フライングシャークを鮫料理にしてやるぜぇー~ー~ー~ー
リュージンとキャロル達の活躍で、若干ではあるが。
活発な動きが鈍くなった、フライングシャークの群れ。
しかし、空飛ぶ奴等の援軍は次から次へと現れては、後部甲板に下り立つ。
こうして、ジョージ達アンデッドに荒波の如く押し寄せる。
『ビチビチビチビチ』
『ビチビチビチッ!』
蛇の如く、蛇行しながら迫る、フライングシャーク達による群れ。
ゆらゆらと体を揺らす、鋭い牙が生えた大顎を開く、一匹のフライングシャーク。
奴が、ビョルンに近づく。
「うわっ!? くっくく来るなぁ~~~~!!」
『ドド♪ドド♫ドドドド♬』
口を開いたまま、飛びかかってきた奴の喉を狙って、ビョルンはニッケルハルパを構える。
恐怖の余り、彼は慌てて喚き叫びながら音波魔法を乱射した。
その攻撃で、彼から少し手前に頭から甲板に突っ込む、フライングシャーク。
空を飛んで飛来してくる群れ。
連中に向かって、ビョルンは再度の音波魔法を放とうと、ニッケルハルパを構える。
「援護しますっ!」
「助かるっ!」
『ドドドド♪ドド♫ドド♬』
ヴィカの暗黒魔法による援護と共に、音波魔法を乱射する、ビョルン。
二人による対空射撃で、次々と後部甲板に落下する、フライングシャークの死体。
『ドタドタドタドタッ!』
ヴィカの暗黒球に体を抉られた、フライングシャーク。
奴等は、頭や脇腹に丸い穴が開き、その中身である肉や骨が見える。
ビョルンの音波魔法で仕留められた、フライングシャーク。
こちらは、体全体に傷が付いて後部甲板を埋め尽くす。
「まだまだ来るぜっ!」
「気を抜かないでっ!」
モンタンテを振るう、アレリオ。
彼は向かって来る、フライングシャークの頭を切り落とし、二匹目は口から体に掛けて切り裂く。
それから、どんどん襲ってくる三匹目の頭を正面から真っ二つに。
背後から来た、四匹目は下に潜り込んで腹部を切りつける。
五匹目は、両目を切り裂く。
アレリオの頭上から落下する一匹は、ヌルがブローパイプから発射した毒針で見事に仕留めた。
「どうよ、私のコラプットの腕は」
「助かったぜ、ヌル」
ヌルは自身による、ブローパイプ、コラプットの腕前を自慢しながら次矢を装填する。
アレリオは、彼女に感謝を告げる。
「礼より、次が来るわよっ!」
「そうだな、次も切り裂いてやるっ!」
まだまだ、沢山飛び出てくる、フライングシャークの群れ。
連中に立ち向かう気満々な、アレリオとヌル達だったが。
二人の後ろから奇襲をしようと、フライングシャークが二匹も迫る。
「って言ってる、二人の後ろはっ!?」
密かに背後からの襲撃を敢行しようとしていた、フライングシャークだったが。
二匹とも、目の前に立ちはだかる、ニウからコテンパンにされる。
一匹は下に潜り込んだ、ニウの腹パンをされて回し蹴りを喰らい、もう一匹は頬を殴り飛ばされる。
「済まないな、ニウ」
「有り難うっ♥」
「もう~~気を抜かないでっての」
助けてくれた、ニウに感謝しながら他のフライングシャークと必死で戦う、アレリオとヌル達だったが。
彼女もまた急がしそうに、戦い続ける。
『ドパアッ!?』
そんな時、いきなり後部甲板に巨大なフライングシャークが一匹落下してきた。




