リヤカー見たいに馬車を引っ張る六人のアンデッド達
オラフィアとキャロル達は、ドクター馬車を引っ張って先を歩く。
リヤカーのように、チャリオットを引っ張る四人。
リュージンとファレド達。
シャリルとヴィカ達。
「長い道のりでしたが、ようやく町に来ましたか」
「やっと町だ~~この時間なら、まだ道具屋も開いているね」
オラフィアは、ログナンの灯りを見て呟く。
キャロルは、後ろのドクター馬車に山積みにした甲羅を見ながら呟く。
「これだけ、甲羅を売れば多少は軍資金になるわ」
「それで服を買おうよっ!」
甲羅の山が沢山。
それを見つめる、オラフィアは財布の中身が増えると考えた。
キャロルは増えた金で色んな服を買いたいと思う。
女の子は、オシャレが大好きだ。
ログナンは民族衣装もきっと沢山あるだろう。
いったい、どんな民族衣装があるか、彼女は期待に胸を踊らせた。
「分かってますよ、でもその前に食料も買いましょうね?」
「うん、美味しい物をいっぱい買おう」
オラフィアとキャロル達は、笑顔で話す。
ログナンには、長期保存が可能な食料も沢山だ。
帰る頃には、馬車の座席は買い込んだ食料の山で満杯に成るだろう。
そう考える、二人は笑みを浮かべたまま、ログナンの入り口へと向かった。
入り口と言っても、看板が有るだけで門とかは別に無かった。
前日のファウスケとは違い、ログナンは小さな家屋が並ぶ。
平屋、二階建て。
どちらにしても、三角屋根の家が多い。
細長い建物も数件並ぶ。
町を歩く人は少ないものの活気はあるようだ。
既に、夜七時頃になるが、どの店もまだ開いているらしく明かりが見える。
通りを歩く六人は町の中心部にまで来た。
「オラフィア殿、道具屋はどちらに?」
「うぅん、あっ! あそこです」
リュージンは、オラフィアに店屋を尋ねる。
彼女は、キョロキョロと辺りを見渡して細長い建物を指差した。
「あの店です」
オラフィアが指差した細長い建物は、右側が道具屋で、左側が魚屋だった。
「先ずは道具屋で、亀の甲羅を売りましょう」
「その後は魚屋で食料を・・・他に店はあるかしら?」
「まあまあ、とにかく入ろうよっ! ごめん下さぁい?」
話し合う、オラフィアとシャリル達。
そんな二人を差し置いて、キャロルは先に道具屋に入った。
「いらっしゃい? 何のようだい」
「洋服はある? それから亀の甲羅を買い取って、後それから・・・弾薬とか矢とか・・・」
中年で、薄黄茶髪の店主は、キャロルを歓迎する。
奥にある、カウンターに立っている店主。
その前には縦に、二列並んだ木製商品棚があった。
「亀の甲羅をね? お客さん冒険者かい、それなら砕いて肥料にするかな、銃弾と矢はそこの棚だよ・・・洋服は・・・残念だけど無いね?」
「そう・・・無いのね? 分かったわ・・・じゃ、弾薬と矢を有るだけ買おうかな」
店主の言葉を聞いて、キャロルは残念そうな顔を見せる。
『ガチャ』
「亀の甲羅を持って来ましたぞ」
「これは薬の原料に使えますよっと」
「これを運んで」
「運ばなきゃ、運ばなきゃ」
「全部運んでねっとさ?」
その時。
リュージン。
ファレド。
オラフィア。
シャリル。
ヴィカ。
ーー達が扉を開いて、亀の甲羅を持って店内に来た。
「うわ、こんなに・・・」
余りにも、数が多い亀の甲羅に店主は驚くばかりであった。




