★ その後の様子は・・・
「居なくなったか・・・お前達は大丈夫か、あいつ等に何か変な事をされたんだろう?」
後ろに居るであろう、二人に声を掛けた、ファビアンであったが、当の彼女達は。
「はひゃぁ~~! はひぁ~~? ・・・そんな事は有りませんよぉ♥」
「ひゅーーひゅーー!! そうですよぉ~~? お姉様は私達に素晴らしい快楽を、お与えになっただけですぅ♥」
ヌルとヴィカ達の返事を聞くと。
ファビアンは、ダメだ・・・女吸血鬼の言った通り、本当二人は堕ちたのかと落胆する。
(・・・ダメだったか・・・)
「こうなりゃ私だけでも絶対に生き抜いて仲間の元に生還して見せるわっ!」
一人生還を目指す、ファビアンではあるが、果たして彼女は無事に生還できるのだろうか。
「彼女、暫くは放置しておけば心変わりもするでしょう」
「そうでしょうねぇ、そうすれば流石に我慢も出来ずに・・・」
目を瞑ったり細めたりしながら、湯に浸かるミリカとシャリル達と他の三人。
彼女達は、今回浴槽に肩を沈めて暖かさに身を任せた。
「ふぅ~~? サッパリしたわぁ~~!」
その後、ミリカ達は風呂から上がって洞窟を抜けて、広い空間にまで戻ってきた。
「おい、悪堕ちはどうなっているんだ?」
「あぁーー? 二人は終わらせてきたわ、だけど一人頑固なのが居てね」
洞窟を出た所で、ミリカの前に現れた人物。
それはーーまだか、まだか、悪堕ちはまだかと待ちわびる、ジョージであった。
「彼女が堕ちるのに、後は十日程時間が欲しいんだけど」
「仕方無い、それ以上は待てないぞ」
ミリカの願いを、何時も通り仕方が無いと聞き入れた、ジョージ。
彼は、踵を返して歩いて食堂扱いの木箱に向かって歩いて行った。
「十日か、それだけ時間が有れば」
一人事を呟き、不気味に口角を吊り上げた、ミリカの口端からは犬歯が覗いていた。
それから、大分時間が過ぎて日が変わり、次の日が来ると女アンデッド達は動き出す。
「今日は、昨日ジョージに言った、十日の一日目・・・彼女はまだ降伏しないでしょうね」
「まだまだ気長に待ちましょう」
ミリカとシャリル達は、気長に待とうと食堂で、ローズヒップ・ティーを飲みながら話す。
そして、二人は貴族の如く優雅に、ファビアンが悪堕ちする事を待ちわびた。
「ふぅ・・・ふぅ・・・」
その頃、複数合わせた薬による香りが漂う岩柱の牢屋。
そこで、ファビアンは苦しそうに吐息を吐いて、屈辱に耐えていた。




