表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
618/683

夜道を進む


 ガルボルグと別れてから、オラフィア達は仲間と合流した。


 彼女達は、ジョージとミリカ達の前に近寄る。



「済みません、遅くなってしまいまして」


「彼女の隣人を騙すのに手間取りまして・・・」


「そうか、なら、仕方がないよ」


「そうよ、仕方がないわ・・・」


 戻るのが遅れた事を謝る、オラフィアとシャリル達。

 しかし、ジョージとミリカ達は遅れた事は気にしていなかった。



「それより、先に行きましょう」


「はい、お姉さま」


 ミリカは些細な事より、先に進む方が大事だと思っていた。

 彼女から命令を聞いて、シャリルが返事をすると、他の仲間達も自分が乗る馬車に座る。

 こうして、アンデッド達は再び街道を通って南部を目指す。


 勿論、先頭は、オラフィアとマグヌス達だ。


 二人は、この辺りを通った事があるから地形に詳しい。

 ーーと言うワケで、そのまま先導を頼む事にしたのだ。



 街道筋を通れば魔物による襲撃は少ない。

 だが、それでも時おり何らかの障害や襲撃者は出てくる。


 それを考慮して、アンデッド達は気を抜かない。


 左右の端に、まばらな木々が生えた街道。

 その奥は雑木林で、魔物が潜んで居そうで気味が悪かった。



「ねぇ? 今夜は何処まで進むの? 私達は身を隠さなければ朝には身を焼かれて・・・」


「二人とも、身を隠せそうな宛はあるか?」


「はい、それなら・・・森とか?」


「この地方は森が多い、だから木々の中に身を隠せる」


 後ろから、ミリカが声を掛けると、ジョージも二人に質問してきた。

 それに対して、オラフィアが答えると、より詳しくマグヌスは説明した。



「なるほど、確かに森の中なら俺のダークボールで穴さえ掘れば何とかなるな・・・」


「なら、安心だけど・・・それにしても風が強いわね?」

 

 何とかなるかと思い、ジョージは呟く。

 その隣では、ミリカが西から吹いてくる潮風を感じた。


 街道を南下しながら進軍する、アンデッド達。

 彼等の行く手には、右手には森が、左手には山々が広がっていた。


 景色は雄大で美しいが、見とれている暇は彼等にはなかった。



 それから、大分時間は流れて、もう今日は休もうかと、アンデッド達は考えた。



「魔物の襲撃はなかったな・・・だが、今日は休もうかと思うんだが」


「ねぇ? それなら、アッチの山の麓を目指さない? あの麓には木々も生えているしさ」


 そろそろ朝日が昇る時間だ。

 これは不味いと考えた、ジョージ。


 しかし、そんな時に、ミリカが近くの山を見つけた。

 余り高くない山だが、彼女の指摘通り、穴を開ければ中に入れそうだ。


 周りも森が囲っているし目立たない。



「確かにそうだな、木の少ない場所を通れば大丈夫そうだな・・・よし、マグヌス、オラフィア、あの山の麓を目指すぞ」


「あの山ですね」


「分かった、行こう」


 ジョージの指示を聞いた、オラフィアとマグヌス達は指示通り、山の麓を目指した。

 二人は、ブレーク馬車で森の入り口へと仲間達を先導する。


 開けた森の入り口は、一台ずつなら大型馬車も通れそうだ。


 そこに、アンデッドの一団が入る。

 彼等は森奥にある山の麓に向かう。

 森にある、木々の根本は苔むしており、彼等はそれを見ながら進んだ。



「おし、ここで穴を開ける・・・ダークボール、ダークボール、ダークボール」


「リーダー、私もお手伝いします・・・ダークボール、ダークボール」


 山の麓にある丸く膨らんだ部分に、ジョージが暗黒魔法を何度も放つ。

 同じく、暗黒魔法を行使する事ができるヴィカが、彼の右隣に立つ。

 そして、三連装であるロングスタッフの先から暗黒魔法を何発も放った。


 めり込んでいる黒い玉は、山に丸いトンネル状である穴を開いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ