アミとの決戦は続く
下から突然飛び出したアミの群れに、驚いたアンデッド達は混乱しながらも果敢に戦う。
「うわっ! こんなに大量にっ! アイスビーム」
「多すぎじゃろう!!」
ショートスタッフから氷結魔法を放つキャロルと。
偃月刀を横凪ぎに振るい、リュージンも必死でアミの群れを寄せ付けまいと牽制する。
「うわっ! うわっ! うわ~~❗」
「叫んでないで早く撃ちなさい!」
次々と砂中から、ロケット弾の様に砂を撒き散らしながら飛び出すアミの群れ。
連中に、ビョルンが腰を抜かしている間、ニウは彼を戦えと怒鳴り散らす。
「くっ! 数が多すぎるわ」
「ああっ! そうだねっ! 僕のニッケルハルパで・・・」
ダンを備えた腕を振るい、回し蹴りを放つニウ。
彼女が必死に戦い、アミを二匹も仕留めると、ようやく体勢を建て直したビョルンも反撃に移る。
『ドドド♫♪ドド♬♪ドドド♫ドド~~!♬』
彼の発射した音波魔法はアミを一匹も倒す事は無かったが、圧力を掛けて多少の牽制には役立った。
「きゃああっ!!」
そんな中、突如鳴り響いた悲鳴にアンデッド達は注目すると。
そこでは何と、シニッカが下から現れた、アミに空中に運ばれて行くのが見えた。
「彼女を助けなくてはっ!」
「言われなくても助けるよっ!」
『バンッ!』
『バンッ! バンッ! バンッ!』
ファレドは即座に、フリントロック式ピストルを発砲し。
ファビアンも、三連ミュケレットロック式銃を連射する。
空中を飛ぶ、アミに放たれた銃弾は全て外れてしまい。
シニッカを抱き抱えられたまま、地上に落下して砂中に潜り込まれてしまう。
「シニッ!?」
『ズサァッ!』
その光景を見て、シニッカの名前を叫ぼうとしたアレリオだが。
彼も、アミに空中に運ばれてしまい、砂浜に落下させられる。
「アレリオッ!!」
「だっ大丈夫だシャル・・・」
砂中に引き込まれたアレリオだったが、直ぐに鼠色の砂から白い髑褸頭を出して大丈夫だと言った。
「俺達は、アンデッドだから人間の様に窒息死はしない、恐らくはシニッカも生きているだろう」
砂を掻き分け、何とか脱出を果たした、アレリオは首を左右に強く振るって語る。
「気を抜くなっ! 僕が幻影で敵を錯乱するからその隙に攻撃をっ!」
「私も、精霊達に奴等を攻撃させます」
幻影魔法で、アミの群れを錯乱しようとマルセルはビッグブラシを振るい。
空中に、豹と虎とジャガーとライオンを描いた。
ヴィカも、精霊魔法で邪悪精霊を呼び出し。
空中を跳び跳ねる、アミと砂中に潜る、アミ達を攻撃した。
『ズバッ!!』
『ザバァッ』
『ババッ!?』
突如何処からともなく現れた、四匹の猫科動物達に、アミ達は混乱する。
そこを狙って群がる、オルタラに殺られてしまう。
紫色に発光する鎌を持った骸骨。
顔を前髪で隠した、トライデントを構えた女幽霊。
これらのオルタラ達は、アミ達の命を刈り取る。
『!! ・・・』
『!?』
『!!!!』
マルセルの出現させた、四匹の動物達。
それらは、アミの群れを執拗に付け狙い、走り回っては砂中に飛び込む連中を追い掛ける。
ヴィカの操るオルタラ達は、暗黒球の様にアミ達の体を当たった瞬間消滅させる。
こうして、戦いはジョージ達アンデッド・パーティー側に形勢が傾いてきたのだった。




