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旅するアンデッドは街道を行く


「もうすぐ街道だわ」


「そうだな・・・」


 集団の先頭を走る、オラフィアが乗る細型ブレーク馬車と、マグヌスが乗る太型ブレーク馬車。


 左右を、樹木である白樺シラカバに挟まれた街道をアンデッドのパーティーは進む。

 舗装された土の道路を行く、彼等は悠々と馬車を走らせる。

 彼等は敵の襲撃を受けず、運よく村近くにある浜辺にまで来る事ができた。


 浜辺の村に多数ある家は木造小屋が多く、小さな漁村である事が分かった。


 灰色の浜辺には、漁具である大きな網や浮き玉が散乱している。


 その背後にある草村には木造小屋が立ち並ぶ。


 更に後ろ、その後ろと小屋が三段に立ち並び、合間には緩やかな坂があった。

 小屋の色は、赤や青や黄や緑と派手な色に壁や屋根は塗られていた。



「着いたな、お姉さま・・・私とマグヌスだけで行って来るので、皆様には待ってて貰い・・・」


「分かったわ、早くしてね?」


「オラフィア、マグヌス・・・なるべく目だたないようにな」


 オラフィアは細型ブレーク馬車から飛び降りると、後ろの二人に向けて頼む。

 彼女の頼み事を聞いた、ジョージとミリカ達は大人しく待つことにした。



「リーダー・・・では、行ってくる・・・」


 マグヌスも、ジョージに返事を返すと、オラフィアと一緒に村の端まで歩いて行った。


 二人は村から少し離れた木造小屋に向かう。

 オレンジ色に塗装された小屋の正面にまで二人は来た。



「ふぅ~~・・・何時も世話になっていた君の小屋だな?」


「そうね・・・でも、これからは暫し、お別れよ」


 扉の前で呟く、マグヌスとオラフィア達。

 それは、彼等も住み慣れた家を離れるのは、やはり寂しいからだ。


 やがて、彼等は小屋の中に入る。



「旅支度ね? 着替えの服を持って行きましょう」


「それから、必要な物は・・・余り無いな?」


 オラフィアは家の奥に向かい、三つある扉から一番左側にある扉を開ける。


 そこは彼女の寝室なのだ。


 彼女は部屋の中で、右端にあるベッドとクローゼットに向かう。


 クローゼットを開いて、彼女は茶色いケースを出してベッドに置く。


 そして、再びクローゼットの中から衣類を取り出すと、纏めてケースに容れていく。


 また、彼女はケースの上で紙に何かを書いた。



 一方、マグヌスはと言うと、自分の部屋に入ると。

 左側、壁際ベッドの右側に位置する、クローゼットに向かう。


 彼は、クローゼットを開けて少ない衣類をケースに容れる。

 それが終わると、今度は左側の棚から何本か瓶を取り出す。


 それを、ケースに容れると彼は立ち上がる。



「オラフィア、俺の方は終わった」


「私もよ、さあ、行きましょう?」


 マグヌスとオラフィア達は、村に住む人達に見つかると、面倒なので姿を見られる前に自宅を出る。



「これで・・・よしっ!」


「じゃあ、行くぞ」


 泥棒に入られると嫌なので、オラフィアは鍵を掛ける。


 それを見て、マグヌスは仲間の元に戻ろうとする。


 しかし、オラフィアは。



「待って、お隣のガルボルグさんに手紙を・・・私達が遠出するから暫くは帰ってこられないって伝えないと」


「そうだな、じゃあ手紙を頼む、俺は君の分もケースを持っていく」


 オラフィアが、隣の家に手紙を届けようと、言い出すと。


 マグヌスは、彼女からケースを受け取る。

 それから、彼はジョージ達の元へと急いで走って行った。



「はぁ・・・さっさと行ったわね、じゃあ私はガルボルグさんに・・・」


 オラフィアは一人、お隣のガルボルグさんの家を目指す。

 彼の家はかなり離れた位置にある、青い屋根と黄色い壁からなる家だ。

 テクテク歩く彼女は、面倒な置き手紙をポストに入れて置こうと向かった。

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