背後から・・・誰かな?
「キラーウルフとヴーク達より、女連中は・・・んっ?」
「リーダー、飯の準備が出来ましたよ?」
ジョージは帆船に向かった、ミリカ達の事を考えようとしたが、後ろからファレドが現れた。
「何時もの、チーズフォンデュとベーコンスープです」
「ベーコンスープには、ニードルクラブとキャノリーハーミットクラブの肉と、首閉めワカメを入れました」
「チーズフォンデュには、ジャンピング・オクトパス&お化け貝の肉を入れましたっ!」
テーブル代わりの木箱。
その上にトレーに載せた、チーズフォンデュの皿とベーコンスープのカップ。
それを、ファレドはそっと静かに置く。
マルセルとビョルン達も同様に、木箱上に食事を静かに置きながら、料理の具材に使った食材を説明する。
「おお~~そりゃあ美味そうだなっ! じゃあ女連中も今ごろ仲良く遊んでいるだろうし、俺達も飯にしようか」
「ちょっとっ!? 私達も居るわよ?」
ジョージ達の背後から、急にミリカ達も現れて、彼に声をかけてきた。
「おっ? そっちは終わったのか、まあ、食えや飲めや」
「そうするわ、じゃあ全員集まった所でご飯を頂きましょう」
こうして、ミリカ達も食堂に集まり、チーズフォンデュ&ベーコンスープを全員で食べる事になった。
「あっ! 良い匂いがするから来てみればっ!」
「キャウンッ! キャウンッ!」
キラーウルフの背中に乗った、ヴークが現れて全員が彼と一匹に注目する。
特に、狼を捕まえた事を知らなかった女性アンデッド陣は、急に現れた魔物に驚いた。
「あっ! いけないわ?」
「皆に伝えるの忘れてた・・・」
ヴィカとシニッカ達は、二人して仲間に魔物の事を言い忘れていた事実に気がついた。
「ヴークッ!? その狼は何? ねぇ? 何なのよ?」
「狼っ! 敵!? じゃ・・・無さそうだけど?」
「わぁ~~!? 良いなぁーーーー♥」
ミリカ、シャリル、キャロル達。
三人は、目の前で走るキラーウルフを見て、何処から連れてきたのかと思う。
「よっと! あれ・・・お姉ちゃんから言わなかったんだ?」
「それより、ヴーク? そいつは大丈夫なのかい?」
ヴークは皆が既に、キラーウルフの事を知っていると思っていたが。
それを知らない、ファビアンは取り合えず話を聞こうとした。
「そいつじゃないよ、ヴーだよ」
「キャンッ! キャンッ!」
「ヴー? ・・・自分の名前から取ったんだね」
名前を決めたヴークが、ヴーの頭を撫でる。
すると、ヴーは嬉しそうに目を瞑って、彼のスボンに頬を擦り付けてきた。
それを見た、ファビアンは微笑ましい光景だなと思い、飼うのは禁止できないと考えた。
「ねぇ~~ヴークばっかりズルいっ! 私もぉーー♥」
「きゅぅんっ♥」
キャロルにも、顎を撫でられた、ヴーはまた嬉しそうに顎を前に出して喜ぶ。
その様は、まるで子供に撫で撫でされて、幸せな表情を浮かべる、秋田犬や柴犬みたいだ。
「きゅうん♥」
「はぁ~~? ・・・でっ? どうするのよ、このワンコ・・・」
「どうするのも、こうするのもねぇよっ! 飼うしか無いだろう」
二人に撫でられ続けて、恍惚の表情を浮かべるヴーを見て、ミリカは大きく息を吸い込むと。
一気にため息を吐いて、どうするのと言って、ジョージを問い詰めた。
すると、彼は飼うしか無いだろうと無責任発言を口から放つ。
さらに、後は放任主義ですからと言う、子供やペットの世話をしないダメ親父みたいな、態度を取る。
「はぁっ! 餌はどうするのよ、餌はっ!」
「餌はヴークが用意するってよっ!」
二人が騒ぐ様はまるで、ちび丸子に登場する母親&父親である、すみれ&ひろしの夫婦喧嘩みたいだ。
こうして、ミリカとジョージ達は言い争って、激しい口論を展開し始めた。




