アミ達を殲滅しろっ!!
「皆良くやってるな、よし俺も・・・ダークボール」
「私も撃たないと、フレイムボール、フレイムボール、ていっ!?」
混戦している戦場の真っ只中。
その渦中で、辺りを見渡したジョージは即座に動き、暗黒球を鼠色の砂浜に撃ち込み、穴を開けまくる。
そうする事によって、例えアミ達を仕留められなくとも、多少の圧力を掛けられるのだろう。
と思っての攻撃だった。
その行動に、自らもボケっとしている暇はないと。
ミリカも火炎球を連続で放ち上から襲い来るアミ達を牽制する。
その対空射撃で、空洞の天井が火炎により照らされ、周囲が若干明るくなった。
「行けぇーー❗」
『フッ・・・』
「はあぁっ! くたばれっ!」
「くっ来るなぁ来るな~~~」
『ドド♫ドド♬ドド♪ドドドド♫♪ドドッ♬』
リーダー格二人が戦闘に身を投じる中、アンデッド達もアミの群れをどんどん追い込んでゆく。
スリングショットの紐を、ヴークは力一杯引っ張り、それを離して小石を飛ばして一匹仕留める。
その後ろでは、ヌルが両手で構えたブローパイプで木製の針を放ち。
頭を出した、アミの頭部の柔い甲殻を突き刺し、その強力な毒で奴を一撃で仕留める。
回し蹴りで吹き出たばかりのアミの左頬を蹴飛ばす、ニウ。
彼女は、次いで上から飛来したアミの顎にアッパーを喰らわせ、ダンの衝撃でブッ飛ばす。
それに続いて、高く舞い上がり、天井付近から落下速度を加えて落ちようとしているアミ達。
連中を、ビョルンはニッケルハルパの音波魔法で撃ち落とす。
『ドバッ!?』
「どりゃあああっ!!」
『ブボッ!』
「きゃっ!? くっ! ・・・このぉ!」
徐々に数を減らしたアミだったが、アレリオの振り下ろしたモンタンテに一匹砂から上半身を出した所を一刀両断され。
雷撃魔法を放つシャリルを、背後から襲おうとした、アミ。
奴が飛び出た音を聞いて、後ろを向いた彼女のメイスに頭を潰されると、もう出てこなくなった。
アンデッド達は全員、恐らくは今のが最後の一匹だったのだろうと判断したが。
警戒心を解くことなく、死体を回収して一ヶ所に集め始めた。
「重たいな・・・このアミ?」
「まあまあ後でスープに入れたら食えるんですし」
愚痴を溢しながらジョージは、アミの死体を引き摺って、海岸の一ヶ所に置くと。
別の場所から死体を引き摺って来た、アレリオに言われる。
「ジョージ、うちらは馬車を持って来るから」
「あいよ、分かったわ」
女性アンデッド陣を従えたミリカ。
彼女は、曲がり角に停めてきた馬車へと向かい。
死体を集め終えたばかりのジョージは船への道を探す。
「あの錨・・・彼処から登るしかないか・・・」
砂浜の上に置かれた錨をロープ代わりにして、甲板に乗り込む事にした、彼は早速だが。
錨に飛び乗ってしがみつき、上を目指して登って行った。




