らせながら吹き飛ばす



「すげえな…………? 一瞬で、凍らせながら粉々に砕いてしまった」


「アレほどの威力とはね?」


 塵と化して、風に吹かれて消えゆく敵を見て、ジョージとミリカ達は、塹壕内で驚いたまま呟く。



「ビョルン、ニウッ! そっちにも暗黒魔法で穴を開けるっ! だから、それまではキャリッジ馬車の後ろに隠れるんだっ!」


「ぐわっ! リーダー、了解しましたっ! このくらいっ!!」


『ドドドド♩♪ドドドド♪♩ドド~~~~♪』


「リーダー、分かりましたっと…………今度は弾? いや、これは種ね? これは当たる前に引き下がるべきねって、ビョルンッ! こっちよ」


 ジョージの命令を聞いて、ビョルンは魔法攻撃を続けていたが、右肩に種が貫通してしまう。


 発射音が鳴らない射撃は、地面や馬車などに当たっては、カツンカツンと小さな衝撃音を発する。



 ニウは、パートナーが怪我したことに気がつき、慌てて、彼の元へと駆け寄る。


 その間に、暗黒魔法により、二人が身を隠せる穴ができたため、そこに彼らは入り込む。



「みんなが不味いわねっ!? 大砲に弾と火薬を入れる暇すら無いわっ! 当たった」


『パンッ!』


「幻影魔法の魔獣たちが、そろそろ連中の場所に向かっているはずなんだが? お…………来たなっ!」


「ガウッ! ガウッ!」


「ギャウ、ギャウ、ギャウッ!」


「グルル」


「ガルルルル~~」


「ガササッ!?」


「カサカサッ!」


 オクトパスフラワーの種が頭上を通過していく中、ファビアンは弾道を調べた。


 そして、険しい目付きホロサイトを覗き、スナップハンスロック式銃で、敵を狙撃して倒した。



 マルセルが、放っていた幻影魔法により作られた狼たちは、森林地帯の右側に迂回していた。


 そして、植物モンスター達は、いきなり現れた猛獣に対して、慌てふためきながら葉を揺らす。



 こうして、形勢は多様な兵器や魔法を使う、アンデッド軍団側に傾いたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ