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進化後の変容


「気分は・・・」


「悪くは無さそうだな?」


 絵から身を乗り出したばかりで、自分自身のアンデッド化と。

 周りをぐるりと囲む、アンデッドのパーティーに混乱するマルセル。


 そんな彼を、ジョージは心配して観察するが、マルセルには何処も具合の悪そうな所はなく。


 アンデッドへと突然変化した事による影響で、彼は自身の体の異変に戸惑っているだけだった。



「ガキ、お前はどうだ?」


「僕・・・僕は・・・」


(・・・何か分からないけど僕はこの人に逆らえない・・・それに全然怖くないと言うか? 頼もしさや親しさ・・・それに格好よさを感じる・・・)


 ジョージが今度は、ヴークに話し掛けると、アンデッド化した彼も心が変容していた。



(・・・不思議と彼等に嫌悪感が沸かない・・それ処か何故だか吸血鬼様とゾンビ様に敬意を抱いてしまう・・・)


 アンデッド化した影響に完全に負けた、マルセルも親株に逆らえない様になってしまった。



「ヴーク・・・頭を下げなさい」


「マルセル、あんたもだよっ!」


 何時までも戸惑う二人の姿に、姉としてヴィカは弟ヴークを叱り。

 カマルに雇われた元護衛仲間のファビアンは、マルセルを叱る。



「う、うん・・・今までの生意気な態度をご免なさい・・・」


「分かった・・・私の不遜な態度、大変申し訳有りませんでした」


「別に分かれば良いのよ、分かればっ!それよりこれからは仲間として頑張ってね」


「そうだな・・・別に気にしてない、それにミリカの言う通り仲間として働いてくれ」


 深く頭を下げて土下座したヴークと、絵から全身を乗り出して土下座する、マルセル達。

 二人の周りを囲むアンデッド達は注目を集める。


 そして、彼等をミリカ、ジョージ達は正式な仲間として暖かく迎える事にした。



「お姉さま、新たな五人の仲間を歓迎会を開かれては?」


「おっ!それは良いねぇ~~じゃーーあ、シャリルちゃんの言う通り歓迎会を・・・」


「開くっても、大した料理は用意しては無いし、今からだと時間が掛かるから、普通に調理済みの保存食とかしか出せないが・・・」


 歓迎会をと言ったシャリルの提案に対して、ミリカは大喜びで賛成したが。

 ジョージの一言で、それは中止と成りそうであった。



「マジで・・・」


「いや、簡単な料理は出せるから、それで良いならやるにはやるぞ」


 驚いた表情のまま落胆するミリカに、やるにはやるからと、ジョージは気を取り直して安心させた。



「はぁーー良かったわ~~? それじゃ食堂に行きましょう」


 こうして、ミリカは仲間と新たに加入した仲間達を引き連れて、食堂を目指して歩いていった。

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