今日はロッキランドへーー?
「んっ? 朝か・・・いや夜中か?」
目を覚ました、ジョージは食堂と化した洞穴の最奥を目指す。
「ん、リーダーじゃないですか? お早う御座います」
「おっ! オラフィア」
たまたま奥に居た、オラフィアが声をかけてきたので、ジョージも手を振る。
「昨日の飯は美味かったな、んで今日は南下するが、次行く目的地は?」
「次に向かう村はロッキランドです、ここから近く、直ぐに到着できますよ? その向こうにはキャンプ地ストールヨールが有ります」
ジョージは、次に行く場所を決めてなかったので困った。
だが、オラフィアが代わりに村の名前を言ってくれた。
「他にも、集落や冒険者や交易商人が集まるキャンプ地が有りますし・・・」
「そうか、じゃ今日も補給しながら遠く、ロッキランド&ストールヨールに行こうか? そこが今夜の最終目的地にしようか」
ログナンから、ロッキランドやストールヨールまでの間には他にも人が住む地がある。
幾つかの集落やキャンプ地に加えて、農場や山小屋と言った建物が街道には点在する。
オラフィアも、普段は漁村から離れた事は余り無かった。
だが、たまに遠出したり地図を何度も見ているので、大体の道筋は分かる。
ジョージは彼女が言った遠いキャンプ地を今夜の終着地点にした。
「リーダー、ストールヨールは南下する道と東進する道に別れてますが、どうしますか?」
「南下した場合は? それと、東に行った場合は?」
(・・・あ? やべっ! 質問を質問で返してしまったっ!? ・・・)
オラフィアの質問に対し、ジョージは質問で返す。
それは、答案用紙に0点を付けられてしまう行為だ。
「南下したら最終的に、ノルウィンの南方最大の港湾都市オスロに行き着きます・・・東進すると、湿地帯のフィラン地域、更に向こうにある北の大国と言われるオスクワ大公国に到着します」
「海を越えようにも、俺達はアンデッドだし、都市に近寄るのは不味い・・・じゃ、湿地帯に向かうしかねぇな」
ーーだが、そんな事なぞ、ジョジョを知らないオラフィアからすれば何の関係ない。
故に、彼女は普通に質問に対して行き着く先の名前を答えた。
ジョジョ・・・成らぬ、ジョージはオスロにて正体がバレてしまう事を恐れる。
よって、湿地帯フィランを通過し、東の国オスクワ大公国を目指す事を考えた。
陸路なら、幾らでも山森と土中に隠れる事が出きるからだ。
「はい、私達はリーダーに着いていきますっ!」
リーダーに対しての忠誠心を見せた、オラフィア。
だが、そんな彼女の正面に立つ、ゾンビより後ろから女吸血鬼が歩いてくる姿が見えた。
「何やってんの? 二人とも? はっ! まさか、浮気・・・」
「な・・・ワケねーーだろ、バカ女っ! 冗談吐くのはマイケルだけにしてくれや」
そこへ現れたのは、当然ミリカである。
彼女の冗談には、後ろに振り向いた、ジョージが勿論反論しつつ下らない駄洒落を返す。
「マイケルは、ジャクソンでしょって話は置いといて、今日もレフセ&クネッケを食べましょ~~♥️」
ミリカは、駄洒落を全く気にせず、涼し気な顔で喋った。
「んだな、んだな、さっさと食うか」
「そうしましょっ! そうしまっしょっ!」
(・・・この二人? ノリが良すぎるわ・・・)
ジョージとミリカ達は、飯の時間だと笑顔で騒ぎ出す。
そうやって、バカゾンビ&アホ吸血鬼が漫才するのを、オラフィアは若干引きながら見ていた。




