飯を食べ終わったぞ・・・
「ふぅ・・・何もしていないのねって今イタズラしてたろがっ!!」
「ぐあっ! ふぃっ!?」
ミリカの拳に思いっきり打たれてしまった、ジョージは変な台詞を吐いて床に倒れる。
「良いかしら? ・・・二人共、良い子として勉強しないと、将来こんなバカになるのよっ!!」
「ぐへっ!?」
床に倒れている、ジョージ。
その喉仏に向けて、ミリカはブーツに力を込めると。
踵を食い込むように、グイグイと体重を掛けて踏む。
そして、ミリカは口許を歪めつつ悪魔の笑みを浮かべ、ジョージはまた変な声を出して苦しむ。
「どう・・・苦しいでしょう? 死にたくても死ねないアンデッドだもんね」
「ぐっふが! はがぎっ!? げっ! なっが?」
(・・・苦しくは無いが喋り辛いぞ・・・)
ミリカは再び、ジョージの方に顔を向けると。
微笑みながら体重を掛けた足に更なる力を入れる。
当然ではあるが。ジョージは喋り辛くなり、必死で抵抗する。
手足をバタつかせたり、ブーツを履いた足を退けようと、両手で握り締めたりするが。
「ふん、まあ今回は許してあげるわ・・・ヴーク、キャロル」
「はっ! はいっ!」
「何でしょっ!?」
ジョージの首から、ブーツを履いた足を退かした、ミリカ。
彼女は、それを見ていた、ヴークとキャロル達の名を呼んだが。
ジョージが、彼女に一方的に殴られる一部始終を見ていた、ヴークとキャロル達。
二人は、名前を呼ばれた途端、恐怖の余り体が硬直してしまう。
「今の見ていたわよね・・・分かったなら静かに食べなさい」
「は、はい・・・」
「あっ! はい・・・」
ミリカは、何時も通り穏やかな口調と笑顔に戻り、二人の頭を撫でつつ静かにと言うと。
ガタガタ震えながら、ヴークとキャロル達は返事をした。
「お前もな」
「はい・・・」
ミリカは後ろに振り向くと。
また怖い口調で、起き上がったばかりのジョージに対して、ドスを効かせた。
しかも、蛙を睨む蛇の如く見つめ・・・いやガンつけてだ。
その後、静かに食事を食べた全員だが。
彼等は、直ぐに仕事をしている仲間達にも食事を食べさせる為に食堂から出ていった。
「さっきはゴメンね?」
「やりすぎだろ」
食堂を出ると、両手を合わせて謝る、ミリカだが。
それを、ジョージは目もくれず歩く。
「だからぁ~~? ・・・あの子達を叩く訳にはいかないし、そしたらあんたを叩くしか無いじゃない?」
「いや、だからって・・・あれだけ強く叩くのはおかしいだろ・・・」
ミリカの甘えるような口調は流石に、やり過ぎだろうと、ジョージは怒りながら言うが。
「その前に人の後ろで変な事をしていたのは誰よ・・・いくら自分が反面教師を演じるからってフザケ過ぎだし、あんたにアレくらいやらないと、二人は私の言う事を聞かないでしょう」
「ゆっくり話せ、まあ俺もフザケ過ぎたが、お前もやりすぎだ・・・アレじゃあ、お前は二人に嫌われちまうぜ」
早口で捲し立てる、ミリカに対して、ジョージは反省しろと言って説得した。




