夜の静かな潮風漂う波間
穏やかな洋上を航海する、ジョージとミリカ達。
それと、アンデッドのパーティーが乗船した帆船。
「あの島から結構離れて来たな」
「あんなに小さく見えるとはね」
船橋から、遠ざかってゆく度に小さな黒い点に見える夢の島。
それを夜空と共に、船橋の側から眺める、ジョージとミリカ達は呟いた。
「しかし、どうするよ?」
「どうもこうも無いわ・・・大陸までの旅路は見ての通り海路を進むだけ」
海面の波間へと視線を移し、穏やかな様子を、ジョージとミリカ達はボーーと見つめる。
「それまでは魚でも食ってるか」
洋上を海流と風によって流される帆船。
その速度は、遅いのか早いのかは乗船している二人にも良く分からない。
そんな船の上で、冷たい潮風を何時までも浴びていても仕方がない。
と、考えたジョージは船内に戻る事にした。
「あっ! ・・・待って私も行くわっ!」
ミリカも彼の後を追い階段を下りて、ブレーク馬車の置いてある馬車保管庫に向かう。
階段を下りた、二人は直ぐ側の扉を開いて中に入って、ブレーク馬車を眺めた。
ワゴン馬車程の大きさは無いが、充分な大きさである車体は威風堂々としている。
高い位置から見下ろす運転席と、長く伸びた足置き台は目立つ。
ブレーク馬車を見た、二人は仲間全員が集合した後。
更に、発見した馬車保管庫奥の両扉の向こうに向かう。
(・・・デカイなぁ・・・)
(・・・大きいわぁ・・・)
その場から去る、ジョージとミリカ達の見ていたブレーク馬車。
それは、実は大型・中型のどちらも大して重量は変わらず、若干だが見た目が違うだけであった。
「新しく四頭も馬が手に入るとはな」
「昼はもうニウ達が作っているし、夜は馬肉を食べましょう」
その向こうの広い部屋にでた二人は、辺りを見渡して馬達が並ぶ様を見る。
そこは細長く、左右の壁際は厩舎と成っていた。
ジョージ達のアンデッドホース達と、ブレーク馬車を引くための馬達が居た。
馬達は、四隅を囲む木製四本の柱と、横に並ぶ三本ずつある柵に囲まれている。
そして、むしゃむしゃと四角い餌箱の干し草を食べていた。
「それじゃあ食堂に向かうか?」
「そうしましょう、お腹も空いたし」
落ち着いて干し草を食べている、馬達の様子に安心した、ジョージとミリカ達。
二人は食堂に次は向かう。
厩舎部屋の奥にある壁に備えられた、二つある扉。
その内、右扉を開いて先へと続く廊下を二人はゆっくり歩いて進む。
それほど長くも無い、廊下を二人は歩いた。
彼等は、船倉に繋がる階段を下りて食堂の両扉前に着いた。




