シニッカの話?
「・・・で、シニッカ? 二人の名前とか見た目は?」
「いったい、どんな感じなのかしら?」
「二人の名前は、ウルモ・キルシプー、ティウ・キルシプーですっ!」
ジョージはレフセを食いながら、ミリカはグラスに入った、アクアヴィットを飲みながら聞いた。
「二人は兄妹じゃなくて、親戚らしくて・・・ウルモは二丁拳銃使いで、ティウは優れた剣士で? 二人揃って、スウィーディン騎兵だったから馬の扱いも上手なんです」
自身の知人たちを、二人に説明する、シニッカ。
「騎兵か? まあ、俺達には必要だな」
「騎兵ね~~? ま、確かに必要ね?」
「ウルモは、カブラルのようにガッシリとしていて、さらに大柄な男ですっ! ティウも背が割りと高い上に、若くて明るい性格の女性です」
「二丁拳銃男と女剣士かぁ~~? 側面を任せられるな」
「小柄な女性・・・・・・ね、小柄な女性?」
一団の側面を護衛する役割を与えようかと考える、ジョージ。
えへへ~~ニヤつきながら顔を真っ赤にしつつ涎を垂らす、ミリカ。
「まあ、護衛役を任せるなら右側はソイツらに・・・左側はーーファレド&トリーネ達に任せられるな」
「ああ~~そうだったわ、トリーネちゃんの相手をしないとね」
新しい馬車部隊の陣形を考える、ジョージ。
捕虜である、トリーネの事を思い出す、ミリカ。
「ねぇねぇ? ウルモ、ティウって、どんな性格?」
「てか、詳しい話を聞かんと、どんな連中か分からんな?」
「他に情報は?」
「推薦するからには、実力は確か何でしょううが・・・」
質問する、キャロルとカブラル達。
同じく、二人の事が気になる、ニウとファレド達。
「まあ、まあ・・・? 一変に話しかけないでっば、今話すから」
「そんで、そんで?」
シニッカが周りを宥めつつ、はなそうとすると、ヌルは早く教えてと囃し立てる。
「ウルモは結構ガッシリした体だし、気も強いわ・・・けど女性には敵わないって感じね? ティウは自己主張がハッキリしているタイプね?」
ーーと、知人である二人の事を説明した、シニッカ。
「ガブガブ・・・ゴクッ!! んで、ソイツらを俺達に献上します~~と?」
「それで、どうやって二人を呼ぶのさ?」
「この先にある町で、二人に対して私達が会いに行くと言う手紙を出そうかと」
今度は、カップに入った水をガブ飲みする、ジョージ。
ツルコケモモ・ジャムを塗った、フラットブローを食べてから喋る、ミリカ
そんな二人に自らが立てた計画を話す、シニッカ。
「都市クオピオの近くに存在する町カーヴィーに寄って頂けるのでしたら? そこで、件の二人とは会えると思います」
「クヒオ大佐? 星のカービー? ぶべっ!?」
「それ、詐欺師の映画っ! アンタは星のバカービーよっ!」
シニッカが真面目に話しているのに、またもジョージは馬鹿を言う。
そんな彼の左頬に、ミリカが思いっきり振るった、ビンタがブチ当たる。
「えっと・・・今は二人とも、町で警備や護衛の仕事をしていると前に聞いたので」
「それなら腕を見込んでの勧誘だと、シニッカから誘えば一発で引っ掛かると」
「そう言うワケね?」
二人のギャグに困惑しながらも、シニッカは再び標的である人間たちの事を解説する。
ジョージとミリカ達は、彼女が語る捕獲方法を聞いて納得した。
「リーダー、ミリカさま、クオピオはフィラン地域の南東部側にあるんですが?」
「じゃあ、目的地とは逆方向ね?」
「仕方ない、当初の予定通り俺たちは北東に向かう、その後にクオピオには行く」
オラフィアが言った通り、クオピオは南部に位置する。
ミリカは、そこが自分達が目指す北部と反対にあると気づく。
なので、ジョージは目的地であるコラ半島に行く事を優先すると決定した。




