全員揃ってでは無いが食堂にて昼飯に
『ガチャ・・・』
両扉を開いて食堂の中に入る、二人。
そんな二人の前には、二つある細長い十人位は座れそうなテーブルが広がる。
この食堂と船橋だけは、ランタンによる明かりが灯されていた。
それにより、食堂内は温かみのある黄色い光に包まれていた。
その奥には、キッチンが存在している。
そこに目を向けると。
白いポットを傾け、木製のトレーに載せられた白いカップにゆっくりと茶を注ぐ、ゴースト。
キャロルの姿が見えた。
そして、もう一人。
奥の方で忙しなく動いていた、ニウが二人の姿を見ると、此方に歩いてきた。
「リーダー、お姉さま、他の仲間はまだ来ないのですね」
「アレリオとシャリル、カブラル達は船長室にて、見張りを行っているし、ファビアンもマストの上だしな・・・」
食堂奥のキッチンで料理を作り終えた、ニウ。
彼女は、入ってきたばかりの二人を出迎えるが。
同時に、他の仲間達は来ない事を案ずる。
その言葉に対して、ジョージは腕を組んで語る。
他の仲間は、見張り等により雑務で来れないから仕方がないだろうと。
「来れる連中だけで食べて、他の仲間は後から交代した時に食べて貰いましょう」
「それしか無いですね」
「うん、それしか無いよう?」
ミリカが今は自分達で食事を頂く事を決めると。
ニウもその言葉に同意して、横からひょっこり現れた、キャロルも同意した。
「それで・・・他の連中は何処に行ったのか帰っ! ・・・来たわね?」
『ガチャ』
「うぅ~~寒い潮風に当たったせいで、冷えるわーー」
「あーーお風呂はサッパリしたわぁ」
「お腹空いたわ~~もうダメぇ」
他の仲間と食卓を囲みたい、ミリカは早く仲間達は来ないかと思った時に。
食堂の両扉が開かれ、ファビアン、シニッカ、ヌル達が現れた。
「うわぁ~~漕ぐのは疲れたぜぇ?」
「やっと昼飯を食えますね」
「わぁ~~い、ご飯だぁーー」
欠伸をしながらが、ビョルン現れると。
その後ろからはファレドが続き、最後に、ヴークが現れた。
「あれ? ・・・ファビアン、貴女は見張りを行っている筈じゃ」
「お前達・・・リュージン、マルセル、達は?」
「お姉さま、私とヴィカは見張りを交代しましたよ」
「彼等は吐きにトイレに行ったり、あとは・・・気持ちが悪いので外に・・・」
ジョージは仲間達を心配して、二人はと言う。
また、ミリカも何故見張りを行っているはずである、ファビアンが居るのか疑問に思う。
二人の質問に対して、ファビアンは交代したと言い、ビョルンは困ったように答えた。
「交代・・・そう言う事なのね」
「船酔いか、まだ海での長旅には慣れて無いからな・・・」
ミリカは納得して、下を向く。
酔ったら、かなり辛いだろうと、ジョージは船酔いしてしまった、二人を心配した。




