夜中の夜食
「何だ、コレ? 美味そうだけど・・・」
「確かに知らないわね、タラとジャガイモ?」
「材料が余り無かったので、干タラとジャガイモ炒めしか出来なかったのですが・・・」
左右にある、細長いテーブルに並べられた食堂に集まっている人数分の料理を見た、ジョージ。
彼は、いったい何の料理だと首を傾げる。
その左に立つ、ミリカも頭に?マークが浮かび、料理の材料を調べて見る。
そんな二人に対して、ニウはミリカの言う通り、ジャガイモと干タラを炒めただけです。
ーーと申し訳なさそうに答えた。
「まあ~~時間が無かったし、有り合わせの材料ならしょうが無いわよ」
「それより、こっちのスープにも干タラが入っているな、コレも温かくて美味そうだぞ」
「干タラと塩漬けワカメ入りスープだよ、私の自信作っ!」
干タラとジャガイモ炒めの隣に並ぶ、スープを見た、ジョージとミリカ達。
二人に元気良く自信満々に、キャロルは答えた。
「どれ、うむうむ・・・時間も無く有り合わせで作った割りには美味いな」
「ふむふむ・・・はぁ~~~~あぁ~~? 美味しいわぁ♥」
「タラとジャガイモの塩味が良い感じだなぁーー」
「このワカメのスープ・・・身体が暖まるわぁーー♥」
炒めたタラを食べて塩味を舌に感じる、ジョージ。
塩をまぶされた、ジャガイモのホクホク感を味わう、ミリカ。
タラとジャガイモ両方を頬張り笑顔を浮かべる、ビョルン。
喉を流れる度に、ファビアンは全身が温かみに包まれるように感じた。
「このお茶は何の茶でしょうか?」
「少し甘苦い感じがするわ?」
「苦いホワイトウィロウの中に、甘いリコリスを混ぜて飲みやすくしたの・・・」
謎のハーブティーを飲んだ、ファレド。
一口飲んで驚いた、ヌル。
二人は甘苦い味を不思議がる。
「どうでも良いけど、コレは美味いな~~」
「むーー! ちゃんとスープとハーブティーを味わって飲んでっ!」
干タラと、ジャガイモ炒めを、ひたすらガツガツと食べる、ヴーク。
そのケモ耳を、怒ったキャロルは両手で鷲掴みにして引っ張る。
「痛っ! ・・・いてててっ!?」
「懲らしめてやるーーーー!!」
ケモ耳を強く引っ張られた、ヴークは四足歩行で走り出す。
こうして、テーブルの周囲を、ドタバタと嵐のように駆け回るが。
それでも、彼の背中に馬乗りに跨がった、キャロルは踏ん張る。
彼女は両手で掴んだ狼のケモ耳を決して放さず、全く諦める気配はない。
「ふぅ~~? おい・・・五月蝿いぞ、飯の最中だろがっ!」
「ご飯を食べてる時は静かにしなさい、二人とも騒がないでよっ!」
溜め息を吐いた、ジョージは子供二人を怒り、ミリカも静かにと言って叱る。
「いや、だって? キャロルの奴がっ!!」
「ヴークの方が悪いのぉっ!!」
しかし、それでもまだヴークも走るのを止めず、またキャロルも手を放す気はなかった。




