アンデッドはまた獲物を探しに山へ芝刈りへではなく魔物狩りに
「さあ~~て麓まであと少し、あの丘を越えればたどり着くな」
「はあ~~おなか減ったわぁ、今は何時なの? 誰かわかる?」
ジョージは歩きながら言うと、ミリカもそう言い始めた。
「午前1時30分、です」
「アレリオ、何で分かるの?」
アレリオが自分の腕を見て呟くと、ミリカは不思議そうに言った。
「あの? 腕時計を見ているので・・・」
「腕時計あったのかよっ!」
アレリオが小さな声で言うと、ジョージは驚く。
「えっ! 御二人共、俺とシャリルが、まさか腕時計を持っていないと・・・」
「いや、中世ぽいっ世界にも腕時計ぐらいはあるよな?」
アレリオが知らなかったのと言う雰囲気で喋ると。
ジョージは、ブツブツしながら言った。
「ジョージ様、お姉さま・・・御二人も、腕時計を御持ちになられてはいかがですか」
「ジョージ、私達も腕時計が必要よっ! て言うか腕時計欲しいわっ!」
シャリルが提案すると、ミリカはワガママを言う。
「ミリカ分かったから、テントに戻ったら、死体から貰おうな? 死体になった人間にはもう必要ないからな」
「そうしましょうか、取り合えず今は昼ご飯と晩ご飯の獲物を探さなきゃね」
ジョージは追い剥ぎもしなくてはここでは生き残れない。
アンデッドだから生きてはいないが。
そう彼は思った。
彼の提案を聞いたミリカは、その考えに賛同した。
「それにしてもさあ~~今は四人でドラクエみたいにパーティ組んでいるけどぉーー? ・・・敵が十人? 二十人? てったくさん出てくると、そろそろきついかなあって思うんだけど・・・」
ミリカの提案に対して、ジョージは確かに彼女の言う通りだと思った。
「ミリカ、前にもそう考えたよな? まあ、そうだな・・・テントの奴等の時はたまたま奇襲が成功して、敵の人数が多くても勝てたが毎度勝つとは限らないしな」
「アンデッドの仲間を増やすのでしょうか?」
少ないパーティーの人数。
ジョージもそれを気にすると、アレリオが質問してきた。
「でしたら、次に強い敵が現れたらその者を配下に加えてはいかがかと・・・」
「そう言う訳だな、新入りが入ったら皆で仲良くやってくれな」
人間の強敵を仲間にと、シャリルが提案する。
それを聞いたジョージは、三人に新しい仲間が入ったら大事にするようにと言った。
「それよりさぁ、獲物がこっちを睨んでいるんだけど・・・」
「グルルルッ」
ミリカは前方を指を指してそう言った。
前方には、巨大な岩山鬼ウサギが五匹も現れた。
彼等の体は、象のように大きい。
その体躯を素早くジョージ達に向け、五匹同時に突進を仕掛けて来た。
「来たぞ、魔法を放てっ!」
ジョージ達は魔法を放つが。
岩山鬼ウサギは魔法を避けて、怒り狂い、直も突進を続ける。
ジョージ達に迫り来る岩山鬼ウサギ。
後ほんの数メートルの所まで来た岩山鬼ウサギ。
その刻一刻と迫る突進攻撃が、遂にアンデッド達に・・・。