★ そこに現れたのは誰?
「お姉さまっ!!」
「みんなぁーー! 何をやっているのっ!?」
その場で行われている、ミリカへの凌辱に、ニウは目を見開き、キャロルは口を大きく開いて驚く。
「何って? ・・・見たら分かるじゃないの♥」
「長旅に疲れた船員の反乱よ♥」
「退屈地獄に連れ出した船長には責任を身体で取って貰わないと♥」
彼女等の前で、ミリカの身体を拘束しつつ撫で擦る三人は次々と反乱の訳を話す。
二人の正面では、ミリカの身体に覆い被さるように、ヴィカが両肩を揉む。
左からはファビアンが、右からはヌルが、手足をスリスリシュルリと撫でる。
「ニウちゃん、キャロルちゃん、早く見てないで助けてぇ」
「はいっ! お姉さまへの不遜な態度は万死に値しますっ!!」
「お姉ちゃんへの反逆行為は許さないよっ!!」
ヴィカに腕を撫でられたり、ヌルに脇を擽られたりと。
さらに、ファビアンから肩を擦りまくられた、ミリカは泣き叫ぶ。
悲鳴を上げて、助けを求める彼女を救出するためにと。
直ぐに戦闘体勢を整えた、ニウとキャロル達だったが。
「お姉さまっ! 今行きますっ!!」
「私達も加勢しますよぉっ!!」
「フフフ・・・貴女達もこちらに来なさい♥」
「二人も歓迎しますよ~~♥」
「ホラホラ、早く手伝ってくれっ♥」
「えっ? ・・・」
ミリカを救うため、両手に構えたダンを使って戦うのかと思われた、ニウ。
そして、ショートスタッフから氷結魔法を放つのだと思っていた、キャロル。
二人はミリカの前で、三人と戦うことなく上着をスルリと床に脱ぎ捨て始めた。
ヴィカ、ヌル、ファビアン達も二人の加勢を歓迎して喜ぶ。
それから、二人と共に、ミリカを五人がかりで攻撃する。
思いもよらぬ、二人の裏切りに、ミリカは驚き動けないでいる。
それに、彼女は目を見開きながら何故二人が敵に回ってのかと戸惑う。
「ちょっと助けてくれるんじゃ無かったの?」
「はぁ~~何を言ってるんですか、彼女達の凌辱を助けると言ったじゃないですか?」
「私もちゃんと、彼女達に加勢しようって言ったよ?」
ミリカが怒りながら話し掛けても、ニウとキャロル達は、ニヤニヤと嗤うだけだ。
それは、まるで催眠洗脳魔法にでも掛かっているじゃないか。
ーーと思うほど、柔和な笑みのまま変な事しか言わなかった。
「でっ? でも、私への不遜な態度はどうとか、反逆は許さないとか言ってたじゃない・・・アレは何なの?」
「言いましたけど、実は最初から私達二人も三人と一緒に、お姉さまを狙っていたんですよっ♥」
「お姉さまがイケないんですよぉーー? 私達が少しも我慢出来ない身体にするから♥」
ミリカの問いに対し、ニウは笑いながら種明かしをする。
キャロルも、何の理由で何故こんな事をするか答えた。
「くっ! 最初からグルだったのね・・・貴女達、後で覚えてなさい」
そう叫んで暴れようともがく強気なミリカだが。
美しい彼女の前で、左右からニウとキャロル達が垂らす涎で光る舌が迫っていた。




