もう一方では
「こっちには居なかった見たいだな?」
「そうよね? 目の前にコレだもんね・・・」
ジョージとミリカ達は、眼前に広がる光景に溜め息を吐く。
その理由は、二人の前に巨大な山と言うか、岸壁が広がっていたからだ。
海岸にまで続いている海岸は、フィヨルドとして形成された物の一つらしい。
そのゴツゴツとした、茶色い岸壁は邪魔で仕方がなかった。
「俺達が来た森から海まで続いて・・・」
「仕方がないわ、今夜は周辺の魔物を仕留めて食材にしましょうよ」
「それじゃあ早速、アイスビーム」
「狩りの時間ですな?」
フィヨルドの一部である岩肌を眺めていた、ジョージ。
魔物を倒そうと提案した、ミリカ。
その話を聞いて、カート馬車後部から、キャロルは氷結魔法を放つ。
この攻撃で周辺を彷徨いていた、首閉めワカメを凍らせる。
リュージンも、カート馬車から飛び降りると同時、偃月刀の刃で、火山フジツボを真っ二つにした。
「この辺の奴は、余り食えそうに無いわい?」
「そう見たいだね~~美味しそうには見えないもんっ」
リュージンとキャロル達は、自身が倒した魔物を見て呟く。
確かに首閉めワカメはスープに使えそうだが。
火山フジツボは、食えそうに見えなかった。
「カニとか、エビとか、貝殻とか捕まえようね?」
「蟹江敬三、もう居ないぜ? それに蛭子能収?」
ミリカの言葉に冗談を言い出す、ジョージだったが、それを言われた彼女は勿論。
「黙れ・・・」
「はっ! はい・・・」
額に右手を当てて微笑みながら、ジョージを脅す、ミリカ。
その姿を見て、リュージンとキャロル達も固まる。
「じゃ、気を取り直して」
「そこら辺の奴を狩るか?」
「リーダー、お姉ちゃん? あそこに、ニードル・クラブが居るよーー?」
「あれを仕留めますかっ!」
ミリカは右手を下ろすと。
機嫌を取り直し、笑顔で周りの海の魔物達と海岸を見回す。
ジョージは両腕を組み、歩き回る、キャノリーハーミットクラブやニードルクラブを見つめる。
キャロルとリュージン達は、目を細める。
その中から一番近くを走る、ニードルクラブに狙いを定めると、直ぐに行動に移った。
「とりゃっ!?」
「アイスビーム」
偃月刀の柄で、ニードルクラブの頭を叩くリュージンと。
即座に右側面から回り込んで、キャロルは氷結魔法を放つ。
二人が行った息の合った攻撃により、あっという間に、ニードルクラブは氷漬けに成ってしまった。
「一瞬だったな」
「凄いわ?」
ジョージとミリカ達は、二人の息の合った動きに感心する。
そうして氷漬けにされた、ニードルクラブ以外の魔物に彼等は目を向ける。
「俺達もっ!?」
「やるわよっ!」
近くを歩いている、三匹のキャノリーハーミットクラブ。
連中を、ジョージは足で蹴っ飛ばす。
それに続いて、ミリカも右手をかざして狙いを定めた。




