能力確認
ジョージとミリカ達は、ステータスを使って、ファビアンとマルセル達の新たなスキルを見た。
「ファビアンが獲得した能力は狙撃か? マルセルはーーあんまり見た目は変わらんが、能力の方は凄いな」
「そうね~~? これは、かなり使えそうだわっ! 幻影魔法だし?」
『新スキル、狙撃は射撃時に命中率を80%上昇、同時に狙撃準備中の手ブレを抑える』
『新スキル、幻影魔法、蜃気楼は、名前の通り幻影により様々な物体を発生させて、敵の認識を誤認させたり妨害したりする・・・例、逃げ水や霧蜃気楼を見せたりなど』
ジョージとミリカ達は、二人の能力を調べて呟く。
ファビアンは、狙撃能力が上昇した。
マルセルも、幻影魔法が強力になった。
「霧蜃気楼って、何だろうね?」
「アレか? 昔テレビや爺と一緒に港に行って見たわ」
ミリカは新しい能力として、マルセルが得た霧蜃気楼が気になった。
それに関して、ジョージは何か知っているらしく、話し始めようとする。
「テレビのも~~確か見たヤツも港だったが、うっすらと影が海上に現れるんだわ」
「影が?」
ジョージは昔見た内容を、ミリカに話す。
「ああ・・・港の小さなビルや倉庫と言った物がな? まあ他に蜃気楼にゃ物体その物を見せたりと色々な? 逃げ水は見た事あんだろ?」
「逃げ水って、アレかしら? 長い道路の先に水溜まりが見えるんだけど、近づくと逃げるように移動したり消えてしまうヤツかしら?」
蜃気楼の影について色々と語る、ジョージ。
逃げ水を見た事があると話す、ミリカ。
「それな」
「リーダー、と言う事は道端に湖を出現させたり、建物を出現させてしまうことが可能だと?」
「二つに別れた道の左側に逃げ水を用意して、右側に我々が奇襲のために潜む事も・・・」
ジョージが呟くと、アレリオとシャリル達が新スキルを使った作戦を提案した。
「なるほど、例えば~~マルセルが街道に幻の町や逃げ水を出現させる」
「そうして、馬車が止まったり、脇道に入ろうとした瞬間に、ファビアンが狙撃しちゃうと」
「他にも、色々な使い方ができるでしょうね? 逃げ水で魔物を誘き寄せたり、逆に町を出現させて追ってくる魔物に追撃を諦めさせたり・・・」
「レベルが低い奴ならば、それで事足りるわ・・・もし幻影が強い魔物が相手なら私の狙撃でっ!」
ジョージとミリカ達も、アレリオが提案した作戦の内容を聞いて、アレコレと考える。
その結果、マルセルとファビアン達が、コンビで敵に罠を張り、奇襲を仕掛ける事を思い付いた。
当のマルセルは、対魔物用として自身が使う魔法を活用する方法を考案する。
ファビアンも、ミュケレットロック式銃をサッと構えて、ホロサイトを覗く。
「とまあ~~? 今二人が言った通り、活用方法は人や魔物相手に使える」
「それは分かったけど、ここから早く離れましょう・・・奴らの死体が他の魔物を呼び寄せるかも知れないしさ」
「・・・死体の血肉が発する匂いにつられて、より厄介な魔物が現れるかも知れませんし」
「リーダー、ミリカ様とシャリル達の言う通りですっ! 死体の回収は残念ですが、ここは離れて進みましょう」
ジョージが呟くと、ミリカは今居る場所から離れるように進言する。
シャリルも新たな敵の襲来を予見し、アレリオも直ぐに移動を開始するべきだと言った。
「うんだな~~うんだなーーと? 西に向かって移動するか」
三人の意見を聞いて、ジョージは西に顔を向けた。




