狼の反撃
(・・・他の連中はどうなった!? ・・・)
いきなり、噛み付かれるジョージ。
「ぬぁっ何ぃっ!? まだこいつはっ! くそおおっ傷が浅かったかああああぁぁぁ!!!!」
ジョージは体を山岳狼に噛み付かれて、空中に放り投げ飛ばされる。
「うわあああぁぁっ!?」
ジョージは、そのまま地面に勢いよく激突してしまう。
「ぶべぇっ! ぺっ! ぺっ! ぷっ! くそぉ口に土が入った、ん!? ・・・右腕が動かないぞ? あれ? 左腕もだ・・・」
(・・・あぁーー目の前にクソ犬が居る、これは終わったな、こんな腕じゃ魔法も剣も使えないしな・・・)
ジョージは、地面に激突してしまい。
右腕が曲がり、山岳狼に噛み付かれた左腕が動かなくなる。
それで、彼は棒立ちしてあきらめてしまう。
そんな彼を、執拗な山岳狼が最後の一撃を加えようと走りだした。
「ジョージ様っ!!」
アレリオが横から助けに入り、山岳狼に斬りかかる。
そして、長剣が山岳狼の頭の真ん中に深々と突き刺さり、山岳狼は。
「グォォ」
小さく呻き、まるで眠るように崩れ落ち絶命した。
「ジョージ様、ご無事で」
ジョージの事を、アレリオは心配した。
「ああ、お前のおかげで無事だ、それより美味しいところを持ってかれたな?」
そう言うが、ジョージはアレリオに対して。
「助かったよ、有り難うアレリオ」
ジョージは彼に感謝して礼を言った。
(・・・さてさて・・・ミリカとシャリルはどうなったかな・・・)
「サンダーショット」
「くったばれー、フレイムボール」
ジョージが二人を見ると。
シャリルとミリカ達の戦闘は、たった今終わった様であった。
(・・・今回俺の見せ場はあまりなかったな・・・)
ジョージはそう思いながら、山岳狼の死体を見る。
「さあーてと、焼いて食うかなぁ」
ジョージがそう言うと、皆一様に頷く。
「ミリカは魔法で焼いてくれ、頼むぞ」
「あいよ、ジョージ美味しく焼いて上げるから楽しみに待っててね」
ジョージはミリカに頼むと、彼女は山岳狼を焼こうと準備する。
「シャリルは、俺や他の仲間の傷を手当てしてくれ、特に俺は両腕が負傷して動かなくなっていてな」
「はい、ジョージ様、今治療を行います、ヒールッ」
ジョージは怪我の手当てをシャリルに頼むと、彼女は治療を始める。
そして折れ曲がった腕や噛み付かれた腕を、曲げ直して回復魔法と包帯で治療する。
「アレリオは俺と一緒に、このバカ犬の死体を捌くぞ」
「分かりました、ジョージ様、こいつの肉をミリカ様とシャルに・・・」
ショートソードを構えたジョージと共に、アレリオは長剣を構える。
「ミリカ、今狼を捌くからな、それをお前が焼いてくれれば旨い肉が食い放題だ」
「うんっ! 分かったわよ、ジョージッ」
ジョージはそう言うと、山岳狼を捌き始める。
彼に、ミリカは分かったと答え、捌かれた山岳狼の肉に火炎魔法を放つ。
「フレイムボール、フレイムボール」
ミリカは何度も火炎魔法を放ち、肉を焼き上げる。
「シャリル後少し頼めるか」
「はい、何でしょうか? ジョージ様」
ジョージは、またシャリルに頼み事をする。
彼女は何を頼まれたか不思議に思う。
『ドンッドンッドンッ』
シャリルは山岳狼の骨を、メイスを使って叩きながら砕いて潰す。
その後、骨はシャリルに砕いて貰い粉状にしてもらう。
それを余った肉と混ぜ合わせて、こねくり、カルシウム入りの肉団子を作って貰う。
「はぁーーい、こんがりと仕上がりましたよぉ~~」
「さあっ出来たな、皆で腹いっぱいに食うとしますか」
ミリカは肉を焼き上げて皆にそう告げる。
ジョージはそう言うと肉にかじりついて食べ始める。
そして、皆もほぼ同時に肉にかじりついた。