スタインバッケン?
スタインバッケンが段々と近づいてくる。
松明・ランタンなどの灯りが森より遠くから光っている様子が見えた。
木々の合間から見える、ややオレンジがかった黄色い明かり。
「あの左側に見える村も、明かりがキレイだな」
「そうね、でも近づいたら電灯の中で死んでる、ハエや蛾みたいになるわよ」
ーー等と、ジョージとミリカ達は呟きながらT字路を左に曲がらず、真っ直ぐ進んだ。
暫くは、アンデッドの一団も魔物に出会うことなく進み続けられた。
深緑の森に包まれた、谷間は先程よりも広々としており、冷たい風が吹いていた。
「そういや、さっきの男はどうした? ほら、C中隊は全滅だあーーーーの奴? てか、映画の名前はワンス&フォーエバーじゃなくて、プラトーンだったわ?」
「ああ、そうだったわね? と言うより、さっきの男は~~どっかで猫達に喰われたんじゃないの?」
と、ジョージとミリカ達が話していると、また遠くに白い看板を見つけた。
看板まで向かうと道がY字型に別れていた。
この先、グラディス、集落&キャンプ場。
そう看板には、右側に→と集落の名前が書いてあった。
「グラディスか、キャンプ場には行かねーー」
「左側に行きましょう」
ジョージとミリカ達は、左側に進む事にして、右側の坂を見た。
坂の先である、中腹には集落らしき物は何も見えなかったが。
そこより向こうに、グラディスがあるんだろうと二人は思った。
そして、左側の道を進もうとした彼等は橋が架かってある事に気がついた。
「はぁ~~? モアイ像が口から輪っかを吐く、グラディウスの反対は橋かよ」
「それ、ファミコンとリメイク版がGBで出たゲームッ!」
「ん? ・・・いったい何の話をしているのやら」
「リーダー、お姉さまは、たまに訳の分からない話をするからね・・・」
ジョージとミリカ達は、下らない事を語りながら馬を走らせ続ける。
アレリオとシャリル達も、何の話か分からないまま後を着いて行く。
「アレが、古代ローマ軍が使ってた、グラディウスか?」
「それは、ショートソードの方ね?」
(・・・これはまだ分かる・・・)
(・・・何で? マニアックな武器がギャグで? ・・・)
右側の山を見た、ジョージとミリカ達は麓にグラディスが存在することを確認した。
カート馬車に乗っている、アレリオとシャリル達は面倒なので突っ込まないようにした。
こうして、彼等は真っ直ぐ道を進みながら遠くを目指すと思われた。
だが。
「よし、もう今夜は進軍停止、左側の山に穴を開けて隠れるぞ」
「えぇ~~って、思ったけど確かに時間ね? 夜が開けるのは早いからね」
ジョージとミリカ達は、長旅で精神的に疲れた事と日の光を恐れている。
なので、穴蔵に隠れようと考えて左側にある山肌を見た。




