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同じ人数同士による激しい戦闘


「アレリオ、ニウ、続けっ! 左側から潰すっ! 後の連中は援護してくれっ!」


「うっしゃっ! これから本格的に反撃だっ!」


「リーダー、分かりましたわっ!」


 ジョージ達は走りだし、左側の馬車が並んだ敵陣へと、突っ込んでいく。

 それに続き、アレリオは大剣モンタンテを真っ直ぐ構えて突撃する。

 また、ニウも両腕を交差させて、顔をガードしつつ駆け出す。



「敵が来るぞーー!! アイツらを来させるなーー!!」


「奴等を狙えっ! 集中攻撃だっ!!」


「来るんだったら、白兵戦だっ!?」


「抜刀しろっ! 急げっ! 早くしないと一気に攻め込まれるっ!!」



キャラバン馬車。

 ワゴン馬車。

 キャリッジ馬車。


 ーー等が並ぶ。



 キャラバン馬車の周辺からは、ジョージ達を狙って、銃撃や魔法が飛ぶ。


 弓兵は、短弓を連射し続け、僧侶らしき男は光魔法を放ちまくる。

 他にも、馬車上に立っている銃兵により、ラッパ銃から無数の釘が放たれる。


 キャラバン馬車の中からも、激しい攻撃が何度も飛んでくる。

 幌の隙間から出た短杖から氷結魔法が放たれ、リピーター・ボウからは小さな矢が連射される。



「三人以外の人達は、左右から来る騎馬隊を倒せっ! リュージン、キャロル、右側の馬車を砲撃で破壊してっ! ファビアン、マルセル、二人も同じようにっ!!」


「分かりましたぞっ!!」


「じゃ、いっくよ~~~~!?」


「連中を殺るんだね、お姉さま、任せなっ!」


「狙いは奴らにっ!!」


 ミリカは命令を出しつつ、ジョージ達を援護せんと、馬上から火炎魔法を連発する。

 しかし、彼女以外の仲間たちは、左右から来る騎馬隊と射ち合いをする事に、手一杯だ。


 命令を聞いた仲間達も、指示通りに敵を狙って、射撃を加えることに集中している。

 それ故、ミリカのように後方からジョージ達に対する援護が出来ない。


 リュージンは風魔法を放ち、キャロルは三連魔導杖トライビームワンドの照準を敵に合わせる。

 マルセルも雷撃魔法を連発し、ファビアンは旋回式ファルコネット砲を動かす。



『ビュンッ! バキバキッ!!』


『ドンッ! ドカンッ!!』


 キャロルによる氷結魔法の力が込められた、三連冷凍ビームが、三連魔導杖トライビームワンドから飛び出る。

 それは、真っ直ぐウォーワゴンに向かって飛んでいき、木板に直撃した。


 ファビアンが、旋回式ファルコネット砲を操作して撃った一発の砲弾。

 それも、先ほど車体全体を氷に覆われた、ウォーワゴンに命中する。


 そうして、ウォーワゴンと、その裏から銃や魔法を撃っていた盗賊達は全て吹き飛んだ。



「一台、やったわっ! 私達は周りを掃討しないとっ!」


『ヒュゥッ!』


「掃討な……応戦するだけで、手一杯だがな?」


『ドォンッ!!』


 ウォーワゴンが破壊されたのを見て、シニッカは叫びながら直ぐに弓を引く。

 カブラルも、ブランダーバスから素早く散弾をぶっぱなす。



「ぐわっ!! 殺られ……」


『ドタッ! パカラッ! パカラッ!』


「ふぐっ!?」


 左右から迫る敵の内、左側から攻めてきた騎兵を、シニッカが放った矢が心臓を貫いた。

 射たれた奴は、そのまま馬上か転げ落ち、地面へと躯を横たえた。


 カブラルの撃った散弾は、道脇にある穴に下半身を隠していた、魔法使いに命中する。

 胸から顔にかけて、複数の弾丸が当たった奴は後ろに倒れつつ、穴に力なく下がっていった。


 チャリオットに乗っている二人は、こうして何とか左側からの攻撃を撃退する。



「くっ! このっ! 喰らえっ!」


『ドドドド♩♪ドドドドーー♪♩』


「く、くく来るなっ!」


『パチンッ! パチンッ!』


「攻撃が激し過ぎるっ! 一旦、下がるぞっ!」


 チャリオットの座席から、一人ビョルンは音波魔法を射ちまくる。

 機銃掃射のように、左右へと横凪に発射される音符弾は、敵に圧力をかける。


 ヴークも、馬車から飛び降りて、スリングショットを射ちまくって、穴に隠れた敵を狙う。


 こうして、右側でもアンデッド達は、勇猛果敢に迫り来る脅威を牽制する。



「ぐっ! 下がれっ! コイツら、不死身かっ! 負傷を気にしないっ!」


「不味い、押され始めたっ! 一度、馬車まで戻るぞっ!!」


 左右から襲撃してきた、騎馬隊や穴に隠れつつ射撃を繰り出していた、盗賊たち。

 連中は、徐々に激しい反撃に晒され始めると、持ち場を離れて馬車が並ぶ方へと後退していく。



『プスッ!』


「ぐ? ぅ…………」


「やったわっ!! 奴等、撤退し始めたっ!!」


「このまま、追撃しますわっ!」


『ボワッ! ボワッ!』


「うわっ! まだ、撃って来やがるっ!!」


「ひいいぃぃーーーーーー!!!?」


 コラプットから毒針を発射して、ヌルは逃げるギリスーツを着ている弩兵を倒した。


 ヴィカも、三股のロングスタッフから小さな暗黒球を、三つずつ連射する。

 それ等は、当たりはしなかったが逃げる敵を混乱させるには充分な効果を発揮した。



「逃がすかっ!! 追い回してやるっ!!」


「ギャウ、ギャウッ!!」


 ファレドは左側から、ヴーは右側から、後退している敵を追撃していく。


 こうして、アンデッド達の命も惜しまぬ反撃で、盗賊たちは形勢不利となっていった。

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