★ 外科手術と言う名の・・・
「さて、オラフィアちゃんは何処に?」
「あそこに寝せられてますよ?」
扉を開けて部屋の中に入った、ミリカとファビアン達。
二人は奥に設置された、三つある木箱上に載せられた、オラフィアの体に目を向ける。
目を瞑ったままの美しい顔。
色白の肌。
大きな胸。
細い手足。
スレンダーな体。
「う~~? こうして見ると中々の美人ね・・・」
「はあーー? こりゃ、飛びっきりですね」
美しい人形のようなオラフィアの体に目を奪われた、ミリカとファビアン達。
二人が運んできた拘束具を、オラフィアの頭側に置くと、急に扉が開かれた。
「あら、お姉さま? まだ彼女をアンデッド化させてないのですね?」
「早く、アンデッド化させて、彼女を驚かせてっ! ウフフ♥」
そこに現れた、キャロルとヌル達。
彼女達も、自らの欲を満たす餌を求めて来たワケだ。
「キャロルちゃん、ヌルちゃん、二人が来たのは良いけど、お薬もまだだからね?」
「新しい仲間の誕生はもう少しだけお預けって訳さ?」
「ぶーー! キャロル、もう我慢できないよーー」
「あらあら、キャロルちゃんたらっ♥」
ミリカとファビアンは準備が済んでからだと告げると。
キャロルは怒り出したが。
直ぐに彼女の背後から、ヌルはそっと抱き着き、勢いよく頬擦りした。
「そんなに我慢ができないって言うのなら、私と遊びましょうよ♥」
「ヌルお姉ちゃん・・・♥」
「あっ! 二人だけじゃあなくて私も交ぜて貰うわよっ!?」
「もちろん、私も女同士の乱闘はやるからねっ♥」
ヌルは後ろから、キャロルの肩を両手で抱いて頬擦りする。
それを、ほんのりと頬を赤くした、キャロルは目を瞑って喜ぶ。
そんな姉妹みたいな二人の背後から、突然シャリルとニウ達が乱入してきた。
「あっ! それには私達だってっ!?」
「当然っ!! 参加するわよっ♥」
シャリルとニウ達も現れるなり、女だけの乱闘に加わろうと、元気よく薬箱を両手に抱えて走ってきた。
シャリルは細長い薬箱を二つ抱えて、ニウは大きな木箱を抱えていたが、それを床に静かに下ろした。
「あらら~~二人が来たって事は、頼んでいた薬もっ♥」
「そのとーーり、お姉さまの為に持って来ましたあぁ~~♥」
「そして、これを早速オラフィアちゃんの口に含ませればっ♥」
ミリカ、シャリル、ニウ達。
三人は白雪姫の如く、深く眠る、オラフィアに近寄る。
シャリルが右腕を。
ニウが左腕を。
右足を、ファビアンが。
左足を、ヌル。
ーーと言う感じで、眠ったまま目を覚まさない死体である、オラフィアを四人で抱える。
こうして、彼女を頭の先に設置された拘束具に仲良く運ぶ。
「フフ♥ これで、彼女も目を覚ますでしょっ!」
「アハハ♥ お薬を使えば直ぐに仲間に?」
その直ぐ後には、ミリカが腰から引き抜いたレイピアで、自身の左掌を切り裂く
キャロルは、媚薬の詰まった小瓶を取り出す。
こうして、二人は妖しい笑みを浮かべつつ歩く。
それから、X型の拘束具から、だらりと両手と頭を垂らす、オラフィアにゆっくりと近寄る。
「これをこうして、って感じで?」
「私はこれをああして、こう・・・」
ミリカは右手で、オラフィアの額を押し上げると。
左手で寝ている彼女の口を開いて、拳を握り締めると、口内に何滴か血液を垂らした。
それに続いて、キャロルは小瓶から中身である透明な薬を、オラフィアの口に流し込んだ。
「これで・・・」
「彼女は♥」
「私達とっ♥」
「仲良くHな事をっ♥」
シャリル、ニウ、ファビアン、ヌルと彼女達は目をギラギラさせる。
その様は正に、何も知らない間抜けな餌を前に、涎を垂らす獰猛な肉食獣。
ーーと言ったのように、彼女達は今にもオラフィアへと飛び掛かりそうであった。




