朝方のまだ明るくない時間帯から襲撃、フライングシャークの登場っ!?
「サンダーショット」
『バチィッバチッバチィッ!』
マストの見張り台から後部甲板に向けて、雷撃魔法を乱発する、マルセルだったが。
それ等は、甲板の床に当たって焦げ跡を作ってしまう。
「おい、マルセルッ! 誤射したら危ないし、床に当たって板を破壊したら大変だから、奴等が跳び跳ねている時を狙えっ!」
フライングシャークは、海から姿を現し、ピョンピョンと海から跳び跳ねては後部甲板に落下してくる。
その姿に、ジョージはそこを狙えと上を向いて、マルセルに伝える。
「皆もなるべく射撃系の武器は使わないで、どうしても使うにしても宙に向けてね、それから全員抜刀っ! 白兵戦に備えてっ!?」
後部甲板上を駆け抜けながら、鞘からレイピアを抜き取った、ミリカ。
彼女は、直ぐに一匹フライングシャークを仕留めようと、目玉に切っ先を刺し込む。
その攻撃を受けた、フライングシャークは力なく動かなくなるが。
今度は、別の一匹が跳びはねながら彼女に狙いを定めて、頭に噛み付かんと迫る。
『ザパァッ!』
「しまったっ!?」
『ドンッ』
僅かな隙を突いてきたフライングシャーク。
奴の口に、頭を丸噛じり取られそうになるミリカだが。
そこに何処からか、銃弾が飛んできた。
「お姉さまっ! アタシが援護するよっ!!」
フライングシャークは、その一撃で右目上を撃ち抜かれて甲板上に落ちる。
今奴を狙撃した、ファビアンはミリカに勝ち誇った笑みを向けた。
「有り難う、ファビアン♥」
「えへへっ♥」
「二人共、ぼーとしてないでっ! 次が来ますよっ!!」
「また来たよっ!」
戦場と化した後部甲板にて、仲良く笑顔を向け合う、ミリカとファビアン達。
そんな二人を他所に、シャリルはメイスを振るいフライングシャークを追い払う。
ヴークは、スリングショットから石を放ち、船縁から顔を出した、フライングシャークを一匹仕留める。
「しつこい奴等だぜっ!」
「邪魔だっ!」
ジョージも右手を斜め上に向け、空飛ぶ、フライングシャークに向けて暗黒球を放つ。
ファレドも、テレクを突き出し、フライングシャークを牽制する。
「鮫料理にしてくれるわいっ!」
「これなら大丈夫、アイスビーム、アイスビームッ!」
リュージンは偃月刀を振り回して、フライングシャークの首を跳ねると同時。
もう一匹も胴を切りつけ、二匹纏めて息の根を止めた。
師匠に続いて、氷結魔法は甲板の床を凍らせるだけで傷付けないだろう。
と判断した、キャロルは連続で氷結魔法を乱発する。
乱発した魔法が当たらずとも、甲板上を蛇のように頭を振って進む、フライングシャーク達。
奴等は気圧され、その攻撃を避けるため若干だが攻撃頻度が下がった。




