襲いくる猫達による人海戦術?
『ボアッ!!』
『カチッ!』
「ギャッ!?」
「グェッ!!」
火炎魔法で背中を焼かれた、スノーブッシュ・キャットは地面に倒れて激しく暴れる。
氷結魔法を喰らった、スノーブッシュ・キャットは脚を凍らせれて身動きが取れなくなる。
『パンッ!』
「そっちからも来たのかい?」
『ドォンッ!』
「もちろんだぜっ!!」
ジョージ側から来る敵を、ファビアンがミュケレットロック式銃で狙い撃つ。
ミリカ側に迫る敵は、カブラルがブランダーバスの散弾で牽制する。
「ガウッ! ガウッ!」
「喰らえっ!」
「とうとう、ここまで来たか・・・」
もう数メートル手前にまで迫った、スノーブッシュ・キャットの群れ。
スリングショットを放つ、ヴーク。
風魔法を放つ、リュージン。
二人の攻撃を上手く掻い潜った、スノーブッシュ・キャット達。
それを見て、アンデッド達は、これ以上魔法で戦うのは得策ではないと格闘武器を手にした。
「グルルルルルルッ!」
「ガオオオオッ!!」
「はっ!」
「来るなーーーーーー!!」
「喰らえっ!」
「邪魔よっ!」
馬車の上に飛び乗って来た、スノーブッシュ・キャットは、リュージンに偃月刀で斬られた。
ヴークは、迫り来る複数の群れに、ダガーナイフを振り回す。
カブラルは、ブランダーバス上部に備えられた折り畳み式の銃剣で身を守る。
ヴィカも、ロングロッドを素早く振り回して必死に抵抗する。
「乱戦になったわねっ! フレイムッ!」
『ボッ! スッ!』
「ギャ?」
「グアッ!!」
ミリカは、右から襲ってきた敵を火炎魔法で撃退し、左からの敵はレイピアで首を跳ねる。
「そっちの方が早く来たんかっ!」
ジョージ達の方にも、スノーブッシュ・キャット達が、砲撃や射撃を避けつつ近づいてきた。
彼は、ショートソードを鞘から抜き取り、ダンゴムシ型の盾を転回させる。
「グルルゥゥ~~~~❗️」
「グゥーー!!」
「ガルルゥゥゥゥーーーー」
襲いくる敵の群れを、ジョージとミリカ達は手に持った武器を振るって倒す。
「来るなっ! 来るなっ! うわあっ!」
「ビョルン、五月蝿いわよっ!」
白兵戦用の武器を持たない、ビョルンは慌ててニッケルハルパを振り回すばかりだ。
一方、そんな彼を守ろうと左右から襲いかかってくる敵を、ニウは撃退しまくる。
『ドスッ! ボカッ! ガキッ!』
殴ったり、蹴ったり、叩いたり、スノーブッシュ・キャットはニウの格闘攻撃で蹴散らされる。
「ニウ、ありがとうっ!」
「ビョルン、気を抜かないで」
礼を言って安堵する、ビョルンに対して、ニウは彼方此方から飛んでくる敵を蹴散らしつつ戦う。
「だいぶ数を減らしたとは言え、厄介な連中だな・・・」
「まだまだ気を抜くには早いようね?」
アレリオの言うとおり数こそ減ったが、未だスノーブッシュ・キャットは暴れまわる。
走る勢いを落とさず、戦い続ける勇猛な連中に、シャリルも感嘆する。
「これでもっ! フッ! あ、後ろからもっ!」
「ギャヒッ?」
吹き矢コラポットから、ヌルは毒針を吹いて、一匹のスノーブッシュ・キャットを倒す。
次いで、背後から飛びかかってきた奴を予備武器である、短剣を抜いて首に深々と刺して仕留める。
「どうかしら、クリスの鋭さは?」
ヌルが、腰をぶら下げた袋から取り出したのはクリスと呼ばれる短剣だ。
波打つ炎のように美しい刀身が特徴的な武器だが、これを彼女は右手に握る。
「ギャッ?」
「死んだか・・・」
「グア~~!?」
「黙りなさいってのっ!」
アレリオは長剣モンタンテで敵を斬り捨て。シャリルもメイスによる一撃を敵の頭部に叩きこむ。
「ガルルルルッ!」
「ガルルッ! ガウッ!」
ようやく、後は数匹となったところで、スノーブッシュ・キャット達は退却し始めた。




