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もう仲間だ、手荒には扱わない


「マグヌス、お前は自分でも良く分からないだろうが、もう仲間だからな・・・手荒には扱わない」


「分かった・・・」


 ジョージに話し掛けられる、椅子代わりの木箱に座った、マグヌス。


 彼は一言だけ静かに答えた。



「俺も良く分からんが、吸血鬼に噛まれた者が吸血鬼に成るように、お前はアンデッドと化した・・・オラフィアもだ・・・だから、これからは俺に従うな?」


「従うしか無い・・・それしか・・・」


 ジョージの細かい説明に、それを聞いていた、マグヌスは少し呟くと黙ってしまう。



「今はまだ納得がいかないし、モヤモヤするかも知れないが、そう言うもんだからな・・・」


「まぁ~~その内、打ち解けるわよっ」


 ジョージとミリカ達は、そう語るのだが。

 マグヌスも、他の仲間達も黙ってしまったまま食事を取るしかなかった。

 その後、彼は一人何も食べる事なく、食堂から離れ、馬車がある方へと行ってしまった。



「奴は行ってしまったか・・・でっ明日の事なんだが・・・」


 居なくなった、マグヌスを心配するジョージだったが。

 今は、先に会議を進めねばならず、それを優先する。



「明日は・・・ヌルとファレド、シニッカとカブラル、ファビアンとマルセル、リュージンとキャロル、それにマグヌス達に外に出て貰うわ」


「じゃあ、シャリルとアレリオ達には、スケルトンから話を聞いて貰うか」


 ジョージとミリカ達は、仲間達に明日の予定を話し、会議を御開きにする。



「これで会議を終える、それじゃ明日な?」


 ジョージが会議終了を宣言したので、各々は寝床である船へと歩いていく。

 その中で、誰も居ない静かな空間の食堂で、ジョージは一人考え事をしていた。



(・・・明後日からどうするかな? 何も考えてねぇな? ・・・ヤバイな・・・)


 彼は、明日の予定は考えていたが、それ以降は予定を全く考えていなかった。

 しかし、このまま方針を立てずに居るのは不味い。

 なので、一人静かな馬車となった食堂で思案しているのだ。


 明日以降の予定。

 先ずは、オラフィアを仲間に引き入れ。

 ここから、出発しなければ成らない。



「目指すはスウィーデン? スウェーデンだっけ? ・・・の遺跡に行かなければ・・・」


 名前を正確に覚えていない、ジョージ。

 彼は、行き先である場所の名前すら、きちんと言えなかった。



「・・・兵器で持っていけるのは・・・」


(・・・三連魔導杖トライビームワンド? 収束式魔導筒チブッ・メイジ・コンヴェルジュ? 拡散式魔導筒チブッ・メイジ・ドゥ・ディフィジョン? 魔導雷雲発射砲《マジシャン・ゲヴィッターヴォルケ・ピストーレ・アップ・フォイエルン》・・・)


 しかし、ジョージは兵器の方は何とか覚えていた。

 その名前を思いだしながら、どれを持っていけるかと彼は思案する。



(・・・旋回式ファルコネット砲・・・セーカー砲・・・オナガー? スリングショット・・・ビッグスリングショット? 水平型リヴォドゥカン? 八の字型リヴォドゥカン? バリスタ・クアドロティス・・・ポリボロス・・・)


 結構な数の兵器を持って行きたい、ジョージ。

 彼は、兵器の数と誰が乗る馬車に積もうかと悩んだ。



「確か、兵器の台座は馬車に牽引出来るようにしてあった筈だな・・・後はワゴンに載せたりもできるな・・・」


 ジョージは、台座に載せた兵器が馬車に引っ張れる事を思い出す。


 こうして、彼は馬車に兵器を搭載する事を思いついた。

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