これにて兵器の説明は終了
「魔導雷雲発射砲《マジシャン・ゲヴィッターヴォルケ・ピストーレ・アップ・フォイエルン》、これはかなり太くて黒い砲身から黒雷雲を発射して、敵に直接電撃のダメージを与えたり、上空に飛ばして地上を爆撃する事も可能です」
(・・・本格的な戦車見たいのが出てきたな・・・)
ヴークが語る、一メートルもなる黒い砲身と大きな球体型の砲塔を備えた兵器。
それを、ジョージは恐れる。
「魔導音響喇叭砲、これは黒い巨大ラッパから音波魔法で敵を吹き飛ばしたり、音量を調節する事により音の大きさで敵を足止めする事も出来ます」
(・・・ラッパ型の音量兵器か・・・公衆トイレからモスキート音を発生させてヤンキーを追い出す装置を思い出すな・・・)
ヴークが語る、巨大なラッパの威圧感に気圧される、ジョージ。
それと同時に、耳が痛くなる耳鳴りの様なモスキート音を彼は思い出した。
「魔導扇風斬刃輪《ファン・マジカ・ロタエラ・ディ・タディリオ》、これは水車型の形状の車輪の中に無数の刃が斜めに備えてあり、魔法により発生した風圧により刃から斬撃を放つ兵器です」
(・・・風を利用して斬撃を放ちまくる兵器・・・見た目はまんま扇風機か水車だな・・・これだけデカければ夏は涼しそうだ・・・)
リュージンが語る、扇風機にも水車にも見える兵器。
それを前に、ジョージは夏も涼しそうだと。
これの前で、カキ氷を食べてる自分を想像する。
「巨大貝殻型魔導風圧器《ジュネラトウ・ディ・プレシオーネデル・ベイト・マジック・ア・コンキーリア・ジガルテ》、これは見ての通り二メートル大の貝殻から強力な風圧を発射して、多数の敵を蹴散らす兵器です、また弱めの風圧を放射し続ける事で敵の接近を足止めする事や敵の放った矢を撥ね飛ばす事が出来ます」
(・・・さっきのラッパ同様に暴徒鎮圧にも使える兵器・・・これも夏場は便利だな・・・威力を落として使えば汗を一気に吹き飛ばせるぞ・・・)
ファレドが説明した蝸牛の殻型兵器。
これを、またも下らない事に利用しようと考えたジョージ。
「これで終わりか・・・と言うか何で、ヴークはこんなに詳しいんだ?」
「・・・好きだから」
他の仲間は全員が成人男性であり、それぞれ戦場を渡り歩いた者や魔法に詳しい者達ばかりだ。
そんな中、ジョージは不思議がる。
一人、まだ少年であるはずにも関わらず大人に負けない知識を持っていた、ヴークの事を。
「はぁ?」
「僕が兵器とか好きだからだよ」
ジョージは、頭に?マークを浮かべたが。
ヴークは、自分が兵器を好きだからと恥ずかしそうに答えた。




