朝飯食って出発だっ!
鼻孔を擽る良いに釣られた、二人が向かって行った先。
そこでは、ロック・タートルが丸焼きにされていた。
こんがりと焼ける良い匂い。
どうやったのか、分からないが。
甲羅を叩き割られた、ロック・タートル達の無惨な姿が見える。
既に凍死していた連中だが。
今は丸焼きにされ、オレンジ色に燃える炎に熱せられている。
串刺しにされた彼等は、下から炎に炙られていた。
「何かしらって、亀を焼いているのね?」
「私が倒した昨日のロック・タートルだっ!」
「おう、二人とも・・・もう起きたのか?」
「どうかな、美味しそうでしょう?」
ミリカとキャロル達が、ロック・タートルの姿を見て、呟くと奥の方から声がした。
誰かと思う二人だが、左側からはアレリオが、右側からはカブラルが出てきた。
「ええ、カブラル? アレリオ?」
「二人は朝ご飯の準備をしていたんだぁ?」
「そうだぜ・・・これから、もう少しで出来るからな?」
「そしたら、出来たてを運びますから」
カブラルは近くから包丁を持ちだし、アレリオは皿を取り出す。
二人の邪魔をしちゃ悪いと思った、ミリカは食堂に行こうと考えた。
ここに居るより、向こうで待っている方が良いと判断した、彼女はキャロルを連れていく。
「分かったわ、キャロルちゃん・・・邪魔しちゃ悪いし行きましょう」
「うん、そうね、行きましょーー」
こうして、ミリカとキャロル達は食堂に向かうのだった。
「はぁ・・・暇ね? はぁ~~」
「そうだよね? はぁ~~眠い・・・Z」
食堂に来た、ミリカは椅子代わりの木箱に座り、キャロルも同じように彼女の左側に座る。
それから、欠伸をしながら二人の意識は微睡みの中へと堕ちて行く。
机に突っ伏して眠る、彼女達は仲良く食堂に仲間達が集まるまで、夢の世界を旅するのだった。
「おいっ! おいっ! 起きろ、飯の時間だぞ、吸血鬼の女王様っ! 幽霊のお姫様っ!」
「んにゃ? 誰よ・・・」
「ふにゅう? 何々?」
ジョージの声が聞こえてきた、二人は目を覚ます。
寝惚け眼のまま起き上がった、ミリカはゾンビである彼が目に入る。
キャロルも身体を重たそうに起き上げると、周りを見渡す。
「飯の時間だぞ、何時まで寝ているんだよ?」
「あら、そう・・・」
「ご飯の時間~~?」
ジョージに起こされてしまった、ミリカとキャロル達。
二人は、周りを仲間達が囲んでいるのを目にする。
「お姉さま、キャロル、ロック・タートルのロースト肉とカッターバードの肉シチューですよ」
「グリーン・リザードの肉団子もあるわよっ! それと、リンゴ・ジュースもねっ!」
シャリルとニウ達は、料理を載せたトレーを運んできた。
「わぁ~~? 美味しそーー!」
「だろ? じゃあ、飯にすんぞ」
出された料理を喜ぶ、キャロル。
朝飯の時間だと告げる、ジョージ。
「そいじゃあ、頂きますっ!!」
全員がそう言って、肉料理を食べ始めた。




